埼玉県教育委員会は4月23日、2025年度(令和7年度)埼玉県公立高等学校入学者選抜の実施状況を公表した。全日制課程の一般募集などでの受検者は3万8449人、競争率は1・16倍となった。欠員補充を実施した51校のうち47校が定員未満で終わり、定員割れの深刻さが浮き彫りになった。
2025年3月の卒業予定者は県内の中学校などで6万1921人。全日制では3万5480人、定時制では2060人の計3万7540人を募集した。
全日制の一般募集などでは、募集人員3万5241人に対し、実受験者3万8449人、入学許可候補者数は3万3224人。学科別の競争率は、普通科が1・18倍、総合学科が1・04倍。専門学科では理数科が1・71倍と最も高く、美術科1・28倍、外国語科1・20倍、看護科1・19倍と続いた。
欠員補充は普通科23校、専門学科29校、総合学科5校の計51校で実施されたが、欠員数は合計1857人にのぼった。これは前年度より3校606人増。補充により入学許可されたのは320人にとどまり、補充後も47校で定員に届かず、最終的な欠員数は1540人(一部の学校で募集人員を超える入学許可候補者を確保したため「募集人員-入学許可候補者数」よりも多い)となった。
一方で、不登校生徒などに対応する「特別な選抜」の実施率は全日制で72・4%、定時制で91・5%。全体では77・8%と、前年度より4・3ポイント上昇した。
学力検査の平均点は、国語63・4点、社会65・6点、数学52・3点、理科64・8点、英語43・6点。難度が高い学校選択問題では、数学44・8点、英語57・0点となっている。定員割れの拡大と学力の分布が、今後の入試制度や学校運営に影響を及ぼす可能性がある。