都、待機児童対策に126億円

東京都の小池百合子知事は9月9日、待機児童解消に向けた緊急対策を発表した。23区は都と連携し、既存施設の活用や待遇改善といった工夫をこらす。新宿区は10月、既存の保育所の空き部屋を利用して、主にパートタイムで働く保護者の子どもを預かる定期利用保育を始める。目黒区は、区総合庁舎の駐車場に定員約60人の認可保育所を建設する。世田谷区は区内の民間保育所に勤務する保育士や看護師を対象に、月額1万円の給付を10月から始める。16年度の区の補正予算案で、約1億4000万円の経費を計上する。

謝礼「採択に影響なし」 高校教科書 協会、ルール厳格化

文部科学省は9月9日、高校教科書の発行会社が教員らに問題集などを無償提供していた問題で、都道府県教育委員会による調査結果をまとめた。6社が2011~16年、40都道府県の271校に問題集や教員用指導資料など金品を提供していたことを確認。件数は541件で計2千万円相当だった。同省は「採択に不公正な影響を与えたケースはない」とした。同日、教科書会社でつくる教科書協会(東京)は、営業活動などに関するより厳しいルールを定めた「教科書発行者行動規範」を公表した。

AIで リアルタイムに議事録作成OK NTTが開発

NTTは、大きな雑音の中でも必要な音声を認識して正確に書き起こすことができる人工知能(AI)技術を開発した。音の大きさや方向などから認識すべき音声と雑音を自動的に推定し高精度で識別するアルゴリズム(手順)を開発。必要な音声をひずませることなく、雑音だけを低減させる技術を確立した。複数の人の会話を発言者ごとに聞き分けることも可能で、会議の議事録をほぼリアルタイムで作成することができるようになるという。1~2年後の実用化を目指す。

未来投資会議が初会合 政府

政府は9月12日、成長戦略の新たな司令塔となる「未来投資会議」(議長・安倍晋三首相)の初会合を開いた。未来投資会議は人工知能(AI)の開発加速を柱とする第4次産業革命の推進などに取り組む。2017年1月をメドに構造改革の総点検や技術革新に向けた課題を整理。17年年央に成長戦略をまとめる。今回のテーマは建設現場での生産性革命。国が主導して公共工事の3Dデータを一元的に収集し、3年以内に民間も活用できるデータの公開を目指す。技術革新を広い分野で推進するため、今後も業界、分野ごとに具体的な議論を進める。

養育費や賠償金不払い防止 債務者口座、裁判所が特定

法務省は9月12日、民事裁判の支払い義務を果たさない債務者の預金口座情報を、裁判所が銀行などに照会できる制度の検討を始めた。金田勝年法相が民事執行法の見直しを法制審議会(法相の諮問機関)に諮問した。2018年度以降の法改正を目指す。離婚時に取り決めた養育費や判決が命じた賠償金が支払われない場合、銀行口座を差し押さえる「強制執行」により回収しやすくする。

東京駅前に外国人学校 知事が誘致表明

東京都の小池百合子知事は9月12日、東京駅前にインターナショナルスクールを誘致する考えを明らかにした。三井不動産などが八重洲口で進める再開発事業で、超高層ビルの低層部に設置する。都が誘致を目指すインターナショナルスクールは8千平方メートルほどの規模で、定員は300~400人ほどになる見通しだ。まず2017年春にも都市計画決定し、23年度ごろの完成を目指す。国家戦略特区の枠組みを活用して、税制優遇や容積率の緩和で後押しする。外国人の生活環境を整え、外資系金融機関などの呼び込みを加速する。

ウィッツ高、教材配らず 就学支援金不正 詐欺容疑で立件へ

ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)の通信制を巡る国の就学支援金の不正受給事件で、通信制課程の一部生徒には教科書などの教材が配られていなかったことが9月12日、わかった。生徒に事実上の就学実態がなく、支援金をだまし取った疑いが強まったとして、東京地検特捜部は一両日中にも、主導したとされる同校運営会社の元監査役を詐欺容疑で立件する方針を固めたもようだ。

 就学支援金は、生徒の世帯収入に応じ国から都道府県を通じて高校に支給され、生徒の授業料に充てられる。金額は1人当たり年間最大約30万円で、高校の既卒者などは支給の対象外だ。

 同校の通信制には2015年時点で入学手続きや授業支援のため全国約50カ所に「キャンパス」があった。このうち「四谷LETSキャンパス」(東京、閉鎖)に在籍していた生徒十数人への支援金を不正に受給した疑いが持たれている。

千葉県の企業社長の出身大学・1位は日大、2位は千葉大

東京商工リサーチ千葉支店は千葉県内に本社を置く企業の社長の出身大学を調査した。1位は日本大学で、1142人だった。日大は全国調査でもトップで、約113万人の卒業生を抱える規模の大きさから社長の人数も多くなっている。2位は千葉大の392人、3位は中央大の339人だった。県内に本部を置く大学では千葉工業大が10位、千葉商科大が12位。東大は81人で20位だった。

四ツ谷駅前の再開発着工、UR・三菱地所が31階建て複合ビル

都市再生機構(UR)と三菱地所などは9月6日、JR四ツ谷駅前(東京・新宿)の「四谷駅前再開発事業」の起工式を開いた。施行者はURで、事業パートナーとして三菱地所などが参加する。総事業費は約840億円。計画地は四ツ谷駅の北西の外堀通り沿いで、財務省の宿舎や新宿区立小学校の跡地などを含む約2.4ヘクタールを一体的に整備する。オフィスに加え商業施設と住宅、教育施設、公益施設の計5つ機能が入る。建物の延べ床面積は約13万9700平方メートルに及ぶ。地上31階建ての複合ビルを2019年度に完成させる。

地域と学校が協力し教育支援 アレックの「セレンブレイン」

地域の企業と学校が協力して独自の教育支援に取り組む動きが全国的に広がる中、和歌山市では公立学校が休日の土曜日を活用した土曜教室を行っている。文部科学省が推進する「土曜学習応援団」に登録している、株式会社アレックが開発した数字パズル「セレンブレイン」が和歌山市内での小学校5校で利用され、好評を得ている。

セレンブレインは一人ひとりの思考段階に最適な問題をプリントアウトし、脳の活性化を促す。

セレンブレインは一人ひとりの思考段階に最適な問題をプリントアウトし、脳の活性化を促す。

「セレンブレイン」は学習効果や意欲を高め集中力を上げるために役立てるもので、数字を使ったパズルを使いひらめきや気づきをきっかけに脳の活性化を狙う仕組みだ。開発の動機については、小学4年生の男子生徒が勉強に対する強いストレス反応を示した事を挙げる。勉強に喜びを見いだす塾生もいることから、「その差はどこから生じるのか探求したい」と脳科学を学ぶことを思い立った。と長洲央訓社長は語る。

実際に「セレンブレイン」を導入している湊小学校でのアンケート結果は「問題が解けるとうれしい」「頑張ったらできるから楽しい」など、達成感を得られる楽しさがポイントのようだ。一方教師用のアンケートでは「15分間集中して取り組むことで、次の学習にスムーズに入ることができた。」「パズルを解く達成感から次へ、次へと意欲がもてた」など成果が見られた。株式会社アレックは学習塾やシステム開発、認知症予防などの事業を展開している。

セレンブレインを開発したアレックの長洲央訓社長(左)と夫人の有紀子副社長(写真=わかやま新報)

セレンブレインを開発したアレックの長洲央訓社長(左)と夫人の有紀子副社長(写真=わかやま新報)