東京都の小池百合子知事は9月9日、待機児童解消に向けた緊急対策を発表した。23区は都と連携し、既存施設の活用や待遇改善といった工夫をこらす。新宿区は10月、既存の保育所の空き部屋を利用して、主にパートタイムで働く保護者の子どもを預かる定期利用保育を始める。目黒区は、区総合庁舎の駐車場に定員約60人の認可保育所を建設する。世田谷区は区内の民間保育所に勤務する保育士や看護師を対象に、月額1万円の給付を10月から始める。16年度の区の補正予算案で、約1億4000万円の経費を計上する。
ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)の通信制を巡る国の就学支援金の不正受給事件で、通信制課程の一部生徒には教科書などの教材が配られていなかったことが9月12日、わかった。生徒に事実上の就学実態がなく、支援金をだまし取った疑いが強まったとして、東京地検特捜部は一両日中にも、主導したとされる同校運営会社の元監査役を詐欺容疑で立件する方針を固めたもようだ。
就学支援金は、生徒の世帯収入に応じ国から都道府県を通じて高校に支給され、生徒の授業料に充てられる。金額は1人当たり年間最大約30万円で、高校の既卒者などは支給の対象外だ。
同校の通信制には2015年時点で入学手続きや授業支援のため全国約50カ所に「キャンパス」があった。このうち「四谷LETSキャンパス」(東京、閉鎖)に在籍していた生徒十数人への支援金を不正に受給した疑いが持たれている。
地域の企業と学校が協力して独自の教育支援に取り組む動きが全国的に広がる中、和歌山市では公立学校が休日の土曜日を活用した土曜教室を行っている。文部科学省が推進する「土曜学習応援団」に登録している、株式会社アレックが開発した数字パズル「セレンブレイン」が和歌山市内での小学校5校で利用され、好評を得ている。
「セレンブレイン」は学習効果や意欲を高め集中力を上げるために役立てるもので、数字を使ったパズルを使いひらめきや気づきをきっかけに脳の活性化を狙う仕組みだ。開発の動機については、小学4年生の男子生徒が勉強に対する強いストレス反応を示した事を挙げる。勉強に喜びを見いだす塾生もいることから、「その差はどこから生じるのか探求したい」と脳科学を学ぶことを思い立った。と長洲央訓社長は語る。
実際に「セレンブレイン」を導入している湊小学校でのアンケート結果は「問題が解けるとうれしい」「頑張ったらできるから楽しい」など、達成感を得られる楽しさがポイントのようだ。一方教師用のアンケートでは「15分間集中して取り組むことで、次の学習にスムーズに入ることができた。」「パズルを解く達成感から次へ、次へと意欲がもてた」など成果が見られた。株式会社アレックは学習塾やシステム開発、認知症予防などの事業を展開している。