代理出産や卵子提供は「産んだ女性が母」 特例法案了承

自民党の法務・厚生労働の合同部会は3月16日、第三者の卵子や精子を使った生殖補助医療で生まれた子どもの親子関係を定める民法の特例法案を了承した。特例法案では、産んだ女性が母親と規定。ただ、代理出産については、依頼した夫婦と生まれた子で、親子関係が成立できるような制度を考えていくという。夫以外の男性から精子の提供を受けて妻が出産した場合、その提供に同意した夫は自分の子ではないと主張できないとした。

熊本大薬用資源エコフロンティアセンター

熊本大学の薬用資源エコフロンティアセンターには、1300種類以上の薬用植物が栽培されている。旧細川藩の薬草園に由来するセンターは薬学部の組織だ。約7000平方メートルの敷地には、国内外の薬用植物のほか、阿蘇やその周辺に育つ在来種などが栽培されている。センターは植物の成分を分析し、医薬品の開発や健康維持に役立つ物質を探す研究に取り組む。こうした植物を産業に応用したり、地域の活性化につなげたりするのが狙いだ。

千葉商科大の健康志向チョコレート

千葉商科大学商経学部の学生が山形県立米沢商業高校、ロック製菓(東京・千代田)と共同で健康志向のチョコレートを開発した。砂糖の代わりに甘味料のパラチノースを用いてカロリーを抑え、健康食品として人気のあるシリアル「グラノーラ」を混ぜた。開発にあたりロック製菓から製造方法などの助言を受け、米沢商業高の生徒からはパッケージデザインなどについて意見を聞いた。商品名は「SANUS(サーヌス)チョコレート」(32グラム)で価格は税別220円。3月中に発売する。

富山大入試に新幹線効果

北陸新幹線の開業後初めて迎えた今年の富山大の入試で、新幹線沿線の東京、埼玉、長野の各都県からの志願者が急増した。前期日程では、一昨年、昨年と50人台だった東京都からの志願者が、今年は前年比50%増の約80人となった。大宮駅がある埼玉県からの志願者は約60人で昨年の2倍以上に。関東1都6県全体では同35%増の約330人だった。東京、埼玉と同様、富山からのアクセスが改善した長野県からは同30%増の約290人。一昨年、昨年と210人台だったが、大きく伸びた。

北陸新幹線開業1年 鉄道旅客3倍

北陸新幹線の長野―金沢開業から1年、新幹線で首都圏と北陸の間を行き来した人は前年の在来線特急に比べ3倍の900万人近くに達した。一方、空路の利用者は約4割減少し、全日本空輸は27日の夏ダイヤから、富山・小松と羽田を結ぶ便を2往復ずつ減らし4往復にする。富山―羽田で6対4だった鉄道と航空のシェアを9対1にするといった東日本旅客鉄道(JR東日本)の目標は、開業1年目でほぼ達成したようだ。観光面では富山や福井を含む北陸全体に波及効果がでている。

名城大、法科大学院の学生募集停止へ

名城大学(名古屋市)が法務研究科(法科大学院)の学生募集を2017年度から停止することがわかった。大学がホームページで公表した。大学によると、10年度から入学者の定員割れが続き、15年度は定員25人に対し、入学者は6人だった。在学生と16年度に入学する学生、修了生への支援は維持していくという。法科大学院の募集停止は全国で相次ぎ、愛知学院大と中京大も16年度から募集を停止した。

北陸、進む関西離れ 大学志願者が減少

北陸新幹線の金沢開業から1年、東京と新幹線でつながった北陸から関西への人の流れが、大学志願者などで早くも細りつつあるとの指摘も出てきた。「富山県は前年比21%減、福井県は19%減、石川県は6%減」。今年の都道府県別の受験者動向を見て、関西大学の担当者は衝撃を受けた。同志社大学は石川県からの一般入試の受験者が約2割減った。福井、富山両県からの受験生はほぼ横ばいで、石川県が減った理由は北陸新幹線の開業の影響はあったとみる。近畿大学も北陸三県からの受験者が減ったようだ。

私大への補助金、3174億円に減少 15年度

日本私立学校振興・共済事業団は3月10日、私立の大学や短大、高等専門学校への2015年度の経常費補助金が計約3174億2千万円になると発表した。前年度から約39億円減った。大学566校、短大308校、高専3校に交付する。学校法人の前理事長らに勤務実態の伴わない給与など約9900万円の不正支出があった嘉悦大学(東京都小平市)は50%減。学校法人の元学園長が私的流用をしていた西武文理大(埼玉県狭山市)、裏金問題が発覚した中学・高校と同じ法人が運営する大阪産業大(大阪府大東市)はそれぞれ25%減額された。

iPSで本物に近い角膜  阪大

大阪大の西田幸二教授らは3月9日、ヒトのiPS細胞で目の発生段階を再現し、本物に近い角膜上皮を作ることに成功したと発表した。角膜の難病を持つ患者に移植する臨床研究を来年度中に申請する計画だ。

 特殊なたんぱく質で作った「足場」の上でiPS細胞を培養した結果、4種の細胞層に自然と分かれ、バームクーヘンのように同心円状に広がる組織ができた。中心部に脳につながる中枢神経のもとになる細胞、一番外側には目の表面になる細胞ができ、その間に角膜などを作る2種類の細胞が並んだ。

 このうち角膜のもとになる細胞を取り出してシート状にし、角膜上皮を作った。ウサギ7匹の目に移植して、シートの効果で瞳が透明になることを確認した。

 iPS細胞から特定の細胞を作る技術はすでにあり、網膜の難病患者に移植する臨床研究が始まっている。今回はより実際の目の発生に近い状態で4種の細胞層を作ったため、それぞれの細胞の機能が高いという。

在留外国人 最多の223万人 15年末

法務省が3月11日に発表した2015年末の在留外国人数は223万2189人と前年末比5.2%増えた。1959年の調査開始以来の過去最高を7年ぶりに更新した。景気回復による全国的な求人増を受け、就労を目指して日本に滞在する外国人が増加した。滞在目的でみると留学と技能実習がそれぞれ15%増えた。在留外国人は労働や学習のため日本を訪れ中長期で滞在している外国人と、在日韓国・朝鮮人など特別永住者の合算。08年末の約214万人をピークに景気後退や東日本大震災の影響で減少していたが、13年末以降は3年連続で増加した。