獣医学の共同大学院構想 東京農工大と岩手大

東京農工大(東京都府中市)と岩手大(盛岡市)は2018年4月をめどに獣医学の共同大学院を設置する構想をまとめ、両学長が3月16日、都内で準備のための覚書を締結した。獣医学分野の共同大学院は全国初という。両大学は既に、12年4月から農学部に学士課程の共同獣医学科(6年制)を設置し、遠隔講義などを実施している。さらに共同で4年制の博士課程を設けることで、10年間一貫した教育を提供するのが狙い。定員は両大学5人ずつ程度を予定している。

保育士給与上げ 自民、待機児童緊急対策に盛り込みへ

自民党は3月内にまとめる待機児童の緊急対策に保育士の給与引き上げを盛り込む方針だ。保育士の待遇を改善し、資格があるのに働いていない「潜在保育士」が働く環境を整える。18日に待機児童問題等緊急対策チーム(木村弥生委員長)の初会合を開く。潜在保育士は約70万人で、保育士の平均賃金は月約21万円と全産業平均より10万円以上低い。提言は給与増の方向性を示し、金額は盛り込まない見通し。保育施設の設置要件の見直しといった規制緩和策も盛り込む。

地域おこし協力隊、広がる 15年度は7割増の2600人

都市部から過疎地などに移住してまちづくりに貢献する「地域おこし協力隊」の隊員数が、2015年度に約2600人となった。1511人だった14年度と比べ、7割を超す大幅な増加となった。採用する自治体も1.5倍の約670に広がり、16年度は政府目標の3千人を上回る見通しとなった。協力隊は人件費や活動費を含め1人当たり400万円を上限に国が自治体に資金援助する制度。約8割は20~30代で、約4割を女性が占めている。隊員は住民票を移して1~3年間の任期で、農林水産業や観光振興に取り組むケースが多い。

自民、アダムズ方式ようやく了承 20年以降に「先送り」

自民党は3月17日、選挙制度改革問題統括本部などの合同会議を開き、衆院選挙制度改革で、都道府県に人口比で議席配分する「アダムズ方式」を受け入れる方針を了承した。2020年の大規模国勢調査後の導入を想定する事実上の先送り案だ。20年の国勢調査結果が出るのは21年で、法改正や区割りを済ませて実際に新たな区割りでの選挙をするのは最も早くても22年以降にずれ込む。民主党や維新の党は「抜本改革の先送りだ」と反発している。大島理森衆院議長の対応や15年調査での導入を求める公明党の動向が焦点になる。

和歌山大、ドーム型ドラマ制作

和歌山大観光学部(和歌山市)はドーム全体に映し出す実写ドラマを国内で初めて制作し、キャンパス内のデジタルドームシアターで上映する。特注の魚眼レンズを装着した研究用カメラで撮った10分の短編で「ドームドラマ」と名付けた。登場人物が真上から客席を見下ろしたり、後方から手を伸ばしたりと、360度の展望を生かした演出をしている。監督や出演者はすべて大学の教員と学生が務めた。ドームドラマはプラネタリウムに代表されるドームシアターの用途を広げる試みで、2020年東京五輪の生中継も目指している。

三重大にイルカ繁殖研究施設

三重大(津市)は、イルカの繁殖を研究する「鯨類研究センター」(仮称)を新年度に国内の大学として初めて設置する。センターは学内に設置。鯨類が専門の吉岡基教授(同大副学長)が中心で、外部の研究者も招き、協力を得られた水族館で研究を進める。昨年5月に日本動物園水族館協会(JAZA)が追い込み漁によるイルカの導入を禁止したことを受け、国内で課題となっている安定した繁殖技術の確立をめざす。

共産「大学学費を半額に」若者向け政策

共産党の志位和夫委員長は3月17日の記者会見で、18歳選挙権をにらんだ若者向け政策を発表した。大学の学費を10年後までに今の半額にするほか、国が返済不要な給付奨学金を新設、月3万円を支給する。必要な予算は学費値下げが10年後に年1兆1000億円程度で、給付奨学金は70万人を対象に年2500億円程度。志位氏は「野党共通の方向になれば」と語った。

貿易黒字2カ月ぶり、2月2428億円 原油安影響

財務省が3月17日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を引いた2月の貿易収支は2428億円の黒字だった。黒字は2カ月ぶり。原油安で液化天然ガス(LNG)などの価格が下がり、輸入額が前年同月比で14.2%減ったことが影響した。輸出額も4.0%減った。輸入額は5兆4606億円で、14カ月連続の減少。中東やインドなどからの燃料の輸入価格が全体を押し下げた。前年同月比ではLNGが43.5%、原油は33.3%、石油製品は31.8%それぞれ減った。数量ベースでも2.3%減った。

代理出産や卵子提供は「産んだ女性が母」 特例法案了承

自民党の法務・厚生労働の合同部会は3月16日、第三者の卵子や精子を使った生殖補助医療で生まれた子どもの親子関係を定める民法の特例法案を了承した。特例法案では、産んだ女性が母親と規定。ただ、代理出産については、依頼した夫婦と生まれた子で、親子関係が成立できるような制度を考えていくという。夫以外の男性から精子の提供を受けて妻が出産した場合、その提供に同意した夫は自分の子ではないと主張できないとした。

熊本大薬用資源エコフロンティアセンター

熊本大学の薬用資源エコフロンティアセンターには、1300種類以上の薬用植物が栽培されている。旧細川藩の薬草園に由来するセンターは薬学部の組織だ。約7000平方メートルの敷地には、国内外の薬用植物のほか、阿蘇やその周辺に育つ在来種などが栽培されている。センターは植物の成分を分析し、医薬品の開発や健康維持に役立つ物質を探す研究に取り組む。こうした植物を産業に応用したり、地域の活性化につなげたりするのが狙いだ。