サイバーエージェントの子会社のシーエーテックキッズは2016年2月から、主婦などが小学生にスマートフォン向けのアプリ(応用ソフト)やゲームの作り方を教える教室を始める。女性の講師希望者を募り、研修後にフランチャイズ(FC)契約を結んで自宅で教室を開いてもらう。まず東京や神奈川など首都圏で10人程度を募集し、合格者に指導ノウハウを研修する。講師は自宅に生徒を集め、米マサチューセッツ工科大で開発された学習用ソフト「スクラッチ」を使って週1回1時間、アプリやゲームなどの開発法を教える。
日本最大級の中高生向けライブ学習サービス「スマホ学習塾 アオイゼミ」を運営する株式会社葵(東京・新宿区、石井貴基代表)は、11月25日、KDDI株式会社によるコーポレートベンチャーキャピタル「KDDI Open Innovation Fund」、株式会社マイナビ、株式会社電通デジタル・ホールディングス、日本政策金融公庫などを調達先として、総額2.8億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
アオイゼミは、ライブ配信の利点を活かし、受講する生徒が実際に教室にいるのと同じように、リアルタイムに講師に質問したり、ほかの生徒とコミュニケーションを図りながら学習を進めることができる。アオイゼミを受講する生徒からは、「いつでも見られる学習動画は、いつでも見ない」や、「ライブ授業は配信時間が決まっていて、全国の学生と一緒に学べるからモチベーションが上がり、習慣化できる」といった声も寄せられている。
今回の資金調達を受け、同社はさらなる経営体制の強化を図る。10月には前年同月比で200%以上の成長を果たし、平日の19時から配信されるライブ授業に、連日3000人を超える生徒が全国で受講している。この急激な生徒増に対応するため、新しい配信システムの構築や、個々の生徒に最適な学習コンテンツを薦めるレコメンド機能などを盛り込んだ学習管理システムを強化するとともに、学習コンテンツの拡充を図るため、大手予備校で指導経験のある人気プロ講師の採用を進めながら、新規科目の開講やコンテンツ数を増やす。
また、今回の資金調達にともない、葵に出資するKDDI株式会社の運営するコーポレートベンチャーキャピタルおよび、事業会社の株式会社マイナビとはそれぞれ、「auスマートパス」や「マイナビ進学」と連携して、双方のサービス向上のための相乗効果を狙う。
株式会社サイバーエージェント(東京・渋谷区、藤田晋代表)の連結子会社である、小学生向けのプログラミング教育事業の株式会CA Tech Kids(東京・渋谷区、上野朝大代表)は、任天堂株式会社(京都府京都市、君島達己社長)と11月14日(東京会場)と11月23日(大阪会場)に共催で「ゲームクリエイター養成講座 with SUPER MARIO MAKER」を開催した。
本講座は任天堂のゲームクリエイターから直接ゲームづくりについて学びことのできる特別無料講座。任天堂の現役の開発者から、ゲーム開発において心がけていることや、どうすればプレイヤーに楽しんでもらえるかというユーザー目線に学べる他、任天堂のWiiUソフト「スーパーマリオメーカー」を用いてオリジナルのゲームコースづくりに挑戦し、完成した作品についてプレゼンテーションを行う。
今回のイベントは各会場20組ずつの定員で募集。告知は主に同社のサイトだけだったにも関わらず、東京、大阪の2会場に累計約600件の応募があった。「マリオ」の知名度にだけではなく、プログラミング教育への意識の高さが伺える。
11月23日は、祝日にも関わらず、大阪会場のTech Kids School大阪梅田校に抽選による20組の小学生と保護者が出席した。CA Tech Kids大阪支社長の黒川広貴氏が進行役を務め、同イベントがスタート。実際に「スーパーマリオメーカー」を教材にしながら、任天堂のゲームクリエーターからゲーム作りの極意をレクチャーした。
ワークショップを交えながら、「ゲームは遊んでくれる人のために作る」ことを丁寧に説明。参加した小学生は、同講座を通じて、ただゲームを楽しむだけではなく、モノ作り独特の「産みの苦しみ」を体感していた。
「スーパーマリオメーカー」は本年9月10日に発売され、全世界で既に100万本以上販売されている任天堂WiiUのソフト。世界的に大人気となっている「スーパーマリオ」のステージを自由に作成できるほか、自分が作成したコースをインターネットにアップロードし世界中にシェアすることもでき、これまでに計320万以上のコースが作成され、累計1億3600万回以上プレイされている。
CA Tech Kidsは2013年5月に設立。運営する小学生向けのプログラミングスクール「Tech Kids School」では、小学生1年生から6年生まで、現在約430名の小学生がプログラミングを学んでおり、スマートフォンアプリやゲームの開発に取り組んでいる。同社は引き続きプログラミング学習の機会創出と普及を通じて、子どもたちの「アイデアを実現する力」の育成に努めていく。