大学、生き残りかけ連携加速「ひらく 日本の大学」調査

 朝日新聞社と河合塾の「ひらく 日本の大学」調査によると、他の大学の講義を単位として認める「単位互換」を実施している大学は国立大で9割、公私立でも7割に上った。教材開発を共同で進める大学もある。千歳科技大、山梨大、佐賀大、愛知大など8大学は今春、ウェブ上の教材「eラーニング」で、1年生に英語、数学、日本語、情報の4分野で共通のテストを実施した。一方、今回の調査結果からは、志願者の確保が、特に私立大で深刻な課題となっていることがわかる。

文科省GP事業 復活の動き

 文部科学省の大学の優れた教育改革を支援するGP(Good Practice)事業は、民主党政権下の事業仕分けで廃止されたが、大学の評価は高い。2003年に始まったGPは、優れた教育改革の取り組みを公募し、第三者機関の審査で採択された大学に補助金を出す制度。国公立の枠を超えて大学間の教育改革競争を促すとともに、大学界全体の質向上を目指した。7月末に文科省で開かれた「国公私立大学を通じた大学教育改革の支援に関する調査検討会議」(委員長・鈴木典比古国際教養大学長)。委員からはGPを評価する声が相次いだ。

国立教育研、いじめ対策で手引書  全国の小中高校に配布

 国立教育政策研究所は、暴力を伴ういじめには「早期対応」、暴力を伴わないいじめには「未然防止」が有効とし、教員向けのいじめ対策の手引を8月中にも全国の小中高校に配布する。調査で加害・被害とも9割近い小学生が経験していた暴力を伴わないいじめについて、教師が気づかないうちに、深刻な状況に進行している場合があると指摘。手引では、すべての児童生徒を対象に「未然防止」に力を入れることが有効、学校が安心できる場だと感じられる「居場所づくり」子供同士が互いを認め合う「絆づくり」などの対策を挙げた。

いじめ、小学生の9割弱が被害・加害ともに経験 国立教育研

 国立教育政策研究所は8月5日、首都圏のある市の小学校13校と中学校6校の小中学生を対象に行った調査で、小学生では仲間外れ、無視、陰口といった「いじめ」を受けたことがある児童と加えたことがある児童がともに9割近くに上ったと発表した。10年度当時に小学4年生だった約700人のうち、小6の11月時点までに「仲間外れ、無視、陰口」の被害を一度でも受けた経験があると回答した児童は87%に上った。6回の調査でいずれも「ぜんぜんなかった」とした児童は13%にとどまった。

日本通を育てる夏 上智大「サマーセッション」 50年で1万人受講

 上智大学は毎夏、海外の大学に在籍する外国人学生を対象に集中講義「サマーセッション」を開いている。50年以上の歴史をもち、世界各地に住む講義の修了生は1万人を超えた。東京・四谷のキャンパスで6月から始まった今夏のコースは「日本語集中講座」と「アジアン・スタディーズ」の2種類。合わせて約250人の外国人学生が学ぶ。日本語集中講座」ではプロジェクターに映し出された浮世絵を、世界各地から集まった学生が熱心に見つめていた。外国人教員による授業は英語で進む。サマーセッションを通し、今年も日本通の外国人学生が増えそうだ。

ミャンマー語対応のアンケート自動集計

 東京大学発のベンチャー企業でソフトウエア開発の情報基盤開発はミャンマー語に対応した紙のアンケートの自動集計サービスを始めた。ネット経由で提供する独自開発したソフト「アルトペーパー」をミャンマー語に対応させた。民主化で注目されるミャンマーへ進出を検討する国内企業は多く、マーケティング調査などの需要が増えると判断。現地でマーケティングや顧客・従業員満足度などの調査をする企業が対象。初年度は50社、1億円の売り上げを目指す。

小学生5割 夏休み「毎日勉強」

 小学館集英社プロダクションが4~5月、同社の通信添削学習を受講する小学生の保護者ら950人に実施したアンケートで、49%が「昨年の夏休み中、子供が毎日勉強していた」と答えた。「週に3、4日」との回答が37%を占め、「週に1、2日」が5%で続いた。学校から出される夏休みの宿題について「少ない」「やや少ない」と答えた保護者は47%。全体の87%の児童が学校の宿題以外の勉強にも取り組んでいた。この結果は、小学生の学習意欲の高さを示す一方、学校の教育だけに満足できない保護者が少なくない現状を表している。

H2B、打ち上げ成功 三菱重工に移管後初

 三菱重工業は8月4日午前4時48分、種子島宇宙センターから国産大型ロケット「H2B」4号機を打ち上げた。H2Bに積んでいた無人輸送機「HTV(愛称・こうのとり)」4号機は国際宇宙ステーション(ISS)に向けて予定の軌道に入り打ち上げは成功した。8月9日ごろにISSに到着する予定。こうのとりには宇宙飛行士の生活物資や食料に加え、東京大学やトヨタ自動車などが開発した小型人型ロボット「KIROBO(キロボ)」も積む。今回から打ち上げ業務が宇宙航空研究開発機構(JAXA)から同社へ移管した。

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    iPS細胞 備蓄で協力 京大と兵庫のNPO

     京都大学とNOPO法人「兵庫さい帯血バンク」(兵庫県西宮市)は8月6日、再生医療の治療研究に使うiPS細胞を備蓄する計画で協力すると発表した。同バンクがへその緒から採った臍帯血を京大に提供する。再生医療では、患者の細胞からiPS細胞を作り、目や神経などに育てて移植することを想定している。目的の組織などに育てるには半年程度かかり、適切な時期に治療を始めるためには、あらかじめ安全な細胞を用意しておく必要がある。保管分のうち、採取から10年以上経過した1200人分を京大のiPS細胞研究所に提供する。