巻頭言
昨年雪が訪れる直前に、東日本大震災被災地を訪ねた。主に東京電力福島第一原子力発電所過酷事故被災地と三陸海岸津波被災地を歩いた。
そこには、死者1万6000人などという数字には現れない、それぞれの地域の文化、伝統に基づく、それぞれの物語が存在していた。そして、同じ地域でも、個人一人ひとりのそれがあった。
第一原発過酷事故被災でも、福島県内浜通り、中通り、会津では、全く状況が異なる。現在の放射線量も100倍以上もの開きがある。同じ地域に建つ家でも土台まで流された家もあれば、躯体が残った住宅もある。九死に一生を得た人もあれば、5センチ手が届かなかったために、濁流に飲み込まれた方もある。
旅立つ前、福島県内各地の放射線量を調べた。余り高くない。しかし、持参した簡易な測定器で量ると、非常に高いことに驚かされた。大熊町中央台交差点では、原発作業員被曝量上限値年間50ミリシーベルトの1・5倍あった。
陸前高田市では、市内居住地を最大12・5メートル嵩上げする工事が始まっていた。1時間に土砂6000トンを運ぶベルトコンベヤーが山から海岸に向け、四方八方に張り巡らされていた。巨大土木工事である。
残念にも、国全体の、国民的な「絆」や「連帯」を感じることはできなかった。カント云うところの「誠実性」において。
しかし、そこに住む方々が新たな物語を育む、ひた向きな姿に接することができた。
(如己 一)
目次
<<特集>>
- これが組織を強くする研修
<<TOP LEADER Company & Interview>>
- 株式会社 野田塾
インタビュー▶ 代表取締役 塾長 小川 英範 氏
残るべき塾だけが残る時代。拡大よりも質の向上を。
- 近況を聞く
株式会社 学習受験社(ガゼット)
常務取締役・沖縄統括本部長 國吉 勝 氏
- 疾風の如く
グランアシスト(広島県)
代表 福原 健太郎 さん
- 8 新しい塾のカタチ 今、働き方が変わる
- 14 教育サービス業界 企業研究 28 株式会社アーテック
- 16 挑む私学 学校法人 啓明学園 幼稚園・初等学校・中学校高等学校
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沖縄の教育現場に触れた3日間 誌上レポート - 72 HOT TOPICS 3
全国の塾とともに切り拓く、ベネッセコーポレーションの
新たなる挑戦とは - 80 自ら動き出すチームにする方法 5 中谷彰宏
- 82 学習塾の新ビジネス開拓論 5 末木佐知
- 88 新米塾長のための部下とサシで行きたいごはん屋さん 18
- 96 咲かせよ桜 5 小林哲夫
- 100 未之知也(いまだこれ知らざるなり) 22
- 19 目次・巻頭言
- 42 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
- 75 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿 253
- 76 challenge ~進化形juku のカタチ 29
平尾塾教育グループ - 78 新米塾長のための 学習塾経営基礎講座 21
- 84 学習塾とマーケティング 5 中谷淳一
- 86 井上郁夫の因数分解 11
- 89 芸術見聞録 19
- 90 中学生からの子育てスクランブル 35
- 91 クロスワードパズル「塾長の机」
- 92 高嶋哲夫の「塾への応援歌」 154
- 94 林明夫の「21世紀の地球社会」 114
- 103 論点2015 2 アクティブ・ラーニングとは?
- 106 編集後記
- 108 Book Review
- 110 塾長のためのガジェット講座