2年目を迎えた「未来の教室」が「STEAMアイデアソン」を開催

 12月1日、経済産業省で「未来の教室2019 STEAMアイデアソン」が開催された。これは、昨年度から始まった「未来の教室」事業の一環で、昨年は「学びの自立化・個別最適化」を中心に活動を行ってきた。今年は「学びのSTEAM化」を模索する。このアイデアソンもそのひとつだ。

教員はもちろんのこと、民間企業や教育事業者など多く参加。それぞれの立場から意見を伝え、ひとつのプロジェクトを立案した。

 経済産業省は「未来の教室」構築に向けた改革の柱として、以下の3つを挙げる。

 ・学びの自立化・個別最適化

 ・学びのSTEAM化

 ・新しい学習基盤づくり(学校ICT環境(1人1台)の早期整備や到達度主義の学びへの転換など)

 STEAMは、Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)のこれから益々必要とされる力、その教育を表したもの。今回のアイデアソンでは、「科学研究」「テクノロジー」「社会課題解決」「医療」「金融」「建築」「ものづくり」分野から参画した7企業と学校の教職員、教育事業者が参加。“今存在しない、未来を創るための新しい学び”を検討し、STEAM型の学びプロジェクトを企画・立案した。

 プロジェクトは、以下の要件を念頭に置かれている。

 1、Society5.0時代の社会課題解決に関わる

 2、文理融合/分野融合型

 3、単発の授業ではない、プロジェクト型

 また、教科学習も意識された。例えば、『社会課題を横断(Ecology&Economy)に捉え、学びを設計する』プロジェクトでは、「海」の課題を取り上げ、「海」の地理や歴史、生物などの教科学習へ活用する。

浅野大介氏

「『学校は知識創造の場』ということを世の中のスタンダードにしたい」と、経済産業省商務・サービスグループサービス政策課長(兼)教育産業室長の浅野大介氏は言う。

 その土台となるのが『STEAMライブラリー』であり、STEAM型の学びを集約し、デジタルコンテンツとして提供する。今回出されたプロジェクト案も『STEAMライブラリー』のコンテンツづくりに活用していく。

 このアイデアソンは、今後も定期的に開催される予定だ。学校はもちろんこと、塾やエドテックなどの教育産業や文部科学省や総務省などの省庁も交えた議論の場になることを期待したい。

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