4月~7月の売上、前年と比べて55.9%が増加

全国学習塾協会が、学習塾の4月~7月業況調査結果を公表

 公益社団法人全国学習塾協会は、2021年4月から7月までの学習塾の業況を調査し、その結果を公表した。現在の学習塾の状況や今後の見通しを含め、新型コロナウイルス感染症の影響及びそれを乗り切るための学習塾の取り組みが見える。

 今回、調査に応じた事業者の規模は、1事業所が75.1%、2~10事業所が16.9%と10事業所までの事業者が全体の約9割を占めている。

 新規問い合わせ数は、前年同期間(4月~7月)と比較し、42.4%が「増加した」と回答。その中の約6割が0~20%問い合わせが増加したと答えた。また約2割が、51%以上増加したと答えている。

 一方で、24.3%が新規問い合わせが「減少した」と回答。その約5割は、0~30%問い合わせが減少していると答えた。また、約3割は51%以上減少したと回答している。

 同協会は「感染症のデルタ株への置き換わりが急速に進んでいる状況下から、今後は減少してしまうことも危惧される」とコメント。

 1教室あたりの在籍生徒数は、全体の半数以上(52.0%)の学習塾が「増加した」と回答。その約6割が、0~20%増加している。一方で、1教室あたりの在籍生徒数が「減少した」と回答した学習塾(29.4%)の減少割合は、0~30%が全体の約8割を占める。

 売上は、前年同期間(4月~7月)と比べて、55.9%が増加したと回答。続いて26.6%が減少、変わらないが17.5%だった。

 売上が「増加した」と回答した学習塾の増加割合は、0~30%が全体の約7割を占めた。また、約2割は51%以上増加したと回答している。

 売上が「減少した」と回答した学習塾の減少割合は、0~30%が全体の約8割をしめた。

 保護者が希望する指導方法についても聞いている。

 対面授業を希望する保護者の割合は8割を超え、対面授業のニーズが根強い。一方で、現在の自塾の指導形態について、全体の半数以上の学習塾がすでにオンライン授業を活用または併用していることがわかった。

 同調査では、夏期講習で工夫していることや2学期に向けたアイディア等についても聞いている。

  • 学校授業のペースに不安を感じるご家庭が多く、徹底教科書準拠のフォローレッスンと模試対策を実施。
  • 全国的な感染拡大に備え、明日からでも完全オンライン授業に切り替えられるよう準備した。
  • 家庭でも塾でも場所を問わず学習を進められる体制を構築している。

 などの意見が挙がった。コロナ禍における学校の学習進捗や学習環境の整備を積極的に行っている声が多かった。

 

 一方で、「オンライン授業に拒否反応を示す保護者もおり、どんなアイディアが通用するのか悩んでいる」といった意見もあった。

調査主体:公益社団法人全国学習塾協会

調査期間:2021年8月18日(水)~2021年8月27日(金)

調査対象:学習塾事業者

回答件数:177件

【学習塾事業者における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン】

 同協会では、「学習塾事業者における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」を策定・公表し、感染症対策に必要な対応と参考情報を提供している。

【これまでの業況調査はこちらから】

・2020年4月~7月

・2020年8月~12月

・2021年1月~3月

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