池袋暴走母子死亡事故 ブレーキとアクセルを踏み間違え認定 禁錮5年の実刑判決

 東京地方裁判所は9月2日、2019年、東京・池袋で車を暴走させ、母子を死亡させた事故で、過失運転致死傷の罪に問われていた、旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(90)に対し、「ブレーキとアクセルを踏み間違える過失があった」と認定し、禁錮5年(求刑禁錮7年)の実刑判決を言い渡した。

 事故は、2019年4月19日、東京・池袋で車が暴走し、横断歩道を自転車で渡っていた松永真菜さん(当時31)と長女莉子ちゃん(同3)が亡くなり、9人が重軽傷を負った。

 検察は事故から約10カ月後の20年2月、「ブレーキと間違えてアクセルを踏み続けたことに疑いの余地はない」として飯塚被告を在宅のまま起訴した。法律の上限にあたる禁錮7年を求刑した。

 これに対し、被告側は「アクセルを踏み続けたことはないと記憶している。車に何らかの異常が生じ暴走した」と無罪を主張していた。

 2日の判決で、東京地方裁判所の下津健司裁判長は、事故原因について「ブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだ過失がある」と被告の過失を認定した。この日は一般傍聴席22席に対し、563人が傍聴券を求めて並んだ。

 母親と子供の命が失われたこの事故は、高齢ドライバーの問題が改めて注目されるきっかけとなり、事故があった2019年は高齢者を中心に運転免許を自主的に返納した人が過去最多となるなど、社会に大きな影響を与えた。

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