凸版印刷、日越茶道・文化交流協会に、翻訳サービスをカスタマイズ導入

 凸版印刷株式会社(東京・文京区、麿 秀晴 代表取締役社長)は、訪日外国人や外国人就労者などとの多言語コミュニケーションを支援するソリューションとして、音声翻訳サービス「VoiceBizⓇ(ボイスビズ)」を、2018年6月より提供している。

 今回、日越茶道・文化交流協会(東京・千代田区、千 玄室 会長)が行う多言語自動音声翻訳技術を活用したベトナムでの茶道文化普及活動において、音声翻訳サービス「VoiceBizⓇ」が採用された。

導入の背景には日本とベトナムは、広範な戦略的パートナーシップに基づき、さらなるパートナー化を推進しており、2023年に日越外交関係樹立50周年を迎える。日本国内で働く外国人労働者は、国籍別でベトナムが最も多く、ベトナム国内でも日本語教育は熱心に行われているが、教育指導者の不足など、日越の言葉の壁は厚く、ICTなどを活用してこれを乗り越えることは喫緊の課題となっている。


 日越茶道・文化交流協会は、茶道文化を主軸としたさらなる日越文化交流促進を目的として、2021年11月4日に設立された。ベトナムでの茶道文化普及を通じ、言葉の壁、文化の壁を乗り越え、日越交流の深化を目指している。そのため、国立研究開発法人情報通信研究機構(徳田 英幸 理事長、以下 NICT)が開発している最先端のAI自動音声翻訳技術のライセンスを受け凸版印刷が開発した音声翻訳アプリ「VoiceBizⓇ」を活用し、総務省とNICTが共同で推進する「翻訳バンク」の活動を支援する。また、凸版印刷は、NICTの委託研究「自治体向け音声翻訳システムに関する研究開発」(2015年度から2019年度の5年間)を受託し、自治体窓口業務に対応した国内で初めての音声翻訳システムの研究開発を進めてきた。

「VoiceBizⓇ」は、在留外国人や訪日外国人などとの多言語コミュニケーションを支援する、音声翻訳サービス。スマートフォンやタブレット用の専用アプリに音声やテキストを入力すると、30言語の中から選択した言語に自動で翻訳し、音声やテキストを出力する。
 翻訳エンジンは、NICTが開発を進めている、深層学習を用いたニューラル機械翻訳(NMT)技術を採用。また、あらかじめ翻訳した固有名詞や、利用頻度の高い定型文はシステムに登録をすることでさらに専門性を高めることが可能。
 なお凸版印刷は、総務省が2020年度から実施している情報通信技術の研究開発課題である「多言語音声翻訳技術の高度化に関する研究開発」の委託先として選定されており、同省が公表している「グローバルコミュニケーション計画2025」の推進のため、産官で構成する「総務省委託・多言語翻訳技術高度化推進コンソーシアム」にも参画している。

・翻訳可能な言語
日本語と英語/中国語(簡体字)/韓国語/台湾華語(繁体字)/アラビア語/イタリア語/
インドネシア語/オランダ語/スペイン語/タイ語/デンマーク語/ドイツ語/ヒンディ語/フィリピン語/
フランス語/ベトナム語/ポルトガル語/ポルトガル語(ブラジル)/マレー語/ロシア語/ミャンマー語/
ウルドゥ語/クメール語/シンハラ語/トルコ語/ネパール語/ハンガリー語/モンゴル語/ラーオ語

 凸版印刷は、協会と連携しNICTのAI自動翻訳技術(日×越)の研究開発を側面で支援するとともに、「VoiceBizⓇ」が日越文化交流の懸け橋となるよう、多くの在越、在日のベトナムと係わる団体、自治体、企業などに導入を働きかけていく。2023年日越外交関係樹立50周年までには、ベトナム関連の50業種、300団体への導入および、月間利用台数1,000台の利用を目指す。

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