東京工業大学生命理工学院と協和キリンが 創薬技術の研究開発に関する連携を開始

 協和キリン株式会社(東京・千代田区、宮本 昌志 代表取締役社長)は、東京工業大学生命理工学院(梶原 将 学院長)と創薬技術に関する共同研究と組織的連携のための契約を締結したことを発表した。この契約においては、東京工業大学生命理工学院が有する卓越した技術シーズと協和キリン独自のTechnology-driven創薬の融合により、日本発の画期的な医薬品創製を実現することを目的としている。

 近年、科学技術が急速に進展するとともに、製薬業界においてはその社会実装のスピードが加速している。このような環境においては機動的なオープンイノベーション活動が求められており、大学、研究機関、企業などの様々なプレーヤーが相互に関与し、絶え間なくイノベーションが創出されるエコシステムの必要性が高まっている。

 この連携の特徴としては、クロスアポイントメント制度の活用により東京工業大学の教員が協和キリンの社員となり、協和キリンの東京リサーチパーク(東京都町田市)にて研究を行う。東京工業大学のすずかけ台キャンパス(神奈川・横浜市)と協和キリンの東京リサーチパークという近接した地の利を活かしつつ、ライフサイエンスとテクノロジーに注力する両者が密に連携し力を合わせるエコシステムを築くことで、アカデミア研究者と企業研究員が相互に理解し、異文化交流による新たなアイデアへの着想や成長機会を獲得することも期待される。

 この連携における基本方針の策定、具体的な研究テーマの決定、連携状況の確認等は、東京工業大学生命理工学院と協和キリンの双方のメンバーで構成される運営委員会で行われる。運営委員会の活用により、協和キリンにおける創薬研究の進展や東京工業大学の知の社会実装を効果的かつ効率的に進められることが期待される。

 協和キリンの執行役員研究開発本部長、鳥居義史は「アカデミアとの共同研究は、協和キリンにおいて重要な創薬フィロソフィーであり、圧倒的な競合優位性を有する研究活動を達成するために、より効果的な連携が必要と考えております。生命科学分野でトップクラスの研究活動を実施している東京工業大学生命理工学院は、“ライフサイエンス”と“テクノロジー”に注力しており、協和キリンの経営理念と重なる部分が大きく、研究面でのシナジーを発揮できる機会が得られたことを大変嬉しく思っている。この提携を通じて新たな形でアカデミアと密な連携を生み出すエコシステムを構築し、Life-changing valueの創出が達成されることを期待します。」と述べている。

ことば解説:クロスアポイントメント制度
 経済産業省および文部科学省が設けた制度で、研究者等が大学、公的研究機関、企業の中で、二つ以上の機関に雇用されつつ、一定のエフォート管理の下で、それぞれの機関における役割に応じて研究・開発及び教育に従事することが可能になります。研究者等の人材が組織の壁を越えて活躍することを通じて、技術の橋渡し機能が強化されることが期待されている。

【共同研究ならびに組織的連携の概要】
研究題目:創薬技術に関する研究開発
実施場所:■東京工業大学生命理工学院 すずかけ台キャンパス
      神奈川県横浜市緑区長津田町4259
     ■協和キリン株式会社 東京リサーチパーク
      東京都町田市旭町3丁目6番6号
研究期間 :2023年4月1日から2026年3月31日まで

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