全国学習塾協会が「塾の日シンポジウム 2025 名古屋大会」を開催
公益社団法人 全国学習塾協会(安藤大作会長)は、10月13日、「塾の日シンポジウム 2025 名古屋大会」をANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋で開催した。「持続可能な社会における教育の果たす役割」をテーマに掲げ、記念式典や基調講演が行われた。
第一部:記念式典
記念式典は、今村明広副会長による開会の辞で幕を開けた。続いて、主催者を代表し安藤大作会長が式辞を述べた。

来賓祝辞では、大島九州男参議院議員(同協会顧問)、経済産業省 サービス政策課の西川奈緒課長、文部科学省 リカレント教育・民間教育振興室の片見悟史室長、こども家庭庁 こども性暴力防止法施行準備室の久米隼人室長が登壇し、それぞれ祝辞を述べた。その後、中村建吾副会長による祝電披露が行われた。
式典では各種表彰も実施された。「全国読書作文コンクール」の表彰式では、中学生の部大賞の小川和輝さん(岡山)、小学生の部大賞の副田橙子さん(福岡)をはじめ、最優秀賞受賞者らが表彰された。
また、「自主基準遵守塾表彰」では、今年度更新または新規の対象となった17事業者が表彰され、英進館株式会社らが登壇した。式典は、元理事の永井博氏(成学社)への功労感謝状贈呈を経て、西本雅明副会長の閉会の辞で締めくくられた。

第二部:基調講演「海水から燃料! 持続可能な未来エネルギー 『核融合』」
第二部では、核融合科学研究所の教授・工学博士である髙畑一也氏が登壇。髙畑氏は、自身が初期から開発に携わった世界最大級の実験装置「大型ヘリカル装置(LHD)」の経験を踏まえ、核融合エネルギーの仕組みと未来について解説した。
第二部:基調講演「海水から燃料! 持続可能な未来エネルギー 『核融合』」
第二部では、核融合科学研究所の教授・工学博士である髙畑一也氏が登壇。髙畑氏は、自身が初期から開発に携わった世界最大級の実験装置「大型ヘリカル装置(LHD)」の経験を踏まえ、核融合エネルギーの仕組みと未来について解説した。
究極のクリーンエネルギー「核融合」
髙畑氏は、核融合研究がSDGsの7番目の目標「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に直結すると説明。核融合の主なメリットとして以下の点を挙げた。
- 無尽蔵の燃料: 燃料となる重水素とリチウムは海水中に無尽蔵に存在。日本人一人あたりの年間電気量を賄う燃料は、水3リットル分の重水素とスマホ電池3分の1個分のリチウムのみ。
- 環境負荷の低減: 発電時にCO2を排出しない。
- 安全性: 高レベル放射性廃棄物を生み出さず、連鎖反応ではないため原理的に暴走しない。燃料供給を止めれば反応は即座に停止する。
- 資源偏在なし: 燃料が海水から得られるため、資源が偏在せず、エネルギーを巡る国際紛争の解決にも繋がる可能性がある。
1億度のプラズマを制御する技術
核融合発電は、重水素と三重水素のガスを1億度の「プラズマ」状態にし、原子核同士を衝突させてエネルギーを取り出す。この時発生する中性子の熱で蒸気を発生させ、タービンを回して発電する仕組みだ。
髙畑氏が所属する核融合科学研究所(岐阜県土岐市)の「大型ヘリカル装置(LHD)」は、このプラズマを閉じ込めるヘリカル方式(ステラレーター方式)を採用。既に1億2000万度のプラズマ達成や、84分間のプラズマ維持(世界記録) などの成果を上げている。
髙畑氏は「プラズマの振る舞いはオーロラと似ており非常に複雑だが、近年はAIによる未来予測制御が可能になり、研究が世界的に加速している」 と述べた。
世界で加速する核融合開発競争
現在、フランスでは国際協力プロジェクト「ITER(イーター)」が建設中であり、2039年の「点火」(投入エネルギーより大きなエネルギーを生み出すこと)を目指している。
一方で、AIの電力需要急増や制御技術の向上を背景に、民間ベンチャー企業による開発競争が激化している。髙畑氏は「グーグルやマイクロソフト、オープンAIといったIT企業が核融合ベンチャーに巨額の投資を行っている」 と指摘。米ヘリオン・エナジー社が28年にマイクロソフトへの電力供給契約を結んだ例 や、米英独で発電所跡地への核融合炉建設の覚え書きが交わされている現状 を紹介した。
こうした世界の動向を受け、日本政府も「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を改定し、従来の25年から前倒しして「2030年代の発電実証を目指す」 と方針転換したことを説明。最後に「核融合は、自然エネルギーと組み合わせる未来のエネルギー源として、実現に向けた研究が加速している。ぜひ注目してほしい」と呼びかけ、講演を締めくくった。




