富士経済は11月6日、「2025年版宇宙ビジネス市場の将来展望」を発表した。調査によると、宇宙関連ビジネスの世界市場規模は2040年に23兆3374億円と、2024年比12・2倍に達すると予測されている。市場はロケットや衛星などの「宇宙製品」と、衛星データや宇宙旅行、輸送などの「宇宙利用サービス」に大別される。
現状ではロケット・スペースプレーン市場と衛星データサービスが主要市場で、衛星データサービスは官需が約8割を占める。今後は民間需要の拡大も見込まれる。製品開発の進展を経て、2030年頃から宇宙利用サービスが本格化し、2035年頃にはサービス品質向上と民間需要の増加で収益化が進むとみられる。2040年には宇宙を経由した高速二地点間移動(有人P2Pサービス)や宇宙空間での先端材料生産など、宇宙利用が一層浸透すると予想される。
ロケット・スペースプレーン市場では、使い捨て型と再使用型に分かれる。使い捨て型は小型ロケット中心で製造コストが抑えられるため需要増が見込まれ、再使用型は大型ロケットや衛星コンステレーションに適しており、コスト削減効果が大きい。2025年の市場規模は約6700億円、2040年には4兆3135億円に達すると予測される。
衛星データサービス市場では光学衛星が主流だが、合成開口レーダー(SAR)衛星の利用が拡大。地球観測データは、建設施工、地盤変動、気候変動、鉱山採掘、森林管理などで活用され、今後はAI技術による高度な推定や予測が可能となり、民間需要は官需を上回ると見込まれる。
宇宙旅行・有人P2Pサービス市場は、地球周回や準軌道旅行、成層圏遊覧を対象とする。2025年の市場規模は250億円と見込まれ、2035年以降に有人P2Pサービスが本格展開し、2040年には市場の約6割、3兆円規模に成長すると予測される。民間宇宙旅行やスペースプレーンの実用化、宇宙港整備の進展が市場拡大を後押しする見通しである。




