令和8年度予算案で大臣折衝 国立大学運営費交付金を188億円増額

「生活文化」分野で人間国宝認定拡大へ

 政府は12月24日、令和8年度予算案を巡り、教育、科学技術・学術、文化芸術分野について大臣折衝を行った。松本大臣は同日、片山財務大臣と協議し、国立大学法人運営費交付金の増額や重要無形文化財保存制度の拡充について合意した。

 国立大学法人運営費交付金については、物価上昇が続く中でも大学の基盤機能を維持・強化するため、前年度比188億円の増額を決定した。基礎研究の充実や文理融合の推進に加え、学長主導による経営改革や自己収入確保策の強化を後押しする。増額幅は、平成16年度以降、実質的に過去最大となる。

 松本大臣は、令和7年度補正予算も含め、必要な予算確保を最重要課題として取り組んできたとした上で、今回の増額は「極めて大きな意味を持つ」と強調。あわせて、今後の大学進学者数の減少を見据え、国立大学の定員見直しや私立大学の再編・統合など、高等教育機関全体の規模の適正化に向けた取り組みを進めることを確認した。大学教育の質向上に向け、大学側と連携して改革を進める考えを示した。

 一方、文化政策では、重要無形文化財保存特別助成金について、令和8年度交付分として10名分の予算を追加措置することで合意した。対象は、食文化を含む「生活文化」分野で、いわゆる「人間国宝」の認定拡大を見据えたもの。重要無形文化財の対象分野が拡大されるのは、昭和29年の制度創設以来、初めてとなる。

 松本大臣は、「生活文化」の分野において卓越した「わざ」を持つ人々のモチベーション向上を図るとともに、伝統技術を広く社会に周知し、後世への保存・継承につなげたいと述べた。教育・研究基盤の強化と文化の継承を両輪とする予算方針が、令和8年度に向けて具体化した形だ。

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