セトラスHDと連携 次世代難燃剤の研究開発と人材育成へ
セトラスホールディングス株式会社は、国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学と連携し、岐阜大学高等研究院Guコンポジット研究センター内に共同研究講座「難燃材料共同研究部門」を設置した。設置日は7月1日。次世代難燃剤の研究開発と、同分野を担う高度研究人材の育成を進める。
近年、電気自動車(EV)に搭載される蓄電池の発火・延焼リスクや、航空機、輸送機器における火災事故への対策が重要性を増している。世界市場では、安全性の確保と環境負荷低減を両立するハロゲンフリー難燃システムへの需要が高まっており、難燃材料の高度な評価技術や設計技術が求められている。
セトラスHDグループの協和化学工業株式会社は、マグネシウム化合物の製品化で実績を持ち、環境負荷の低い非ハロゲン系難燃剤である水酸化マグネシウムの開発などに強みを持つ。一方、岐阜大学高等研究院Guコンポジット研究センターは、コーンカロリーメータなどを用いた燃焼挙動解析や、コンポジット(複合材料)に関する知見を蓄積してきた。
今回の共同研究では、セトラスHDが持つ無機材料・難燃剤に関する技術と、岐阜大学の燃焼解析・複合材料研究の知見を組み合わせる。TG-DTA(熱重量・示差熱分析)やMS(質量分析)などを用いて燃焼挙動を詳細に解析し、複雑な難燃メカニズムの解明を目指す。得られた知見をもとに、新規難燃剤の設計指針を確立し、従来品よりも優れた難燃性能と加工性を両立する材料開発につなげる。
共同研究部門では、研究開発に加え、人材育成も重視する。燃焼・熱分解解析技術から難燃メカニズムのモデル構築まで、研究の過程を岐阜大学の教員・学生とセトラスHDグループの若手研究員が共有する。組織や分野を越えた人的交流を通じて、社会的ニーズを踏まえた研究開発を推進できる人材の育成を図る。
設置期間は2026年7月1日から2028年6月30日までの2年間。研究代表者は、岐阜大学高等研究院Guコンポジット研究センター長・教授の仲井朝美氏が務める。セトラスHD側では、イノベーションセンター長付・専任課長の山地理嗣氏が担当する。
脱炭素化や電動化が進む中で、難燃材料はEV、航空機、電子機器、建材など幅広い分野で重要性を増している。今回の共同研究部門の設置は、環境負荷の低い難燃材料の開発を加速するとともに、産学連携による高度専門人材育成の拠点づくりとして注目されそうだ。



