文部科学省は10月20日、東京大学の次期総長選考を巡り、選考経緯を検証し、判断の合理性について説明責任を果たすよう大学側に要請した。関芳弘文部科学相が同日の閣議後記者会見で明らかにした。共同通信によると、文科省が大学の学長選考について検証を求めるのは初めてだという。
東京大学総長選考・監察会議は9月28日、大学院総合文化研究科の藤垣裕子教授を次期総長予定者に選出した。任期は2027年4月1日から2033年3月31日までの6年間で、同大学初の女性総長となる。
大学側は、候補者資料や推薦書、面接、動画による所信表明、学内構成員による意向投票の結果を総合的に考慮したと説明している。一方、意向投票で2位だった藤垣氏が選ばれたことから、学内の教職員らが詳しい選考経緯の説明を求めていた。
関文科相は、選考過程や理由について明確な説明がなされていないとの声が多いことに遺憾の意を示し、総長選考・監察会議による自律的な検証を求めた。国立大学法人の長は、法人からの申し出に基づいて文部科学相が任命する。文科省はこれまで、明白な形式上の違法性や客観的に不適切と認められる場合などを除き、法人の申し出に基づいて任命するとの見解を示している。
今回の要請は、大学の自主性を前提とする学長選考に、説明責任と透明性をどのように確保するかを改めて問うものとなる。東京大学側の検証方法と、文科省への総長任命の申し出に至る今後の対応が焦点となる。



