月刊私塾界2021年3月号(通巻479号)

巻頭言

 マーケティング理論に「プロダクト・アウト」というものがある。製造元・発売元の都合と発想で作りたいもの、作りやすいものを作って市場に送り出す方式のことだ。「こんなに面白いのに、こんなに素晴らしいのに、何で売れないんだろう?」などというボヤキを耳にすることもある。

 これに対し「マーケット・イン」がある。市場のニーズを汲み取って、物とかサービスを開発・提供するものである。理論上は理想型のようだが、実際は、そのような市場はすぐにレッドオーシャン化する厳しい世界だ。

 数十年も前から製造業でも小売・流通業などでも、プロダクト・アウトからマーケット・インに発想転換してきた。

 これら二つの理論とは異なる考え方がある。マーケティング用語ではないが、「ユーザー・イン」だ。顧客の欲しいものを市場に投入するという、言われてみれば極めて当たり前のような発想である。新型コロナウィルス禍の中でも、これを実践することで、大きく業績を伸ばしている企業がある。

 この三つの理論・考え方を学習塾に当てはめるとどうなろうか。フォーマット(業態類型)、商品(シラバス、教材、カリキュラム、教え方など)はどうか。そして、読者諸氏のところは如何であろうか。自塾を分析していただきたい。

 合格の歓喜に満ちた日々をお過ごしのことと推察する。どうぞ大きな成果を関係者全員で分かち合って下さい。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp  高瀬塾 教育の地域間格差をなくす最高の学習環境を
  • 10 HOT TOPICS① 未来を見据えて学習塾の事業継続のために
  • 12 HOT TOPICS② 教科書が変わる 学びが変わる SRJが中学生の親子を対象にオンラインセミナーを実施
  • 16 挑む私学 京都女子中学校高等学校 創立110周年を迎え、新境地へ
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 46 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 47 【特集①】  経営者による緊急座談会 新常態で何が変わるか?
  • 60 【特集②】  株式公開企業塾2021年2・3月期 第3四半期決算を読む
  • 72 TOP LEADER Interview  NOVAホールディングス株式会社  代表取締役 稲吉 正樹 氏  教育の総合カンパニーとして、 使命感を持って子供たちの育成に貢献。
  • 84 教育サービス業界 企業研究(100) 株式会社好学出版
  • 87 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(325)
  • 88 疾風の如く(140) アイプラス自立学習塾(愛知県) ディレクター 松田 勇一さん
  • 90 好機到来(71) 個太郎塾 谷津教室(千葉県習志野市) 教室長 鴨志田 浩二氏さん
  • 92 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(94)
  • 94 白書界隈徘徊話(72) 西村克之
  • 96 自ら動き出すチームにする方法(78) 中谷彰宏
  • 98 塾の家計簿(46)
  • 100 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(92)
  • 101 芸術見聞録(92)
  • 102 ぼくの幼児教育考(33)
  • 103 塾長の机
  • 104 為田裕行の「教育ICT行」(72)
  • 105 1981(24)
  • 107 Opinion from School(21)
  • 108 林明夫の「歩きながら考える」(187)
  • 110 新・授業改革を目指して(119) 石川幸夫
  • 112 私塾界インサイト(36)
  • 116 未之知也(93)
  • 118 咲かせよ桜(73) 小林哲夫
  • 122 論点2021(3) Education 2030とは
  • 126 編集後記
  • 128 Book Review
  • 130 塾長のためのガジェット講座

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