算数の勉強で悩みは少ない日本。しかし家庭環境により差 スプリックス6か国国際調査

 算数の学習に対する悩みは日本の子どもで比較的少ない一方、家庭環境による差が課題として浮き彫りになった。公益財団法人スプリックス教育財団が公表した国際調査で明らかになった。

 同財団が実施した「基礎学力と学習の意識に関する保護者・子ども国際調査2025」は、日本、米国、英国、フランス、中国、南アフリカの6か国の小学4年生を対象に分析したもの。算数の学習における課題意識や計算力、家庭の社会経済的背景(SES)との関係を調べた。

 調査によると、日本の子どもは他国と比べて「算数の勉強で課題がある」と感じる割合が総じて低く、特に「何のために勉強しているのかわからない」とする回答は6.2%にとどまった。一方で、「覚えなければいけないことが多すぎる」「上手な勉強方法がわからない」といった回答は約3割に上り、暗記負担や学習方法に関する悩みが一定数存在する。

 計算力との関係では、各国共通で成績が低い層ほど課題を強く感じる傾向が確認された。日本では特に「覚える量が多すぎる」と感じる割合の差が大きく、計算力の低い層ほど暗記負担を強く認識していることが特徴的だ。

 さらに、日本では家庭の社会経済的背景による影響も顕著だった。世帯年収や教育費などをもとにしたSES別で比較すると、低所得層ほど「覚える量が多い」「勉強方法がわからない」といった課題を感じる割合が高く、他国に比べて差が大きい傾向が見られた。

 高SES層では課題意識が低く、算数を単なる暗記ではなく理解を伴う学びとして捉える機会が多い可能性が指摘される一方、低SES層では適切な学習方法や支援にアクセスしにくい状況が示唆される。

 同財団は、算数の学力向上には「暗記中心の学習からの転換」「わからない点を解消する力の育成」「学習方法の支援」が重要と指摘。特に家庭環境に左右されない学習機会の提供や、個別最適な支援の強化が必要だとしている。

 日本は基礎学力水準自体は高いとされるが、その内側では家庭環境による格差が広がっており、教育政策や現場での対応が問われている。

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