マイナビは、最低賃金引き上げがアルバイト採用に与える影響をまとめた報道資料を発表した。2026年度の最低賃金は、前年度から55円引き上げ、全国加重平均で時給1176円とする目安がまとまっている。
同社の調査によると、2025年度の最低賃金改定に「負担を感じる」と回答した企業は76.0%に上った。特に中小企業で負担感が高く、アルバイト雇用への対応として「新規募集をおさえる」「雇用人数を見直す」「時給額を見直す」などを検討する動きがみられた。
一方、直近半年間にアルバイトの賃上げを実施した企業は61.7%で、前年から1.6ポイント増加した。企業規模別では、大企業が75.2%、中小企業が55.6%となり、賃上げの実施状況には19.6ポイントの差があった。賃上げ理由では「最低賃金の改定のため」が48.4%で最も高く、人材確保の難しさや既存従業員のモチベーション向上が続いた。
働く側では、アルバイト就業者の12.9%が「手取り額が減らないように就業調整している」と回答した。属性別では主婦が23.3%で最も高く、大学生も15.5%だった。最低賃金の上昇により収入は増えやすくなる一方、扶養内で働く人や年収上限を意識する人は、従来より早く「年収の壁」に近づく可能性がある。
就業調整をしている人のうち、48.9%は「年収の壁がなくなったら働く時間を増やす」と回答した。大学生ではその割合が72.0%に上り、就業意欲があっても制度上の制約から働く時間を抑えている実態がうかがえる。
最低賃金の引き上げは、人材確保や収入増につながる一方で、企業側には人件費負担、働く側には年収上限による就業調整という課題をもたらしている。今後のアルバイト採用では、賃上げだけでなく、シフト設計や雇用人数の調整、働き控えへの対応を含めた運用力が問われることになりそうだ。



