バス会社の平成エンタープライズ(埼玉県富士見市)は、外国人向けの宿泊業に参入する。まず、JR三河島駅近くに8月、ゲストハウス「WASABI日暮里」をオープン、都市部で10店舗ほど展開する計画だ。相部屋と個室を用意、約70人が宿泊できる。料金は1泊約3000円から。日本特有の文化で、外国人にも人気が高い大浴場を設置した。
一般社団法人日本教育者セミナー(JES)は、6月11日、12日の両日、グランフロント大阪(大阪市北区)にて「2014大阪大会」を開催した。「グローバル教育 未来を担う子供たちへ!」と題し、全国から教育業界の精鋭が一同に集い、最後まで飽きさせない学びの場となった。
本会を主催する日本教育者セミナー理事長の岡村寛三郎氏(兵庫県、岡村ゼミナール代表取締役会長)が開会の挨拶に立ち、「時代の変化が激しい時ほどビジネスチャンスが多い。このセミナーで学んだことを判断材料にして欲しい」と参加者に語りかけた。
第1講座では、グローバルリーダー育成スクール「IGS」代表の福原正大氏が「グローバル人材育成の最前線」をテーマに熱弁を振るった。スーパーグローバル大学の認定や、東京大学の推薦入試の実施、スーパーグローバルハイスクールによる高大接続、そして国際バカロレア(IB)認定校の拡大などについて言及しながら、これまでの教育の延長線上ではない教育改革が進むと指摘し、今までの知識偏重型の教育から大きく変わっていくだろうと解説した。
戦後日本の長きに渡る高度成長を支えてきた世界に誇るべき日本の教育は、全体の平均値を上げ、落ちこぼれを作らないもので、答はひとつ。それゆえ日本企業は一枚岩となり強さを発揮してきた。しかし時代が大きく転換した今、日本の中等教育が強みとする基礎知識のインプットに加え、新しい時代に必要なアウトプットが必要と力説した。
日本最高峰の東京大学は世界では23位。次ぐ京都大学は世界で52位である。東大、京大にしか辿り着けない受験勉強では、子どもの可能性を閉じているのではないかと疑問を呈し、世界の大学にも可能性を開くのがTOEFL iBTだと説いた。学部からの直接の進学でなくても、大学入学後の交換留学要件にも用いられ、たとえば慶応大学の交換留学の条件には120満点中80点以上必要とする留学先の大学名が並ぶ。就職活動が始まる前に帰国しようとすれば、大学1年生の9月までに80点以上が必要となる。このような状況からTOEFL iBT対応の学習プログラムを導入する中学高校が増えているという。
第2講座では、株式会社グローバルゲートインスティテュート代表の錦織彰氏が「オンラインを活用した英語学習」について自社サービスの内容を披露した。錦織氏は、4年前に韓国の公立小学校と中学校の英語教育を視察し、先生が英語で授業を行い、生徒がしっかり答える様子を目にした。英語力はもちろんのこと生徒の積極性を見て、これでは日本人は負けるなと感じたという。小中生対象のネイティブによるオンライン英語サービス「ネット留学MEET the WORLD」の開発には、英語教育においては日本の10年先15年先を進む韓国の企業と提携。14年春に全国約500教室で利用を開始した。
次に紹介した「e-Spire」は中高生を対象にしたTOEFL iBT対応学習プログラムで、120満点中100点を目指す。コンテンツはIGSが作成。全国の小中学校、学習塾が導入あるという。TOEFLは学生向けのテストで、中学高校生向けのJunior、高校生大学生向けのiBT、ITPがあり、この秋には小学生向けPrimaryがリリースされる。TOEICはビジネスや社会人向けで世界の中でも日本と韓国だけに受験者が多いことが特徴だ。最後に、この夏にリリースする中高生対象の「速読英語」についても紹介があった。単語を学びつつ速読スピードを高める学習ツールだ。
第3講座は、オンラインではなくリアルな場で展開する英語教育についてジャイロスコープ代表の桂次郎氏が、その取組みを披露した。
日立オーストラリア社長、日立アメリカ上級副社長等を歴任後、日本国内に英語公用語ゾーンをという論文で東洋経済新報社高橋亀吉賞を受賞。それを契機に早期退職し10年に起業。現在までハウステンボスを拠点に各種英語体験プログラムを展開している。基本思想はNTT。N/ネイティブ英語を、T/楽しく。T/体験するという。また、商店街で子どもたちがビンゴや宝探しをしながらボランティアの水兵さんと英語での会話を楽しむ米軍佐世保基地と長崎県佐世保市四ヶ町、ジャイロスコープとの3社共同プロジェクト「トモダチ・ハンティング」も実施。12年から年2回開催し今年で5回目を数える。他にも小学生から学生、ビジネスマンなど幅広い年齢層に対し、様々な英語学習プログラムを提供している。
2日目は株式会社船井総合研究所の島崎卓也氏が登壇。「学習塾業界、次の収益の柱を探る」と題した第4講座では、学童保育の最新動向、保育事業についての分析と可能性について語り、ワンストップ型英語保育モデル事業の成功事例を紹介した。
閉会の挨拶として株式会社SRJ代表の堀川直人氏が、「経営という立場で教育を見るが、教育者として考える2日間であった」と振り返り、「研修会参加後は意識が高いが、日常の現場でどう活かしていくか、それも新しいことをするのでなく、見直す機会として捉え、この研修で得た刺激を現場で活かして欲しい」と参加者にエールを送り、会を締めくくった。
今年度から文科省がスーパーグローバルハイスクールとして、全国56校を指定してグローバルリーダーの養成に乗り出している。今回、NPO法人学校支援協議会が主催するシンポジウムでは、その施策に対し、中学・高校ではどうすればよいかを真っ向から考える場として法政大学市ヶ谷キャンパスにて6月1日に公開された。当日は中学生・高校生を始め、多くの教育関係者が一同に集まり、これからのグローバルリーダーをどう育てるかを考える場となった。「グローバルリーダーに育つ中学・高校の学びとは〜未来の難問に挑む子どもたちのために〜」と題した2部構成。
第1部は開成中学・高等学校(東京都荒川区)の柳沢幸雄校長による反転授業の模擬授業。基礎的な内容を自宅で予習し、教室では発展的な内容を学ぶ「反転授業」。同氏は自宅で各自、「水俣病」について自習をしてきた中学生、高校生を相手に、公害病を想定した討論を通じて、率先して発言の重要性などをやさしく説いていく。今回は架空の公害病が起きた場合のケーススタディ。当事者ならどのように行動するかを生徒たちに判断し続けた。
柳澤校長から「指されたら3秒以内に発言する」「ほかの人と同じ意見は言わない」などのルールも設定され、生徒たちは迷いながらも舌戦を展開していった。柳沢校長は「常に発言を準備することで、生徒の脳が活性化され、知識の定着につながる。一方、教師には瞬間的な議論の流れに食い込んでいく技術が求められる」と話していた。グローバル社会に立ち向って行く中で、自ら発言していくことの重要性を反転授業を通じ、体感させていった。
休憩を挟み、第2部では公開シンポジウム。NHK解説委員の早川信夫氏のコーディネートの下、各教育期間でグローバルリーダーの育成に取り組んでいる有識者によるパネルディスカッションが行われた。鷗友学園女子中学高等学校の吉野校長から、11年前から取り組んでいるオールイングリッシュで行っている英語授業の改革についての発表。横浜市サイエンスフロンティア高等学校の栗原峰夫校長からは、先端科学技術の知識を活用した「サイエンスリテラシー」を柱としたグローバル人材教育についての事例発表。武蔵学園(東京都)の有馬朗人学園長からは、英語で科学を学ぶ「ムサシ・テンプルREDプログラム」の事例紹介があった。
法政大学の学長の田中優子氏からはグローバル人材育成の施策の一環として取り組み始めた「国際ボランティアプログラム」、「国際インターンシッププログラム」の事例紹介が為された。「国際ボランティアプログラム」では夏休みの約2週間、法政大学の学生をアジアやその地域に派遣。そこで、環境問題、貧困問題を真正面から体験させ、国際社会に貢献しようという意識を植え付けさせる。田中氏は「知識を得るばかりではなく、現地で具体的な解決法を身に付けることが大学としての命題になる。学生たちが自主的になるグローバル体験の場を設けることが重要」と話す。
会の最後に開成高校の柳沢校長は、「グローバル人材とは地球上にいる70億人以上の人が相互に理解可能なコミュニケーションを取る事ができる人」と説き、「それには論理力が必要である」と語る。丁々発止、意見が飛び交い、最後まで飽きさせないシンポジウムとなった。