Category: 塾ニュース|塾・企業

京都にて入試分析会・教育改革研究会を開催

11月27日、キャンパスプラザ京都にて、学習塾団体の「中高進学研究会」が、平成28年度入学選抜分析会・第4回新教育改革研究会を開催した。「中高進学研究会」は、学習塾が塾生に対して正確でミスマッチのない進路指導を実現するために、会員塾が必要とする進路指導情報を集約し 、共有化する場を提供することを趣旨として、2013年4月に京都府に設立された。

この趣旨のもと、同会では年間6回の入試情報報告会・研究会、さらには京都府の塾対象公立高校説明会を開催している。また公立高校の入試結果分析においては、京都府下全域の全数調査を実施し、その全容を資料としてまとめている。今後、他通学圏の公立高校合同説明会や私立中学・高校の合同説明会も開催すべく準備を進めている。

なお本年度より、今後の教育行政における教育制度改革の内容と、その塾業界に与える影響を継続的に分析・報告する企画も開始し、174塾の加盟塾と共に学びの場を共有する努力を続けている。

冒頭には同団体の代表の西川時代氏から挨拶があった。「お忙しい中お越しいただきありがとうございました。子ども達にとっては人生で一回しかない進路指導になります。
この資料が少しでも生徒諸君の進路指導上に役立つものになればと考えています」と述べた。

その後、五ツ木書房・大阪進研の模擬試験データ、同団体の加盟塾から提供のデータを基に作成された資料を用いて、主に公立高校の入試最新情報を踏まえた資料の活用法の説明が為された。

近畿圏を中心に多くの学習塾関係者が集う

会の後半には「高大接続改革」をテーマに、代表の西川氏から、高大接続システム改革会議の中間まとめに対する各団体の答申の紹介があった。

西川氏は「改革の流れに対して,批判側・推進側の表面的な意見だけを追い求めるということではなく、全国高等学校長協会やPTA連合会などが出している意見書を見比べ、その全体の方向性と問題点を確認してもらいたい。高大接続改革は、途中に紆余曲折があることと思うが、大学への予算化など実際に動き出しているものも多数あり、この方向性へ進んでいくのは間違いないと思う」と述べた。

会の最後には、同氏が閉会の言葉としてまとめる。

中高進学研究会代表 西川時代氏

中高進学研究会代表 西川時代氏

「以前、私は模擬試験会社様から頂戴する進路資料をあまり詳細には使わず、自分の経験値や感覚で目の前の生徒の状況を見ながら進路指導してきました。その感覚的な進路指導はある時期までは概ね問題もなく過ごせてきました。しかしながら、ミスマッチのない進路指導を強く意識し始めてからは、各社からご提供される進路資料の細かい部分にこそ重要な部分があることに気付きました。生徒諸君への進路指導の要は、単にデータにのみ頼る指導をすることではなく、我々塾人が個々の生徒の状況をどれだけ正確に把握し、最適な方向性を示せるかであることは間違いない。ただ、その判断をする際に私たちが経験値のみに頼るのではなく、資料を真摯に読み込み自身の思い込みなどを修正していく姿勢は大切だと思う。その想いを込めた進路指導は必ず生徒に届くと思う。

年内、一番お忙しい時期ですが、健康に留意されて、子ども達により良き進路指導をなされるよう、また来年度の募集に向けて大いなる飛躍をなさるよう祈念し、本年度のお礼も重ねまして挨拶と代えさせていただきます」年度内最後の第6回中高進学研究会は、2016年3月10日に開催される。

医療介護事業、アジア進出など新規事業を加速する名学館HDが27周年記念全国大会

表彰を受ける名学館掛川校の松下一徳オーナーと齋藤大樹塾長株式会社名学館ホールディングスは、11月8日、創立27周年を記念した全国大会を、東京・六本木の東京ミッドタウンで開催した。
大会では、同社の医療介護事業部の畑邉淳一事務局長が開会宣言に続いて、塾長や講師たち5人が「五つの誓い」を唱和し、第一部の幕が上がった。
特別講演には、株式会社エデュケーショナルネットワーク開発本部副本部長・編集長の上野伸二氏が登壇し、大学入試改革についての講演を行った。
大学入試改革の動向は、様々な情報が錯綜し、なかなかわかり難く、新中1年生向けには大学入試改革を見据えた模擬試験が各社から新たに投入されるなど、早くも熾烈な競争がはじまっている。そういった背景を踏まえ、改革の要点を抑えながら、わかりやすく伝えた。
実践研修には、名学館掛川校の松下一徳オーナーと齋藤大樹塾長が登壇。同校において、優秀な業績をあげているノウハウが惜しみなく披露された。
「素晴らしい名学館システムと、生徒一人ひとりに寄り添った指導を大事にすれば、必ず生徒は集まります」と松下オーナーが印象的に語っていた。
その後、2014年、15年度の季節講習の優秀校や年間優秀校、永年功労賞の表彰式がおこなわれたほか、若手講師による模擬授業大会の表彰もおこなわれ、表彰された清々しい姿の講師たちは、満面の笑みを浮かべていた。
佐藤剛司代表 第二部は会場を移し、同社の佐藤剛司代表取締役社長の講演をはじめ、豪華景品が懸かったビンゴ大会など、加盟オーナーやその社員たちの労をねぎらう企画も多数用意され、会場は大いに盛り上がっていた。
そして、10月にカンボジアにオフィスを開設したことが佐藤代表からサプライズで発表され会場を驚かせた。今後はアジア諸国にも事業展開を計画しているという。
佐藤代表は、「今後も人のため世のためよりよく生きられる世界を作っていきたい」と、教育に対する熱く変わらぬ想いを述べ、会を締めくくった。

「スマイルゼミ中学生コース」に「特進クラス」が新規開講

株式会社ジャストシステムが、デジタル教材「スマイルゼミ」の「中学生コース」に「特進クラス」を12月17日(木)より新規開講する。スマイルゼミは、専用タブレット上ですべての学習が完結するオーダーメイド型通信教育。すでに「小学生コース」と「中学生コース」を開講している。今回の「特進クラス」は、公立難関・上位校を目指す生徒をターゲットにし、これまでのスマイルゼミの機能をさらに発展させた。

スマイルゼミは、全履修者の、学習の始めから終わりまですべての行動・学習履歴を「学習グロースハック」を使って分析し、理解度や進捗に合わせて専用カリキュラムや教材配信、勉強法を提供する。その分析範囲は多岐に渡る。「学習をいつ始めていつ終わったのか」、「学習の順序、思考、結果」、あるいは、「息抜き、親とのコミュニケーションの頻度など」まで分析し、一人ひとりに最適な学習動線を作る。

それらに加えて、「特進クラス」では、中学3年生夏までに中学範囲の学習を終え、入試の実践演習に集中できるように設計されている。公立難関・上位校合格には、正答率30%以下の問題を得点できるかが合否を分けると同社は言う。その対策として、「基礎知識の習得」には、体感的に理解できる「アニメーションワーク」を行い、映像授業とともに応用問題の演習をする「統合型映像授業」で実践的なテクニックや実践力を身につける。

その「統合型映像授業」は、講師の授業を聞きながら、同時に直接タブレットに計算式や解答などを書き込め、授業を見たあとすぐに実践問題を行うことで、学習の流れを分断しないように工夫されている。もちろん、書き込んだ内容は、動画と一緒に保存されるので、復習にも使える。

また、定期テスト対策として、主要5教科に加えて、実技4教科もオーダーメイド対策教材を提供。そして、中学1年生から年3回の模試を行い、その結果を基にスマイルゼミが弱点を分析し、最適化された入試攻略プランをオーダーメイドしてくれる。

スマイルゼミ「中学生コース特進クラス」は、2015年11月19日から申し込みを開始。会費は、ひと月あたり10800円(税別)から。開講日は、中学1年生、中学準備講座(小学6年生対象)が2015年12月17日。さらに、2016年4月1日から中学2年生コース、2017年4月1日からは、中学3年生コースを順次開講する予定だ。

OKKが教育講演会と私立中高相談会を実施

東京都品川区大井町近隣の6つの塾が集まり、2002年に発足したOKK(大井町から教育を考える会)。「子供を奪い合うのではなく協力していこう」という趣旨に賛同した私学23校と共に、塾と私学という垣根を越えて活動している。

相談会実行委員長の阿部光雄氏

相談会実行委員長の阿部光雄氏

そのOKKが主体となり、「教育講演会&私立中高相談会」を11月3日に実施。保護者と生徒を合わせ200人ほどが集まった会場には、立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。まずは日本音楽高等学校によるミニコンサートで和んだあと、相談会実行委員長を務めるトキワ松学園中学高等学校 教師の阿部光雄氏が「大学入試改革とともに教育そのものも変わっていきます。それに柔軟に対応できるのが私学なので、今日はぜひいろんな学校を回ってください」と挨拶した。

続く教育講演会では、入試過去問題集などを出版する株式会社声の教育社(東京・新宿)の三谷潤一氏が登壇。近年の受験者の傾向や、来年の受験に向けた具体的な対策などを語ってくれた。

三谷潤一氏

近年の受験者の傾向などについて講演する声の教育社の三谷潤一氏

三谷氏によれば、最近の受験者や保護者は単純に偏差値が高い学校がいい学校だという認識を、持たなくなったのではないかと話す。実際、東大に合格者を多く輩出している高校の過去問が、以前ほど売れなくなっているという。

それから、私立で受けたい学校があれば一度見学に行くべきであり、気になっている学校を実際に回ることで、自分が本当に行きたい学校がみえてくるとアドバイス。また、都立希望者が私立に変更すると成績が下がる傾向があるため、ぎりぎりまで都立を希望したほうがいいと薦めた。

さらに、入試問題の作問者は予想問題集と同じ問題が出ないよう注意しているため、予想問題集から出題されることはまずないが、問い方を変えて出すことが多く、実は予想問題集は入試問題の宝庫だと伝えた。

OKK大井町から教育を考える会の「私立中高相談会」の様子

OKK大井町から教育を考える会の「私立中高相談会」の様子

教育講演会のあとは、23の私学ごとに設けられたブースで個別の相談会が開催。昨年に引き続き、今年も参加したという男子中3生とその母親は「去年参加後、実際に学校を訪問してとても参考になった。今年は去年OKKで話せなかった学校と話せ、それぞれの特色がつかめて志望校を絞ることができた」と感想を教えてくれた。また、創心ゼミに通う女子中3生は私立も見ておきたいと参加。「個別に学校を訪問することなく、一度に何校もの高校と話せて便利」と語った。

年々参加者が増えているOKKの私立中高相談会。OKKの活動目的である「教育を通した地域貢献」ができていると、手応えを感じているようだ。

ING進学教室などが主催する「NIE作文大賞コンクール」 瑞穂で表彰式

多摩地域で進学塾ING進学教室(東京・立川市、岡田弘行代表)などが主催する「第6回 NIE作文大賞コンクール」の表彰式が11月29日、瑞穂町駒形富士山の「町郷土資料館 けやき館」であり、大賞に4人、特別賞に5人が選ばれた。

NIE作文大賞コンクールで大賞、特別賞を受賞した皆さん=「瑞穂町郷土資料館 けやき館」で

NIE作文大賞コンクールで大賞、特別賞を受賞した皆さん=「瑞穂町郷土資料館 けやき館」で

同教室は、新聞を教材として活用するNIE(Newspaper in Education)の取り組みを重視。新聞記者による講演を聞いた感想や、新聞を読んで感じたことを文章にまとめるコンクールを開いている。今回は小学3年から中学3年まで612点の応募があった。
大賞には、青梅市立第四小5年の成井義貴さん、昭島市立清泉中1年の松本楽冬(がくと)さん、羽村市立羽村第二中1年の河村葵子(きこ)さん、あきる野市立東中2年の幡野悠人さん――の4人が選ばれた。

特別賞は、福生市立福生第五小6年の羽深航大さん、青梅市立吹上中1年の加藤凪紗(なぎさ)さん、あきる野市立秋多中1年の知名修大(しゅうと)さん、羽村市立羽村第二中2年の松本まいかさん、東大和市立第四中3年の徳木大輔さん――の5人が受賞した。同教室などが主催する「第13回エッセイ・作文コンクール」の表彰式もあった。

勉強も課外活動、全力で取り組む子供たちをジャストシステムがバックアップ

「スマイルゼミ」などを展開する株式会社ジャストシステムは、勉強とスポーツ、あるいは芸術文化活動などの課外活動に励む小中学生を支援する取り組みの一環として、「全力キッズ応援制度」を新設する。

支援対象は、学校の学級や部活動、学校外のクラブチームといった団体。選出された団体には、卒業まで同社が提供している通信教育「スマイルゼミ」を卒業まで無償貸与する。
それに加えて、課外活動の目標を1年以内に達成すると、その内容に応じて活動資金を10万円から100万円、もしくは同等額相当の用具などを寄贈する。

この制度を設立した背景には、やり抜く力や自制心、チームワークが身につく課外活動も、子どもたちの自立心を育むための教育として非常に大切だと考えている同社の方針がある。

応募方法は、勉強と課外活動の両方について、団体単位で1年以内に達成したい目標と団体の経歴などを「全力キッズ応援サイト」から提出して応募する。そして、その目標内容や実績で選考され、今回は、最大10団体の選出を予定している。

スマイルゼミとトロフィーを持つ松下龍馬君

スマイルゼミとトロフィーを持つ松下龍馬君

発表会には、「全力キッズ」の松下龍馬君も登壇した。今年からスマイルゼミを使って勉強している松下君は、2015年8月全日本ジュニアテニス選手権14歳以下男子シングルス優勝や、同年4月の14歳以下国別対抗ワールドジュニア世界大会アジア/オセアニア予選日本代表に選出されるなど、ワールドワイドに活躍するテニスプレイヤーである。松下君は、「遠征で学校に行けないことも多くてなかなか勉強する時間が取れませんでしたが、スマイルゼミは自分のペースでできるので大変役立ちました」と語り、「ITF400番台(U18の世界ランキング)になることと、英語と数学のテストで100点を取ることです」と、1年以内に達成したい目標を掲げた。

第1回募集期間は、2015年11月19日(木)~2016年2月21日(日)まで。応募は、「全力キッズ応援サイト」(http://zenryoku-kids.jp/)から。今後は年2回、募集を行っていく予定。

香川・徳島の教育のグローバル化、ICT化をけん引 AIC鷗州グループとUSS学進グループが業務提携

株式会社鷗州コーポレーション(広島県広島市、宇津田敬二社長、以下「AIC鷗州グループ」)と株式会社ユナイテッドオーシャンホールディングス(香川県高松市、内田統夫代表、以下「USS学進グループ」)は、12月1日、両社のコンテンツやリソースを活かしながら香川県と徳島県の教育のグローバル化とICT化をけん引し、幼小中高で一貫した先進的な教育を地域に提供するため、業務提携基本契約を締結したことを明らかにした。

今回の提携により、高大接続システム改革に伴う2020年度以降の大学入試改革で求められる「思考力・判断力・表現力」を引き出すための教育コンテンツの提供を徳島・香川の両県ではじめる。具体的には、小学生向けの英語教室「AIC Kids」や、バイリンガル幼稚舎「AIC附属幼稚舎」、そして世界トップ大学の進学を目指す「AICインターナショナルハイスクール」や、中学・高校生向け英語教室の運営を協同でおこなう。また、高校生を対象とした大学進学準備プログラムの開発や提供をおこなう。

中高生向けスマホ学習塾の「アオイゼミ」の葵 KDDI、マイナビ、電通デジタルHDなどから総額2.8億円の資金調達を実施

日本最大級の中高生向けライブ学習サービス「スマホ学習塾 アオイゼミ」を運営する株式会社葵(東京・新宿区、石井貴基代表)は、11月25日、KDDI株式会社によるコーポレートベンチャーキャピタル「KDDI Open Innovation Fund」、株式会社マイナビ、株式会社電通デジタル・ホールディングス、日本政策金融公庫などを調達先として、総額2.8億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

アオイゼミのライブ授業のイメージ

アオイゼミのライブ授業のイメージ

アオイゼミは、ライブ配信の利点を活かし、受講する生徒が実際に教室にいるのと同じように、リアルタイムに講師に質問したり、ほかの生徒とコミュニケーションを図りながら学習を進めることができる。アオイゼミを受講する生徒からは、「いつでも見られる学習動画は、いつでも見ない」や、「ライブ授業は配信時間が決まっていて、全国の学生と一緒に学べるからモチベーションが上がり、習慣化できる」といった声も寄せられている。

今回の資金調達を受け、同社はさらなる経営体制の強化を図る。10月には前年同月比で200%以上の成長を果たし、平日の19時から配信されるライブ授業に、連日3000人を超える生徒が全国で受講している。この急激な生徒増に対応するため、新しい配信システムの構築や、個々の生徒に最適な学習コンテンツを薦めるレコメンド機能などを盛り込んだ学習管理システムを強化するとともに、学習コンテンツの拡充を図るため、大手予備校で指導経験のある人気プロ講師の採用を進めながら、新規科目の開講やコンテンツ数を増やす。

また、今回の資金調達にともない、葵に出資するKDDI株式会社の運営するコーポレートベンチャーキャピタルおよび、事業会社の株式会社マイナビとはそれぞれ、「auスマートパス」や「マイナビ進学」と連携して、双方のサービス向上のための相乗効果を狙う。

スマホが塾になる

神奈川のステップ、学童保育に参入

神奈川県の学習塾大手のステップは2016年4月、学童保育事業に乗り出す。「ステップキッズ」の名称で、藤沢駅近くのビル内に開設する。まず各曜日で小学1年生を30人、2年生を25人募集する。2年目には3年生、3年目には4年生も受け入れる方針だ。学校の授業終了後、午後7時まで子供を預かり、午後8時までは有料で延長を受け付ける。学童保育では塾講師が理科実験や国語、算数などを低学年向けにアレンジして教育プログラムを提供する。料金は週1日の利用で月額1万5千円、週5日で4万9千円。

ベネッセ海外に賭け 2000億円投資、中計に盛る

ベネッセホールディングスは10月30日、2020年度までの中期経営計画を発表した。投資枠が5年間で2千億円と過去最大規模で、海外に賭ける。幼児向け通信教育講座「こどもちゃれんじ」を中国、韓国、台湾で展開しているが、今後、さらに中国での開拓に力を入れる。北京や上海など4つにとどまる営業拠点を、6倍の24に増やす。周辺の商業施設にベネッセの教材を体験できる店舗も開設し、会員獲得の支えとする。15年10月の中国での会員数は83万人だが、21年までに5倍弱の400万人に増やす。