「代々木ゼミナール」を運営する学校法人の高宮学園(東京・渋谷)は全校の7割にあたる約20校を閉鎖したが、購入や賃借など手法は様々だが、すでに9校で新たな利用者が決まった。浜松と千葉県の津田沼は駿河台学園(東京・千代田)が予備校として活用しする。仙台は東北福祉大学(仙台市)が、池袋は東京福祉大学が、岡山は環太平洋大学がキャンパスとして利用する。大阪はシップスヘルスケアHDが複合オフィスビルに、京都は小田急電鉄がホテルに、小倉は九州医療スポーツセンターが校舎にそれぞれ転用する。
2016年1月12日、ネットの高校「N高等学校(以下、N高)」をこの4月に開校予定のカドカワ株式会社が、学校法人高宮学園代々木ゼミナール(以下、代ゼミ)とともに、「代ゼミNスクール」を2016年4月に開校することを明らかにした。
授業やレポート提出をネットで行い、高校卒業資格取得を目指すN高。その生徒の中で、大学進学を目指す生徒を対象に、提携通学コースとして代ゼミNスクールは用意される。代ゼミNスクールは、専用校舎が用意され、進学相談ブース、オープン自習スペース、リベラルスクエア(代ゼミNスクール生同士で意見交換や議論が可能なフリートークスペース)などが設置されている。その施設で、映像授業と対面授業を組み合わせて受講でき、また希望すれば、1対1の個別指導も受講できるようになっている。
同スクールの特徴は4つある。1つ目は、専任の担任スタッフである“学びのプロデューサー”が講座の取り方や学習計画など一人ひとりにあったプランを提供し、アダプティブラーニングを可能にする。保護者との面談も実施し、学習の進捗度を共有してくれる。その際には、代ゼミオリジナルの総合学習管理システムのSMS(サテライン・マネジメント・システム)を利用する。2つ目は、代ゼミの2000講座以上の多彩な講座から習熟度に応じた授業や講師をセレクトできる。3つ目は、いつでも入学ができ、通学日数も週1〜6日まで自由に選ぶことが可能。また、代ゼミNスクール内の施設(自習スペース等)は、通学日以外にも無料で利用できる。4つ目は、一人ひとりの学習到達度に合わせて講座をレベルアップすることができる。
これにより、例えば1年で教科書範囲を終了し、その後志望校に特化した受験対策講座に専念することも可能になるという。
費用は、出願料1万円、入学金5万円に加えて、授業料(年間)は27万円(週1日)から。対象は、N高等学校に在籍している方、またはN高等学校への転入希望者。募集人数は、定められていない。また、2月11日には、代ゼミNスクールの説明会・個別相談会が行われる予定だ。
代ゼミNスクールの開校にあたり行われた発表会で、カドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生氏は、「N高は、生徒たちが目的を持って勉強します。受験勉強においても目的を持って、自分に合った授業、自分が目指す大学に対して何を勉強すればいいのか、講師の先生たちに相談しながら、自分で考えていくことができる画期的なしくみだと思っています」と語った。
また、この事業について、SAPIX YOZEMI GROUP共同代表の高宮敏郎氏は、「ひとつは、これからは優れたITとこれまでの教育機関がハイブリットして教育サービスを提供していくのが大事だと思います。もうひとつは、多様性です。いろいろな学びをしたいという生徒さんをサポートしていくためにも、今回の取り組みは最適な取り合わせだと思います」と語った。
また、今回の代ゼミNスクールの設置に伴い、N高のスクーリング会場の増設がアナウンスされた。代々木ゼミナールの校舎に加え、麻生情報ビジネス専門学校、日本電子専門学校の協力のもと、全国12カ所となる。
クラウド型学習システム「すらら」を開発、販売する株式会社すららネット(東京都千代田区、湯野川孝彦社長)は、スリランカのBase of the Pyramid(BOP)層の子供を対象とした学習塾で、2015年12月末時点で生徒数が300名を超えたことを明らかにした。BOPとは、所得ピラミッドの中で最も収入が低い所得層を指す言葉。世界中に約40億人がいると言われている。
スリランカにおけるBOP層の子供を対象とした学習塾は、2015年5月に女性銀行が運営する1校舎とFoundation for Health Promotion(FHP)が運営する1校舎の2校が開校したが、入塾希望の空席待ちの状態になるなど生徒が順調に増加したことを受け、同年9月にはさらに女性銀行が運営する2校舎が開校し、現在は4校舎となっており、すべての校舎で「すらら」が導入されている。
スリランカの女性銀行は、BOP層の女性を対象としたマイクロファイナンス組織で、今回のプロジェクトを通じて、BOP層へのファイナンス支援だけでなく、教育支援と雇用創出も行っていく計画だ。また、FHPは、BOP層を対象に親の健全な生活習慣を根付かせることにより子供の生活・教育レベルを引き上げるなどの活動を行う組織。
同国の学習塾に対する生徒や保護者の評価は非常に高く、日本の算数技能を学べること、それと同時にパソコンの使い方が身につくこと、日本流の「しつけ」も教えることなどが支持されている。保護者からは、これまで無かった教育サービスを提供することへの感謝の声や、子供たちがオンラインでの学習を非常に楽しみ、塾に通うのを心待ちにしている様子から、さらなる成果を期待する声も上がっている。
また、女性銀行が運営する3校では教務経験のない女性が中心となって、すららネットの研修を受講し、累計で16名がファシリテーターとして活躍することで、貧困地域の教育問題の解決に加え、女性の雇用問題にも貢献している。
同プロジェクトは、独立行政法人国際協力機構(JICA)による民間連携事業協力準備調査 BOPビジネス連携促進の採択を受け、スリランカのBOP層の子供たちに、教師のレベルに左右されずに効果性の高い算数教育を低価格で提供するeラーニングを利用した塾のビジネスモデル構築を目指す。
女性銀行とFHPを学習塾の運営パートナーとなり、すららネットが研修をおこなうことで、教務経験のないBOP 層の女性をeラーニング塾のファシリテーターとしています。これによるBOP 層の女性たちの雇用拡大・自立支援も目的のひとつとなっている。
今後、女性銀行とFHPとも、多校舎展開を積極的に推進していく予定で、3月には女性銀行がさらに1校舎を開校させる予定だ。すららネットは「世界中の教育格差の根絶」を理念に掲げており、「今後も品質の良い教育を低価格で提供することで、教育格差を解決していきたい」と意気込む。
首都圏に明光義塾を展開するFC(フランチャイズチェーン)加盟オーナーで構成される「ゴールデンクラブ(GC)」の新年研修会が、1月10日(日)、TKPガーデンシティ千葉でおこなわれた。
今年で15回目を数える同研修会には、ゴールデンクラブに加盟する、株式会社リード、株式会社プラスラフ、株式会社サフネ、ネクストワングループの社員のほか、株式会社明光ネットワークジャパンの田上節朗社長、山下一仁副社長や、東北、北陸、近畿、中国、九州などの各地方のオーナーら約170名が出席した。
GCの研修会は、2001年に明光義塾のFCに加盟するオーナー同士の懇親会として、リードの内田尚士代表、サフネの髙見澤實代表、ネクストワングループの荒木隆巖会長の3人により、計14教室の研修としてスタートした。
今回の研修会では、リード、プラスラフ、サフネ、ネクストワンの各社から年頭の方針発表がおこなわれ、事業承継、営業活動、地域におけるブランド力の向上、マネジメントに関する具体的な目標設定と施策に関する方針が示された。
各社の方針発表に次いで、『月刊私塾界』でも好評コラム連載中の中谷彰宏氏が、「なぜあのリーダーに人はついていくのか」をテーマに、優秀な社員がついていきたいと思う経営者の要素について基調講演した。優秀な社員がなぜ辞めていくのか、リーダーをいかに育てればいいか、二流と一流のリーダーの違い、といった経営者にとっても身近な課題を、様々なエピソードを紹介しながら2時間にわたって気持ちを伝えた。中谷氏は「教育の目的は、自分も仕事をしたい、世の中の役に立ちたいと思わせること」と語り、参加した明光義塾の教室長や講師に希望を持たせた。参加者からは「先が見えない時代だからこそ、それをスタッフ同士でどれだけワクワクしながら共有していきたい」と意気込んだ。
その後、「2015年 社員の決意」として、GC会員5社の代表者が決意発表。次いで、明光ネットワークジャパンの田上社長があいさつし、昨年12月25日に厚生労働省から出された「学生アルバイトの労働条件の確保についての要請」に触れ、「かなり学習塾を意識した内容であり、当然それをやらないといけない」と考えを述べ、すでに対応をしている現場に対しては「努力を無駄にしてはならない」と話した。
株式会社全教研(福岡県、中垣一明代表)は、自社開発のプログラミング講座をマレーシアのIT企業と提携して本格的に展開する。そのオープニングイベントを12月12日にマレーシアにて開催した。
同社の中垣一明代表は、本イベントのテーマを「Educatio nal Bridge Between Malaysia and Japan」と名づけ、両社のみならず、両国のパートナーシップも謳い講演を行った。
イベント当日に駆けつけ、スピーチを行ったマレーシアのマハティール元首相は、「ロボットやプログラムなどの技術教育を充実させていくことが将来に渡ってマレーシアの経済発展につながる」と熱弁した。
当日は約200名の子どもたちの予約があり、計300名以上が来場し、大盛況に幕を閉じた。