Category: 塾ニュース|政治

「国際卓越研究大学」最終候補に「東北大学」、2024年度に認可へ

 文部科学省は、10兆円規模の大学ファンドを利用し、世界トップレベルの研究力を目指す大学を支援する「国際卓越研究大学」の最終候補に「東北大学」を選定した。この選定は、若手研究者の挑戦機会を拡大する計画が高く評価された結果で、2024年度中に認可予定。認定後、次回の公募も行われる予定で、最大25年にわたり毎年100億円前後が助成される見通しだ。

文科省、幼児期教育の将来影響を初の追跡調査へ

 文部科学省は、2024年度から幼児期の教育や家庭環境が将来の学力や年収にどのような影響を及ぼすかを調べる長期の追跡調査を初めて実施する。対象は就学前の5歳児1万人規模で、幼稚園や保育所での教育内容や家庭環境を調査し、学力や進路、成人後の職業や年収などを追跡する。来年度予算概算要求に、関連経費として6000万円程度を盛り込む方向で調整。この調査を通じて小学校学習指導要領や幼稚園教育要領、保育所保育指針に反映させることを視野に入れる。 調査は、5歳児が小学4年生になる28年度にかけて、学力の状況などを確認。その後も、幼児教育の長期的な影響の分析を行う。結果を幼児教育の内容に反映させて、経済的な格差の固定化を防ぐ狙いがある。学力のほか、粘り強く物事に取り組む力をはじめとした「非認知能力」への影響を調べる。
  調査では、地域特性を勘案して分析できるよう、都市部と地方部のそれぞれで十分な数のサンプルを集めることを想定。対象児の家族構成や経済状況なども確認する方向だ。 海外では同様の調査で幼児教育の重要性が認識され、日本もその成果を活かした教育を進める意向。ただし、差別に繋がらないように十分な配慮が必要であり、個々の子どもの能力を全体的に伸ばすことが大切だとされている。文科省は大学に調査を委託し、2024年度から本格的な調査を開始する予定だ。

三菱総合研究所 文部科学省から「リカレント教育の社会実装に向けた調査研究・普及啓発パッケージ事業」を受託

 株式会社三菱総合研究所(籔田 健二 代表取締役社長)は、「リカレント教育の社会実装に向けた調査研究・普及啓発パッケージ事業」を文部科学省から受託した。この事業では、リカレント教育の効果やその評価指標を提示する。あわせて、個人や企業等の学習ニーズや期待される効果、影響要因を把握し、大学等、企業等におけるリカレント教育推進に向けた体制整備の促進を図る。

1. 事業の背景

 リカレント教育に関しては、教育未来創造会議において、学習成果の可視化やその発信が重要な論点としてあがっている。また、第6期科学技術・イノベーション基本計画では、リカレント教育の効果や社会への影響を評価できる指標の開発が求められている。さらにリカレント教育・学び直し・リスキリングは、経済財政諮問会議「骨太の方針2023」、新しい資本主義実現会議「三位一体の労働市場改革の指針」、こども未来戦略会議「こども未来戦略方針」、教育振興基本計画等にも、重要な政策のひとつとして位置づけられている。

 現状では、リカレント教育による個人の能力・スキルの向上に関する詳細な調査結果やデータ等が可視化されておらず、多くの企業等ではプログラム受講者の処遇改善や評価に繋げられていないことなどから、社会人の学び直しに対して十分なインセンティブが付与されていない。リカレント教育の普及のためには、効果の可視化やそれを受講者の処遇等につなげる仕組みの整備が急務となっている。

2. 事業概要

 この事業では、下記3つを実施し、リカレント教育の普及を図り、個人の学び直しや企業等の人材育成に関する機運を高める

①調査分析

 学び直しを行った社会人や人材育成を行った企業等、プログラムを提供した大学等に対する調査・分析により、リカレント教育がもたらす効果を明らかにする。

②指標開発

 ①の結果を踏まえ、リカレント教育の効果や社会に及ぼす影響を評価する指標を開発する。

③普及啓発

 リカレント教育がもたらす効果について、周知・普及啓発を行う。また、その対象となった個人や企業等、大学等に対して①②の結果を示し、普及啓発を受けた結果、リカレント教育に対する意向等がどのように変化したかについても把握する。

3. 今後の予定

 この事業では、リカレント教育がもたらす効果の普及啓発の一環として、個人や企業等、大学等を対象に、2024年2月頃にセミナーの開催を予定している。実施にあたっては、MRI公式サイトにて案内、参加募集を行う予定。

 MRIでは、どのようなリカレント教育および学び直し・リスキリング等が社会人に効果をもたらすのか、企業等が動的な人材ポートフォリオを実現するためにはどんな支援が必要か、どういった教育機関・教育サービスが有効なのかなどの検討を通じ、実効性の高いリカレント教育の推進、社会実装の促進に取り組んでいいく。

「令和の日本型学校教育」のための質の高い教師確保に向けた環境整備に関する諮問

 5月22日、中央教育審議会総会が開催され、文部科学省永岡大臣が独立行政法人教職員支援機構理事長である荒瀬会長に「令和の日本型学校教育」のための質の高い教師確保に関する環境整備の総合的な方策について諮問した。具体的な課題として、教師の働き方改革、処遇改善、学校の指導・運営体制の充実が挙げられた。これらの課題については広範で多岐にわたるため、迅速かつ着実に施策を実施するため、審議の状況に応じて逐次まとめるよう要請した。永岡大臣は、質の高い教師の確保には働き方改革、処遇改善、指導・運営体制の充実が必要であり、これらの取り組みによって教師が志高く働ける社会を実現することが重要だと述べた。

大阪府、高校と公立大学の授業料を完全無償化へ 2026年度に実現予定

 大阪府は、高校と大阪公立大学の授業料を完全無償化するための素案を公表した。来年度から段階的に実施し、2026年度には全員が無償化される予定で、所得や人数制限はない。この取り組みは全国的にも初めての試みであり、関西1府4県や高校とも協議を行いながら制度を設計していく予定。実施には年約427億円の公費が必要で、府は財源の確保に向けた取り組みを行っている。

外尾悦郎氏(サグラダ・ファミリア主任彫刻家)に文部科学大臣表彰授与

 永岡 桂子文部科学大臣は5月1日に、世界文化遺産「サグラダ・ファミリア」の主任彫刻家である外尾悦郎氏に、文部科学大臣表彰状を授与し、文化芸術の振興や世界への文化発信に関する功績を称えた。
外尾氏は、異なる文化・言語の中、様々な壁に直面しながらも現在の地位を確立してきたことや、日本でもガウディ研究がさらに進むことを期待すると話した。大臣からは、サグラダ・ファミリア聖堂の完成を楽しみにしているとともに、外尾氏の引き続きのご活躍をお祈りすると伝えた。
 その後、永岡大臣は5月2日に、パリ日本人学校を訪問し、各教科が日本国内と同様に行われている様子や、英語やフランス語のきめ細かな学習の様子を視察した。
西澤宏章理事長と伊藤博校長との意見交換では、大臣より学校の開校50周年をお祝いするとともに、落ち着いた良い校風の学校であると感じたことや、現地の学校との交流など特色ある教育への期待を伝えた。

「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策推進本部」第1回会合開催、意見交換で施策検討

 4月13日、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策推進本部」の第1回会議が開催された。この会議には、文部科学省から永岡大臣、簗副大臣、伊藤大臣政務官が出席し、こども家庭庁からは渡辺こども家庭庁長官が出席した。
 この日は、「誰一人として取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」を発表し、今後の取り組みについて関係部局と意見交換が行われた。意見交換では、不登校特例校の新名称の意見募集を開始し、設置や運営の経験のある者を派遣すること、不登校特例校や教育支援センターの設置の参考事例の周知や施設整備の支援を行うこと、教員業務支援員等の支援スタッフの配置支援による学校の働き方改革の推進などが話し合われた。
 このプランは、不登校の児童生徒が学校に限らず学べる多様な環境を整備し、学びにつながることができない子供をゼロにすることを目的としている。できるだけ早く取り組める内容については速やかに実施するとともに、時間を要するものについては夏頃までに今後の取組を検討するという。

異次元の少子化対策 たたき台

 政府は、少子化対策のために「異次元の少子化対策」と呼ばれる具体案をまとめることを決定した。その中で、児童手当の支給対象年齢を現在の「中学卒業まで」から「18歳まで」に延長し、子どもの多い世帯への増額や、所得制限の撤廃を盛り込むことが方針として示された。また、新たな住宅支援制度や保育所の要件緩和、育児休業の支援なども提案される予定である。具体的な財源についてはまだ議論されておらず、こども家庭庁の設立とともに財源に関する新たな会議を発足させる予定。

卒業式のマスク 着用なしが基本に

 政府は2月10日、3月中旬をめどに屋内外を問わず個人の判断に委ねる方向で最終調整に入った。岸田文雄首相は「今年卒業式を迎える子供さんたちは、この3年間ずっとマスクをつけて過ごしてこられた。卒業式では、換気など感染対策を講じた上で、国歌斉唱や合唱の時をのぞき、児童・生徒と教職員がマスクを着用しないことを基本としたい」と表明した。政府は3月中旬をめどにマスク着用は原則、個人の判断に委ねる方針だが、それより前に行われる卒業式にも特例の措置をとる。

 文部科学省は、4月1日以降の新学期からは、体育や合唱時も含め、学校教育活動ではマスク着用を求めない方針を固めた。4月新学期から「マスク不要」となる。

東京都、第2子の保育料無償化へ 所得制限なし

 東京都は1月12日、少子化対策を充実させるため、18歳以下に月5000円を給付する方針を正式に決めるとともに、第2子の保育料の無償化などにおよそ1兆6000億円を新年度予算案に盛り込むことを明らかにした。0~2歳の第2子の保育料を完全無償化し、所得制限は設けない。全国の22年の出生数が過去最少の見通しとなるなか、独自の手厚い支援策で子育てしやすい地域づくりを進める。都内の18歳以下に月5000円を所得制限を設けず給付する方針を正式に決め、必要な経費として1261億円を予算案に盛り込むことを明らかにした。都内の教育費は全国平均を1人あたり月額で約5千円上回っており、差額分を支援する。24年1月ごろに23年度分を一括給付する予定だ。
 都はこうした少子化や子育てへの対策として、新年度予算案には今年度より2000億円多い、およそ1兆6000億円を盛り込む。