Category: 塾ニュース|政治

「教育再生実行会議」を廃止し「教育未来創造会議」新設へ

 政府は、2021年9月に、教育改革の提言を行ってきた「教育再生実行会議」を廃止し、大学などの高等教育の在り方を検討するため新たに「教育未来創造会議」を設置し、総理大臣や文部科学大臣らをメンバーとする新たな会議を開催することを決めた。有識者のメンバーについては、半数を女性として、座長には元慶應義塾塾長の清家篤氏を起用する方向で調整に入った。
 会議では、成長の基盤となる人材育成を強化するための大学の学部や大学院の再編・拡充、学びの支援として大学卒業後の所得に応じた「出世払い」の奨学金制度の導入などを検討している。初会合は2021年の12月中に開く方針だ。

こども庁 検討チームを7月に立ち上げ

 政府は6月8日、「こども庁」の創設に向けた本格的な検討を開始するため、検討チームを7月にも立ち上げる方針を固めた。加藤官房長官をトップに、内閣府や厚生労働省、文部科学省などの職員からなる省庁横断の検討チームとなる。

 こども庁創設を巡っては、自民党の「こども・若者」輝く未来創造本部が、医療や保健など複数の府省庁にまたがる政策や予算を一元化して、強力な調整機能を持つこども庁を創設するよう求めている。

 検討チームの設置はこうした与党内の動きに対応するため。

 菅政権としては秋までに行われる衆議院選挙の目玉公約にする方針で、今後、具体的な組織の在り方など検討を加速させる。

経産省 半導体産業を国家事業として取り組む

 経済産業省は6月4日、半導体などのデジタル産業の基盤強化に国家事業として取り組み、次世代の製造技術の国産化などを進める新戦略を発表した。半導体は世界各国が巨額の資金を投じて開発競争を繰り広げ、国際的な産業競争力の強化に欠かせない。米中対立の激化を背景に、経済安全保障上の重要さが増している。

 新戦略では、半導体などのデジタル産業の基盤強化を、エネルギーや食料の確保と同様、国家戦略として必要なものと定め、民間への事業支援の枠を越えた特例扱いの措置を講じる制度の構築を検討するとした。

 具体的には日本にある既存工場に新たな投資、再編や統合も含めた大胆な刷新を進め、需要に対応できるようにする。半導体の需要先として有望視されるデータセンターは、日本が「アジアの中核拠点」となることを目指す。東京や大阪に集中するデータセンターの分散を図るために年内に立地計画を策定。必要に応じ、インフラ整備などの基盤整備を政府が支援する。海外の大手半導体メーカーと合弁工場を設立することなどを通じて、国内の製造基盤を確保し、次世代の製造技術の国産化も進めるとしている。

 日本の半導体産業は、30年ほど前は世界のシェアの半分以上を占めていたが、現在では10%程度に大きく落ち込んでいるほか、スマートフォンなどに使う最先端の半導体の製造は海外に依存している。

政府 各省庁のLINEでの利用状況を確認

 政府は3月19日、通信アプリLINE(ライン)が日本国内のサーバーに保管されている利用者の個人情報を中国で閲覧可能な状態となっていた問題で、国の行政機関や自治体を対象に利用実態を調べていると明らかにした。

 LINEをめぐっては、システムの管理を委託している中国の会社が、日本国内のサーバーに保管されている利用者の名前や電話番号といった個人情報に、アクセスできる状態になっていたことが明らかになっている。実際に中国の技術者から、日本のサーバーに、少なくとも32回のアクセスがあったと判明。

 LINEは、国内で8600万人の利用者いる。新型コロナウイルスのワクチン接種の予約ができるシステムも開発し、自治体が導入している。保育所の入所申請や粗大ゴミの収集の受け付けなどの行政サービスにLINEを利用している自治体もある。

 総務省は、LINEを通じて提供している意見募集や問い合わせの対応などの行政サービスの運用を停止する。また、3月26日までに、行政サービスにLINEを活用しているすべての自治体に対し、利用状況を報告するよう依頼したと明らかにした。

 加藤官房長官は記者会見で、政府では、LINEを含め民間企業が不特定多数の利用者向けに提供するサービスを利用する際には、機密情報は取り扱わないように運用している。現在、内閣官房を含め各省庁におけるLINEの利用状況を確認中とした。

大企業非正規雇用者も休業支援金対象に

 勤務先から休むよう指示を受けたが休業手当が支払われない労働者に対し支給する新型コロナウイルス感染症の休業支援金について、対象を大企業で働く非正規雇用の労働者も追加すると、2月5日に厚生労働省が明らかにした。保証額は、休業前賃金の8割で、上限は日額1万1000円。これまで中小企業のみだったが、新たに大企業で働くシフト制勤務や登録型派遣、日雇いの労働者も支援対象となった。申請するには、労働者が自ら直接申請を行う必要がある。申請方法などは今後公表予定。受け付け開始は、2月中旬以降の予定。緊急事態宣言の再発令を受け、1月8日以降の休業に対し、支援金が支払われる。

9月発足のデジタル庁 非常勤職員募集の倍率が47倍に

 平井デジタル改革担当大臣は、2021年9月に発足予定となっているデジタル庁の非常勤職員30人程度を民間から人材を募集した結果、約47倍となる1400人を超える応募があったと発表した。

 政府はデジタル庁について、9月の発足時に500人程度の規模を想定しており、このうち100人以上を民間から登用する方針だ。

 2月4日~22日まで募集を行い、30人程度の採用を予定していたところ、企業の経営者やエンジニアなど、20代から70代の合わせて1432人の応募があった。これについて、平井デジタル改革担当大臣は「デジタル庁への期待や関心の高さを改めて感じる」と述べた。

 政府は、民間から専門性の高いIT人材を確保するため、今後も順次、募集を行うことにしている。

結婚後の皇室活動継続案を政府が検討 女性皇族の特別職「皇女」

 11月24日の記者会見で政府は、女性皇族が結婚して皇籍を離脱した後も特別職の国家公務員と位置付けて、皇室活動を続けてもらう制度の創設を検討しているとあきらかにした。皇族減少に伴う公務の担い手不足の打開策だ。政府関係者は「選択肢の一つだ」と語っているが、新たな呼称を「皇女」とする案が有力。

 現状の規定では、皇室典範は皇族女子が一般男性と結婚した場合、「皇族の身分を離れる」とされている。政府が制度創設を検討する目的は、皇族が減少する中で皇室活動を安定的に維持すること。現在、女性皇族は13人、未婚の皇族女子は6人で、結婚により皇籍離脱が続けば、皇族の減少に繋がり皇室活動に支障をきたす懸念がある。政府は、皇室典範の規定を維持したまま特例法を制定し、結婚後も女性皇族に皇室活動を継続することを想定している。

安倍首相 辞任の意向固める 

 安倍総理大臣は、持病が悪化したことなどから国政に支障が出る事態は避けたいとして、総理大臣を辞任する意向を固めた。安倍総理大臣は、ことしの夏は、新型コロナウイルスへの対応などで、連日、総理大臣官邸に入り、執務にあたっていた。今月16日からは3日間夏休みを取り、都内の自宅で過ごしたが、17日には東京・新宿区の慶応大学病院におよそ7時間半滞在して日帰りの検診を受け、ニュースにもなっていた。検査の結果、持病の「潰瘍性大腸炎」が悪化していることが分かったことなどから国政に支障が出る事態は避けたいとして、総理大臣を辞任する意向を固めた。
 東京都の小池百合子都知事は28日、定例記者会見で、安倍晋三首相が辞任の意向を固めたことについて受け止めを問われ「事実であれば非常に残念なこと」と述べた。また、小池知事は「コロナウイルス対策、オリンピック・パラリンピックなど国と連携を図りながら取り組みを進めていかなければならないテーマが多々ある。今後どのような形になるのか。いまの報道の中身なども確認しながら、国との連携をしっかりとることは変わりなく進めていきたい」と話した。

パワハラ防止法施行 行政指導対象となった場合、社名公表も

 6月1日、企業にパワハラの防止措置を義務付ける改正労働施策総合推進法が、大企業を対象に施行された。中小企業は、2022年4月から適用される。同法はパワハラを「行ってはならない」と明記し、事業主に対し、行為の禁止や処罰方針を明確にして従業員に周知するほか、相談体制の整備や問題発生後の適切な対応を求めている。
 同法の指針では、パワハラの例として、身体的な攻撃はもちろん、大声での威圧的な叱責、人格否定発言などの精神的攻撃、無視による人間関係からの切り離しなどを挙げ、その上で、従業員への周知啓発など10項目の防止措置を義務付けた。
 この義務を企業が対応しなくても罰則規定はない。だが、行政指導の対象にはなる。また、社名を公表される場合がある。
 この法改正を受け、オリンパスはパワハラを厳しく禁じる規定を就業規則に追加。ソニーも就業規則を変更した。セブン&アイ・ホールディングスでは、オンライン方式も取り入れて全社員に研修を実施する。
 連合の井上久美枝総合政策推進局総合局長は、社員だけでなく、就職活動中の学生やフリーランスら社外の人に対するパワハラの禁止などにも取り組むよう求めている。

9月入学 日本教育学会「丁寧な社会的論議が必要」と声明

 一般社団法人日本教育学会(広田照幸会長)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校長期化を受けて政府内で議論が始まった始業や入学時期の9月移行案について時間をかけた丁寧な社会的論議が必要であると考え、政府に対して拙速な導入を決定しないよう求める」との声明を発表した。3000人近い研究者らでつくる日本教育学会は学習の遅れなどの懸念があるなか「9月入学導入は状況をさらに混乱させ、悪化させかねない」と強調し、2021年4月の小学校入学を同年9月に変更した場合、世界でも異例の7歳5カ月で義務教育が始まるケースがあると指摘。移行期の5カ月分の学費が私立大学だけでも、1兆円近くにのぼるなどの問題点も挙げた。
 4月末に東京都の小池百合子知事や大阪府の吉村洋文知事らが「グローバルスタンダード」などを理由に導入を強く主張し、安倍晋三首相も「前広に検討」と発言に対し同学会の広田会長は「はっきり言って、教育の制度も実態もあまりご存じない方がメリットだけを注目して議論されている」と厳しく批判した。また「9月入学か何もしないかの二者択一ではなく、いまできることを提案したい」として、オンラインによる家庭学習のサポートや学習指導要領を今年度は特例としてスリム化するなどの案を挙げた。政府は4月末、関係省庁の幹部による勉強会を立ち上げ、必要な法改正などの課題整理を進めている。