教育再生実行会議の提言を受け、「小中一貫教育学校」(仮称)が制度化へ向けて動き出す。現在特例として認められている小中一貫教育の先行例のなかで、同じ校舎で9年間を過ごす「施設一体型」は一部で、多くは通常の小学校と中学校が連携する「分離型」だ。小中学校の距離が離れている場合は導入が難しく、一体型校舎を新築するには財源が必要だ。小中学校の9年間を通じて教えられる教員の確保も課題。提言は複数の学校種で教えられる新たな免許制度の創設も盛り込んだが、大学の教員養成課程の見直しなども必要になる。
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は7月3日、学制改革に関する提言を安倍晋三首相に提出した。不登校など、就学環境の変化に起因する課題の緩和策として、9年間の義務教育を一体として実施する「小中一貫教育学校」(仮称)を制度化する。3~5歳の幼児教育の質を向上させ、段階的な無償化も検討する。下村博文文部科学相は今月中に小中一貫教育学校の制度設計を中央教育審議会(中教審)に諮問する。政府は来年の通常国会で関連法改正を目指し、同学校は早ければ2016年度から導入される。
政府は厚生年金に入っていない中小零細企業など約80万社(事業所)を来年度から特定し加入させる方針だ。国税庁が保有する企業情報をもとに厚生年金に加入していない企業を調べ、日本年金機構が加入を求める。応じない場合は法的措置で強制加入させる。厚生年金は公的年金の一つで、会社員が加入する。労使折半で収入に応じた保険料を支払う仕組みになっているが、重い保険料負担を避けるために、加入を逃れている企業も少なくない。
文部科学省のまとめで7月2日、2015年度の全国の法科大学院の総入学定員は計3175人で、最低だった今年度よりもさらに634人少なくなる予定であることがわかった。最も多かった07年度(5825人)の54・5%にとどまる。定員を減らすのは、全国73校のうち北海道大(30人減の50人)や早稲田大(40人減の230人)など33校。削減幅が最も大きいのは同志社大(50人減の70人)だった。このうち島根大や大東文化大など13校は15年度から新たに募集を停止する。
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は、「夜間中学」の設置促進を、3日に安倍晋三首相に提出する提言の中に盛り込むことを決めた。夜間中学は就学機会の確保に重要な役割を果たしているが、設置校は8都府県で計31校(いずれも公立中)しかない。文部科学省は提言を受け、実態調査した上で支援策を検討する。
政府は、政財界や教育界の代表者を集めて教育改革の財源を議論する「教育サミット」(仮称)の創設に向けた検討を始めた。産官学が連携して財源確保に向けた国民的議論を起こすのが狙い。7月中にも安倍晋三首相に提出される教育再生実行会議の提言に盛り込まれる。サミットは国、都道府県知事、経済、教育界の有識者らで構成。開催時期、頻度など詳細は今後検討する。政府は将来に向けた人材育成の重要さと、そのための財源確保について世論を喚起する必要があると判断。教育サミットを開催し、国民の理解を求める方針だ。
政府の教育再生実行会議は6月19日、「6・3・3・4」の学制改革に関する第5次提言案を議論し、現行では特例として認めている小中一貫校の制度化や幼児教育の段階的な無償化などを改革の柱として盛り込むことを、おおむね了承した。 この日の議論では、「小中一貫教育学校」(仮称)を創設し、義務教育9年間の区切りや学習カリキュラムを、教育委員会などが弾力的に運用できるようにすることを大筋で認めた。
大学入試センター試験に代わる「達成度テスト(仮称)」のあり方を審議する中央教育審議会(中教審)は6月19日、同テストのうち一般入試の合否判定に活用される「発展レベル」について、2021年春に入学予定の受験生から導入するとの答申素案をまとめた。現在の小学6年生からが対象となる。推薦・AO(アドミッション・オフィス)入試への活用を想定している基礎レベルについては、中教審の高等学校教育部会が、発展レベルよりも早い時期に導入する方向で検討している。
下村博文文部科学相は6月16日、2015年度に大学院や学部などの新設を予定している公私立の大学や短大延べ60校の計画について、大学設置・学校法人審議会に審査を諮問した。答申は10月末ごろの見通し。公立大では、新潟県立大(新潟市)が大学院国際地域学研究科を、福山市立大(広島県福山市)が大学院教育学研究科などを新設するとした。