政府は6月7日、非正規雇用を対象とした資格制度を創設する方針を固めた。新たな資格は、非正規雇用の多い〈1〉流通〈2〉派遣〈3〉教育〈4〉健康――の4業種で、接客などの対人サービスに従事する人を対象とする。資格の認定は、厚生労働省から委託を受けた業界団体があたる。これまでに、日本百貨店協会(流通)、日本生産技能労務協会(派遣)、全国学習塾協会(教育)、日本フィットネス産業協会(健康)の4団体が政府の方針に応じた。6月下旬に決まる新成長戦略に盛り込む。
政府の教育再生実行会議がまとめた学制改革についての提言の素案の内容がわかった。3~5歳の幼児教育の無償化を段階的に進めることや、職業教育を行う高等教育機関の新設、「小中一貫教育学校」(仮称)の制度化などが柱。11日に開く会議で示され、7月に予定される提出に向けて協議を続ける。素案では、幼児教育について「生涯にわたる学びと資質・能力の向上に寄与する」として質の向上を提言。そのうえで、私立幼稚園の平均で年間約30万円かかる3~5歳児の教育について「無償化を段階的に推進する」とした。
政府は今年1月から始まった少額投資非課税制度(NISA)を拡充する方針だ。現在年100万円にとどまる非課税枠を200万円以上に拡大したり、税金がかからない期間を延長したりする案が浮上している。2016年にも実施する。1600兆円を超す家計の金融資産を株式市場に呼び込み、日本経済の成長力を押し上げる。政府が6月にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針=総合2面きょうのことば)に明記する。中長期的な成長マネーの供給を増やす方策として「NISAの拡充」を打ち出す。
大阪市立学校の校長の採用を「原則公募」とする今の制度が維持されることになった。大阪市議会は5月27日に「公募できる」と後退させる条例改正案を可決したが、橋下徹市長が審議のやり直し(再議)を求め、同30日に否決、廃案となった。大阪市議会で再議権が行使されるのは初めて。来春採用の校長を公募・研修する2800万円の経費は、今年度補正予算から削除されている。橋下市長はほかの事務費を工面して公募経費にあてる方針だ。
文部科学省は、市区町村の判断で公立の「小中一貫校」を設置できる制度の導入に向けて検討を始めた。現行の小学校6年、中学校3年の「6・3制」だけでなく、9年の義務教育期間を「4・3・2」や「5・4」と弾力的に運用し、地域の事情などに合わせた教育課程(カリキュラム)の編成が可能になる。政府の教育再生実行会議が議論中の「学制改革」提言にも盛り込まれる見通しで、同省は来年の通常国会に学校教育法の改正案を提出する方向だ。
司法試験の受験機会の制限を緩和する司法試験法改正案が28日、参院本会議で可決・成立した。法科大学院を修了した人が、修了後5年以内に受験できる回数を現行の「3回まで」から「5回まで」にする。法科大学院を修了しなくても受験資格が得られる「予備試験」の合格者に対しても、同様とする。司法試験の志願者は減少傾向が続いており、今年は5年ぶりに1万人を割り込んだ。若手弁護士の就職難などのほかに、受験回数の少なさも敬遠される一因とみられている。法務省は今回の法改正で志願者の数を回復したい考えだ。
中教審の担当部会は5月20日、第1回会議を開いた。メンバーは室崎益輝・神戸大名誉教授ら専門家22人。「防災教育」を学習指導要領に盛り込み、災害時に身を守る方法や日ごろの備えなどを学校の授業でしっかり教えようという議論をおこなった。各教科に分散している教育内容を整理し、学年に応じて身につけるべき知識や行動を示す考え。一定の授業時間を確保するため、防災教育の教科化も視野に入れる。今秋にも報告書をまとめ、学習指導要領の改訂内容を審議する別の部会に提出する。
厚労省は5月28日の産業競争力会議(議長=安倍晋三首相)に、働いた時間と関係なく、成果で賃金を決める仕組みを提案する。労働規制を所管する厚労省が導入方針を固め、6月末に改定される政府の成長戦略に盛り込む。厚労省案は、為替ディーラーやファンドマネジャーなど「世界レベルの高度専門職」を対象に労働時間の規制を外す。ただ、具体的な対象の範囲や年収条件は、労使代表が加わる厚労省の審議会で検討する。
沖縄県八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)の教科書採択問題で、下村博文・文部科学相は5月23日の記者会見で「違法確認訴訟は可能だが、あえて提起することはしない」と明言。理由について、地区割りの決定権がある沖縄県教委が竹富町を2市町から分離させたことを挙げ、「来年度以降は違法性が生じなくなる。訴訟に時間がかかること、途中から教科書を変えさせることが子供たちにとって望ましいかということも考えた」と説明した。
沖縄県教育委員会は5月21日、共同採択地区協議会が選んだ中学公民教科書を「保守色が強い」として拒否し、独自に調達した教科書を使っている竹富町教委を、石垣市、与那国町とつくる共同採択地区から分離すると決めた。県が30日に決定内容を告示した後、竹富町だけで新たな採択地区をつくり、来年度以降に使う教科書を単独で採択できる。