Category: 塾ニュース|地域教育

官民協働で子供たちに「生きる力」身につけさせる 瑞穂町フューチャースクール

8月17日から21日にかけて、『瑞穂町フューチャースクール』の夏期講習会がおこなわれた。瑞穂町フューチャースクールは、東京都の瑞穂町教育委員会が、町内にある2つの公立校で運営する学習教室である。本誌8月号でも取り上げたが、7月18日に瑞穂第二中学校で、7月27日には、瑞穂中学校で開校式があり、この8月から本格的に授業がはじまった。

瑞穂二中では生徒一人ひとりの学力に合わせたテキストを使用する

瑞穂二中では生徒一人ひとりの学力に合わせたテキストを使用する

その特徴は、町内に教室を持つ2つの学習塾と共同で運営されている点にある。株式会社明光ネットワークジャパンが運営する「明光義塾」は瑞穂中学校を、株式会社やる気スイッチグループホールディングスが運営する「スクールIE」は瑞穂第二中学校を担当し、オリジナルテキストを用いて、それぞれの塾の特色を生かした授業が行われている。また、中学1年から3年生の希望者全員を対象者とし、希望者は全員が受講できるようになっているのも特徴の一つ。教科は数・英の2教科だ。

瑞穂町フューチャースクールは、学力を向上させるだけでなく、子供たちに生涯にわたって学び続ける「生きる力」の素地を身につけさせることを目的にしている。そのため、授業だけでなく、家庭学習も重視し、保護者に対しても協力を求める。例えば、教育委員会が「瑞穂町フューチャースクール通信」というものを随時発行し、授業の様子などを保護者に向けて発信している。また、同スクールの開催日には、保護者の見学・参観を自由にしており、地域をあげて子どもたちを応援するしくみを作っている。

もちろん、保護者だけではない。

「あんなに真剣な顔で勉強してる姿見たことないな」

講師1名とティーチングアシスタント(TA)が数名つく瑞穂中の授業

講師1名とティーチングアシスタント(TA)が数名つく瑞穂中の授業

そう呟いたのは、授業の見学をしていた中学校の先生。担任している生徒が、真剣な顔つきで勉強に取り組んでいる姿を見て、微笑んでいた。中学校の先生も、このプロジェクトに大きな関心を持っているようだ。

瑞穂町フューチャースクールは、夏期講習を終えたあと、9月から月に2回授業が行われる。学校の冬休み期間には冬期講習会が行われ、来年3月まで計20回の授業が予定されている。

官民連携の取り組みが増加しているが、希望者全員が受講できることや、二つの学習塾が協働しているなど、全国的にも例を見ない方法で運営されている。この取り組みがどのような形で身を結ぶのか、来年の3月が楽しみだ。

公開シンポジウム「学びを科学する」開催

 実践に基づく研究結果などの意見が交わされたパネルディスカッション


実践に基づく研究結果などの意見が交わされたパネルディスカッション

8月8日(日)、同志社大学寒梅館(京都市)にて、国際教育学会(ISE)が主催する公開シンポジウム「学びを科学する」が催された。

ISEは、初等教育から大学院教育までの教育の質を向上させるために設けられ、現場での効果的な実践、またデータに基づく研究を重視している。今回は、「効果的な学習」、「教育の可能性を探る」、「考え方・癒し・能力の開発」といったテーマの三部構成。一般も参加できる公開シンポジウムで、それぞれの実践に基づいた研究結果の報告があった。

第一部の「効果的な学習」で発表した、龍谷大学付属平安中学校・高等学校 校長補佐の平井正朗氏は、「私立中高におけるエンロールメントマネジメントの効果」と題し、学校評価との関連の中から実践している同校の学校改革についての実践報告の一例を報告。その後の質疑応答も、時間の許す限り絶え間なく続き、参加者の注目の高さが伺えた。

平井正朗氏(龍谷大学附属平安中学・高等学校 校長補佐)

平井正朗氏(龍谷大学付属平安中学・高等学校 校長補佐)

第三部では、国際教育学会会長の西村和雄氏、京都大学基礎物理学研究所准教授の村瀬雅俊氏をはじめとした、各有識者によるパネルディスカッションがおこなわれ、最後まで活発な意見交換が展開された。

 

育鵬社の中学教科書、横浜市も大阪市も

横浜、大阪両市の教育委員会は5月8日、2016年度から市立中学校で使う社会科(歴史、公民)の教科書に育鵬社版を選んだ。大阪は初めてで、横浜は4年前に続く決定となった。中学校向けの教科書は、原則4年に1回ある国の教科書検定に合わせて選ばれる。公立学校については、各地の教委が8月末までに採択する。両市とも教育委員による多数決で決めた。全国の市で人口1、2位の横浜、大阪両市の市立中学生徒数は、計約13万5千人(国内全体の約4%)。昨年度の育鵬社の全国シェアは、歴史、公民とも約4%だった。

全国の高校の「鉄研」、京都に集う

鉄道研究部交流会の様子7月29日、30日の2日間に渡り、全国高等学校鉄道研究部交流会が龍谷大学附属平安高等学校(京都府)にて開催された。この交流会は2002年よりはじまり、今年で14回目を迎える。これまでは全国高等学校文化連盟で鉄道研究会が唯一ある神奈川県が主体で開催してきたが、今年度より全国高等学校総合文化祭の開催地に合わせて持ち回りで当番校を決めて実施することとなった。このため、2015年度の開催地である滋賀県に近い鉄道研究部のある龍谷大学附属平安高等学校(京都府)が主体となって企画を行うことになり、全国から各校の鉄道研究部の生徒が同校に集うこととなった。

京都の観光地になりつつある梅小路蒸気機関車館の見学後、現在、鉄道関係の仕事をしている、龍谷大学附属平安高等学校、雲雀丘高等学校の鉄道研究部のOB・OGからの講演。その後、在学生とOB・OGによる交流会などもあり、参加した生徒にとっては視野を広げることのできる会となった。なお、参加した学校は以下の通りとなる(抜粋)。

洛南中学・高等学校(京都府)、高田中学・高等学校(三重県)、相洋高等学校(神奈川県)、雲雀丘学園中学・高等学校(兵庫県)、龍谷大学附属平安中学・高等学校(京都府)他。

【速報】大阪偕星学園が甲子園初出場決める

夏の甲子園出場の最後となる49校目の代表校を決める大阪決勝戦が舞洲ベースボールスタジアムでおこなわれ、大阪偕星学園が4−3で強豪大体大浪商を下し優勝を決めた。大阪偕星学園は2013年春に此花学院から校名を変更。現在は、開成教育グループ(株式会社成学社)の太田明弘代表が理事長を務める共学校で、今春の大阪大会では決勝まで進んでいたが、今回夏の大会で初めて甲子園への切符を手にした。

東京都教委 育鵬社の教科書採択 中高一貫校で

東京都教育委員会は7月23日、都立中高一貫校の10校で来春から4年間使う中学生向けの歴史と公民の教科書に、育鵬社(東京)の教科書を採択した。また、都立特別支援学校の中学部(視覚障害を除く)22校で使う歴史と公民の教科書にも同社を選んだ。採択は教育長と5人の教育委員の無記名投票で、うち4人が同社を選んだ。前回(平成23年)は中高一貫校の歴史と公民、特別支援学校の歴史は育鵬社、特別支援学校の公民は自由社(東京)だった。

「日本語」教科化、国際人を養成へ 佐賀・鳥栖市

人口約7万人の佐賀県鳥栖市は今春から市内全ての小中学校の授業に全国でも珍しい「日本語」を新教科として取り入れた。鳥栖市内の全小中学校で一貫教育を行っており、9年間のカリキュラムを編成している。新教科の日本語は9年間の学びを貫く“心柱”に当たり、文部科学省の「教育課程特例校制度」の認定を受けて実現した。日本語の教科化は平成19年度の東京都世田谷区、21年度の新潟県新発田市に続き国内3例目。鳥栖でも教員らが苦心しながら小学校で低中高学年別に3冊、中学で1冊の教科書を2年がかりで編集した。

「日本語」教科化、国際人を養成へ 佐賀・鳥栖市

人口約7万人の佐賀県鳥栖市は今春から市内全ての小中学校の授業に全国でも珍しい「日本語」を新教科として取り入れた。鳥栖市内の全小中学校で一貫教育を行っており、9年間のカリキュラムを編成している。新教科の日本語は9年間の学びを貫く“心柱”に当たり、文部科学省の「教育課程特例校制度」の認定を受けて実現した。日本語の教科化は平成19年度の東京都世田谷区、21年度の新潟県新発田市に続き国内3例目。鳥栖でも教員らが苦心しながら小学校で低中高学年別に3冊、中学で1冊の教科書を2年がかりで編集した。

先端研究子どもに 体験、 六本木ヒルズで7月29日~8月6日イベント、MITメディアラボと協力

森ビルは7月29日~8月6日、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボと協力した子ども向けイベント「MIRAI SUMMER CAMP」を六本木ヒルズで開く。対象は小中学生。各回20~40人の参加を募る。発光ダイオード(LED)を使ったワークショップや食べ物のDNAを用いた実験など12のプログラムを用意する。 MITメディアラボの出身者のほか、パナソニックやグーグルなどの企業も参加して専門的な技術を指導する。プログラムは一部有料。

上野動物園で小学生向けサマースクール参加者募集

上野動物園(東京都台東区)で7月、動物の生態や動物園の役割が学べる小学生向けの「サマースクール」が開かれる。1、2年生は動物とふれあい、3、4年生は図鑑を作成。5、6年生は獣舎の掃除や餌の準備をするほか、飼育員の仕事を来園者に紹介する展示品を作る。7月24、25、28、29日で、定員は各日60人。無料。はがきか動物園のホームページから6月30日までに応募する(必着)。
みんなでつくるおもしろ動物図鑑コース

問い合わせは動物園(03・3828・5171)
webサイトはコチラ http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=22977