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アカリク、サイシードから大学内広告・キャリアイベント事業を譲受

 株式会社アカリクは10月1日、株式会社サイシードから、大学キャンパス内で学生と企業をつなぐ学内接点事業を譲り受けた。サイシードは同事業を切り離し、AIチャットボットやAI搭載FAQなどのAI事業へ経営資源を集中する。譲渡対象は、大学の学食で利用するトレイへの広告、研究室向けダイレクトメール、情報誌「Discover Magazine」、デジタルサイネージ、学内キャリアイベントなど。情報誌は年1回、65000部を発行している。既存の取引やサービス利用状況はアカリクが承継する。

 同事業は1991年に大学生協書店で配布するブックカバー広告として始まり、その後、研究室への採用情報提供や学内セミナー、学食トレイ広告へと拡大してきた。今回の事業譲受は、アカリクの山田諒代表取締役の就任後、初のM&Aとなる。アカリクは、大学院生や研究者向けの就職情報サイトに加え、大学内の常設キャリア支援拠点「アカリクラウンジ」を全国6拠点で運営している。今回の譲受により、オンラインの登録者基盤と、学食や研究室など日常的な学生接点を組み合わせる。

 教育・人材企業にとって、学生に情報を届ける経路そのものが競争資源になっている。大学市場でのM&Aが、コンテンツやサービスだけでなく、キャンパス内の接点獲得へ広がっていることを示す事例である。

慶應義塾 全教職員約1万1000人にNotion展開 利用者の約8割がAI機能を活用

 慶應義塾とNotion Labs Japan合同会社は、慶應義塾が進める「AIキャンパス構想」の共通基盤として、Notionの全学展開を始めた。2026年5月27日、非常勤を含む全教職員約1万1000人に利用環境を提供した。発表によると、2026年8月時点の直近90日間では、Notion利用者の約8割がNotion AIを利用し、AI機能の実行回数は25万回を超えた。全キャンパスの教職員を対象とした研修には延べ1000人以上が参加。実務適用段階の研修では、参加者の9割以上が自分の業務に合わせた仕組みを作成し、8割以上が実際の業務での活用をイメージできたと回答した。

 主な用途は議事録作成、情報の横断検索、ナレッジ・マニュアル整備、タスク管理である。単にAIサービスのアカウントを配付するのではなく、合同チームが基盤設計、研修、教職員ポータルの構築まで担った点が特徴となる。学習塾でも、本部と教室間の情報共有、講師用マニュアル、面談記録、教材情報の検索などに応用できる。ただし、個人情報や成績情報を扱う場合は、利用範囲やデータ管理ルールを導入前に定める必要がある。

早稲田大学、生成AIチャットを学生支援に活用 応答数は従来比約8割増

 SELF株式会社は9月28日、早稲田大学に導入した生成AIチャットボット「SELFBOT」の活用事例を公開した。早稲田大学は2025年4月から、学生向け情報サイト「Support Anywhere」など、学生・教職員向けの複数の情報提供チャネルで同サービスを利用している。従来は、職員がキーワードと回答文を事前登録するチャットボットを運用していたが、誤字や想定外の表現、自然な文章での質問に対応しにくい課題があった。SELFBOTではウェブページなどを回答の参照情報として登録し、文章形式の質問にも対応する。職員が回答文を個別に作成する負担も減ったという。

 同社が公開したインタビューによると、一定期間の利用状況を比較した結果、応答数は従来型より約8割増え、2倍弱となった。比較期間と応答数の実数は公表していない。

 大学側は月ごとに担当者を決め、会話ログから重大な誤回答がないかを確認。学生の質問を分析し、ウェブページ、回答設定、プロンプトの改善にも利用している。生成AIを問い合わせ対応だけでなく、利用者の困り事を把握する手段とした点は、学習塾の生徒・保護者対応にも参考となる。

中央国際高・沖縄中央高、日本福祉大学と教育連携 大学施設や特別講座を活用

 学校法人中央国際学園が設置する広域通信制高校の中央国際高等学校と沖縄中央高等学校は9月18日、日本福祉大学と教育連携に関する協定を締結した。締結式は同大学の東海キャンパスで行われ、9月28日に発表した。協定に基づき、両高校は日本福祉大学のキャンパスなどの施設・設備を教育連携施設として活用する。大学教員による特別講座も実施し、高校段階の学習と大学での専門的な学びを接続する教育機会を設ける。

 中央国際高等学校では近年、日本福祉大学へ進学する生徒が増えているという。これまでも同大学の教員がサポートキャンパスを訪れ、心理学入門などの出張授業を行ってきた。今回の協定は、既存の交流を施設利用や教育プログラムへ広げるものとなる。

 通信制高校では、生徒の多様な学習状況に対応しながら、卒業後の進路を具体的に示す取り組みが重要になっている。大学の施設や教員と接する機会を設ける今回の連携は、進路選択と学習意欲の双方を支える高大接続モデルの一例となりそうだ。

法科大学院等特別委員会、9月29日に開催 法曹コースなどを議論

 文部科学省は9月17日、中央教育審議会大学分科会の法科大学院等特別委員会を29日午後3時からオンラインで開くと発表した。議題は令和8年度の連携法曹基礎課程(法曹コース)と、大学分科会における新たな評価制度の議論など。会議の資料は28日をめどに文科省のウェブサイトへ掲載する予定だ。

 現時点で公表されているのは開催案内であり、法曹コースの変更内容や新たな評価制度の具体案は示されていない。会議は文科省の専用チャンネルでライブ配信される予定となっている。

 法学系への進学を希望する生徒を支える教育事業者にとって、法曹コースは継続して確認したい大学政策の一つだ。今回の案内だけを制度変更として受け止めず、まず配布資料で何が提案されるかを確認し、会議後の議論と区別して進路情報に反映する必要がある。

研究大学群の選定・継続評価案を提示 文科省と経産省、産学連携を重視

 文部科学省と経済産業省は9月17日、「産業競争力・研究力中核大学群」に関する会議資料を公表し、新たな研究大学群の選定と継続評価の案を示した。大学と企業が長期の共同研究や社会実装に取り組むための制度設計を、同日夕のワーキンググループで議論する。公表時点で選定基準が決定したわけではない。

 資料では、選定主体を単体の大学としつつ、採択後の取り組みでは他大学や研究機関との連携も認める方向を論点とした。大学には特定分野の研究力だけでなく、経営資源の配分、企業との大型プロジェクト、人材育成などを求める。支援期間中は3~5年ごとを目安に、共同研究の進捗や外部資金の獲得状況などを評価し、必要に応じて改善の助言や支援の打ち切りも検討する案だ。

 別添の令和9年度概算要求資料には、最大10件程度を15年程度支援し、初年度の要求額を2732億円とする構想が記されている。これは予算の成立額ではない。大学の強みを産業界との連携や博士人材の育成に結び付ける政策として、進学先を案内する教育事業者も、今後の採択要件と大学ごとの取り組みを注視したい。

中央大学に学生限定「知るカフェ」 低学年から企業と接点、キャリアセンターと連携

 中央大学と株式会社エンリッションは9月25日、中央大学後楽園キャンパスに学生限定のキャリア支援拠点「知るカフェ中央大学(後楽園)店」を開設する。中央大学キャリアセンターと連携し、低学年を含む学生が企業の社会人や採用担当者と日常的に交流できる場として運営する。「知るカフェ」のMARCHへの出店は今回が初めて。

 出店場所は、基幹理工学部、社会理工学部、先進理工学部などが入る後楽園キャンパス2号館の1階。学生は無料でドリンクを利用でき、企業と少人数で意見交換する「Meetup」などに参加できる。店舗運営には学生スタッフも携わる。

 同社によると、「知るカフェ」は東京大学や京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学などの大学内外で展開し、月間約5万人の大学生・大学院生が利用している。企業との交流会は年間約5600回で、利用者の約6割を大学1、2年生が占める。

 大学のキャリア教育と企業の採用広報を学内拠点で結び付けるモデルであり、教育機関と民間事業者が共同で運営するキャリア支援事業の広がりを示す事例となる。

総合型選抜、728大学が実施 私大入学者の61・7%が推薦・総合型

 東進ハイスクール・東進衛星予備校などを運営する株式会社ナガセは9月8日、学校推薦型選抜と総合型選抜の拡大をまとめた入試分析を公表した。2025年度に総合型選抜を実施した大学は、国公私立を合わせて728校となり、大学全体の93・6%に達した。私立大学では574校が実施している。

 入学者に占める学校推薦型・総合型選抜の割合は、私立大学で61・7%となり、一般選抜は4割を下回った。国立大学でも20・4%、公立大学では32・9%を占める。実施校の割合は、学校推薦型選抜が国立93・8%、公立99・0%、総合型選抜が国立92・6%、公立80・6%だった。

 文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型・学校推薦型選抜で、面接、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問などによる評価を必ず行うとしている。指定校推薦の一部などには例外がある。

 大学受験指導は、一般選抜向けの教科学習だけで完結しにくくなった。志望理由書、小論文、探究活動、面接、英語資格を含む複数の選抜方式を早期から組み合わせることが、塾の進路指導上も主要課題となる。

京都大学、若手研究者支援と業務組織を改革 研究時間の確保へ

 京都大学が、若手研究者の育成と研究力の強化に向け、研究支援体制や大学内の業務組織の改革を進めている。日本経済新聞が9月8日、若手研究者の研究時間を確保するため、明治期以来の研究組織を見直す計画として報じた。京都大学が8月28日に公表した「国際卓越研究大学 研究等体制強化計画」に関する総長メッセージでは、博士後期課程学生や若手研究者への支援、研究支援人材の強化、研究設備の共用化などを主要施策に位置付けている。

 業務面では、複数部局の事務を担う「デパートメントオフィス」や、研究者と専門人材による多職種協働チームを整備する。研究者が担ってきた管理・事務業務を見直し、研究や若手育成に充てる時間を増やす狙いがあるとみられる。博士人材や若手研究者の育成は、大学院への進学者確保や理系人材育成にも関わる。大学側が研究環境とキャリア支援をどこまで改善できるかは、高校生や保護者が大学・大学院を選ぶ際の判断材料にもなりそうだ。組織再編の具体的な規模や実施時期については、今後の大学発表を確認する必要がある。

文科省、大学院教育拠点支援に神戸大を採択 10件の申請から1件選定

 文部科学省は9月3日、2026年度「未来を先導する世界トップレベル大学院教育拠点創出事業(FLAGs)」の選定結果を公表した。国公私立大学からの10件の申請に対し、日本学術振興会に設置された委員会の審査を経て、神戸大学の1件を採択した。

 採択された事業は「科学技術革新博士人材育成のための国際協働・産学連携・異分野共創エコシステム構築」。国際協働や産学連携、異分野の共創を通じた博士人材の育成に取り組む。

 同制度は、国際的な教育拠点の形成と産学連携教育を進め、豊かな学識と国際性、高度な実践性を備えた博士人材の育成機能を強化するもの。大学組織内の資源配分の見直しなども通じて、質の高い博士人材の増加を図る大学院教育拠点づくりを支援する。

 公募期間は4月6日から5月29日まで。申請の内訳は国立大学6件、公立大学1件、私立大学3件だった。
文部科学省「選定結果」