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学生の地元定着率アップへ 高知大の申請が採択

文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」に、高知大学の申請が採択された。採択されたのは「まち・ひと・しごと創生高知イノベーションシステム」。学生向けには、地域と協働できる人材を育て、独自に「地方創生推進士」の認証制度もつくる。企業向けには、食品や観光分野での人材育成を支援するためのプログラムをつくる。国からは2019年度までの5年間で計約3億4千万円の補助を受ける。その間に、学生の県内就職率を26%(2014年度)から36%まで上げ、県内企業には16人分の雇用創出を目指すという。

「文系」学部、26大学が見直しへ

文部科学省は10月20日、全86の国立大が運営や改革方針をまとめた「中期目標・計画」の素案を公表した。人文社会科学系について、33大学・大学院が見直しを盛り込んだ。学部の新設や統合が目立ち、廃止はなかった。大学院を除くと、人文社会系学部がある約50大学のうち、26大学が見直す。横浜国立大は経済学部2学科、経営学部4学科をそれぞれ1学科に再編し、神戸大は2017年度に国際文化、発達科学の両学部を統合して新学部をつくる。茨城大は「人文学部」を「人文社会科学部」に改めて入学定員を削減する。

上野学園大 日本音楽史研究所

上野学園大学(東京・台東)が埼玉県草加市に置く日本音楽史研究所は、能楽や雅楽、仏教音楽など、明治維新より前の日本の音楽に関する史料を収集している。開設は1973年。楽器などを含めて約7万点を所蔵する。一つが1472年(文明4年)に高野山で印刷されたという仏教音楽の声明の楽譜。世界最古の楽譜は1476年にローマで印刷されたものとされていたが、それより4年早く日本で刷られていたと分かった。

太陽光から水素、変換効率世界一…宮崎大・東大

西岡賢祐・宮崎大工学教育研究部准教授(40)、杉山正和・東京大大学院工学系研究科准教授(43)、藤井克司・同大総括寄付講座特任教授(55)の研究グループが、太陽光発電で得た電力で水を分解し、効率よく水素を生み出すことに成功した。太陽光が持つエネルギー量の24・4%を水素に蓄えることができ、エネルギー変換効率は世界最高という。グループは「二酸化炭素を出さない水素を活用する社会の実現につながる」としている。

立命館大が「食科学部」 18年度開設

立命館大学(本部・京都市中京区)は10月14日、「食科学部(仮称)」をびわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)に新設すると発表した。2018年度の開設を目指す。定員は300人前後を想定。「食」を農学や栄養学からだけでなく、文化的な背景やビジネス、環境といった総合的な視点からとらえることができる人材を育成したいとしている。

地元に根付く人材を 島根大 定住推進に採択される

島根大は10月8日、文部科学省が行う「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」に、県立大や県立大短期大学部、松江工業高等専門学校と県、経済団体など計46機関が連携して行う、学生の定住推進事業が採択されたと発表した。同事業は、県内の全高等教育機関を地域の拠点と位置づけ、地元に根付く人材を育成するのが狙い。2019年度に、4教育機関の学生の県内就職率を、14年度の10ポイント増の45・1%にするほか、参加企業でインターンシップを経験する学生を130人増の473人にすることを目指す。

三重大レーモンドホール 国の登録文化財

「日本の近代主義建築の父」とされる建築家アントニン・レーモンド(1888~1976年)が設計を手がけた三重大学レーモンドホールは、三重大学キャンパスの南門の近くに建っている。戦後の木造モダニズムの先駆けとして国の登録有形文化財に指定されているが、昨年春に耐震改修した。照明や床タイルは設計図を参考に復元した。ホールは木造平屋建て約230平方メートル。南側は全面がガラス戸。外観はシンプルな切妻屋根だが、内部の柱や棟木、梁にはヒノキの丸太が多用され、装飾を排した簡素な造形美は木造モダニズム建築の出発点と評価される。

追手門学院大に「笑学研究所」

追手門学院大学(大阪府茨木市)は10月8日、「笑学研究所」を設立すると発表した。「お笑い」を歴史や芸術、心理学の観点から研究、教育する。日本笑い学会を設立した井上宏・関西大名誉教授を所長に迎え、市民講座やシンポジウムを企画。来年春に学生向けの教養科目「笑学入門」も開講する。目標は「笑学部」への昇格だ。

「地域」学部誕生続々 地方の国立大

地方の国立大学に「地域」を冠した学部が次々と誕生する。高知大に新設された地域協働学部。佐賀大の新学部は、地元のブランドである「有田焼」をはじめとする陶磁器産業を支える教育研究の一翼を担う。宇都宮大の新学部は2040年に栃木県民の4割近くが65歳以上になるとの試算にもとづき、高齢化問題に力を入れる方針。鳥取大では地域学部が中心になって、学生が過疎集落で高齢者からかつての農作業や暮らしぶりを聞き取って冊子にまとめた。来春には宇都宮大、福井大、佐賀大、宮崎大で新設される。

徳島大学に農系学部

徳島大学は来春、農学系学部「生物資源産業学部」を新設する。入学定員100人。微生物の医療への活用などを研究する「応用生命」、機能食品の開発などの「食料科学」、1次産業の効率化や6次産業化を学ぶ「生物生産システム」の3コースを設け、工学部などと同じ徳島市の常三島キャンパスで講義を行う。食品の機能性や生薬を研究する医薬系学部と連携する一方、起業・経営教育も導入し、従来の農学部との違いを打ち出す。幅広い知識と技術を身につけ、国際的な視野を持って活躍できる人材の育成を目指す。