日本から世界の主要学術誌に掲載された医学分野の基礎研究の論文数は高い水準にある。一方で研究が基礎研究に偏り、実用化が遅れていることが以前から問題視されている。政府もこうした事態を重くみて、てこ入れを進めている。文部科学省は2013年度から「未来医療研究人材養成拠点形成事業」として、全国10大学で基礎研究のシーズ(種)を実用化する人材を育てる教育プログラムの支援を開始した。千葉大、鳥取大、金沢大はプログラムで選ばれた。文科省は各大学での試みをモデルケースとして、全国に広げたい考えだ。
サンフランシスコで2014年に設立された総合大学が「ミネルバスクールズ at KGI」、初年度の入学生がたった28人の新設大学。創設者のベン・ネルソンはシリコンバレーで企業経営に携わり、産業界が求める人材と有名大学卒業生の間の適性ギャップや高額な学費に疑問を感じてミネルバの立ち上げを決意した。ハーバードやスタンフォードなどの名門大学から次々と優秀な教授がカリキュラム策定や学生指導に参加、背後に控えるベンチャーキャピタル(VC)の存在が知名度を押し上げる。
古くはイーベイ、最近ではツイッターなど名だたるIT(情報技術)企業の創業期を支えたVC、ベンチマーク・キャピタルがミネルバに12年に2500万ドル(約30億円)を出資。このため、同校は学校でありながら将来性有望なベンチャー企業のように語られる。