Archive for: 5月 2016

バレエ・ブノワ賞に日本出身オニール八菜さん

バレエ界の世界的権威、ブノワ賞の受賞者が5月17日、モスクワのボリショイ劇場で発表され、パリ・オペラ座バレエ団所属の日本出身のオニール八菜さん(23)が最優秀女性ダンサー賞に選ばれた。日本出身者の受賞は、2014年に最優秀女性ダンサー賞に輝いたスウェーデン王立バレエ団所属の木田真理子さん以来、2人目。
オニールさんは、ピエール・ラコット氏が振り付けた古典的な演目「パキータ」の主役の踊りが評価された。シュツットガルト・バレエ団所属の女性ダンサーとの共同受賞となった。

相模原市、2年連続で待機児童ゼロ 

相模原市は5月17日、2016年4月1日時点の保育所待機児童数がゼロになったと発表した。県内の政令指定都市では初めて2年連続の達成。利用申込者数が1万2000人台と過去最大となるなか、要望が大きい駅周辺での保育所整備などで受け入れ施設を拡大し対応した。4月1日時点の利用申込者数は1万2051人で、前年から721人増えた。利用児童数も1万1605人と同802人増え、いずれも過去最大だった。

日立、投融資を3年で1兆円に倍増

日立製作所は5月18日、2019年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を発表した。期間中の投融資額を計1兆円と、16年3月期までの前中計実績の2倍にする。IoTの研究開発のほか、電力やIT(情報技術)関連などのM&Aを進める。19年3月期の連結売上高は前期実績並みを見込むが、戦略分野の強化で利益率を引き上げる。19年3月期の連結ベースの業績目標は、売上高にあたる売上収益を10兆円(16年3月期実績は10兆343億円)に設定。営業利益率は8%超(同6.3%)、純利益は4000億円超(同1721億円)とした。

広島大学、復建調査設計と包括研究協力

広島大学は5月17日、建設コンサルタントの復建調査設計(広島市)と研究協力に関する包括的な協定を結んだ。人材育成や共同研究、セミナーの共催などで協力する。同社はこれまで同大学の工学研究科と連携してきた。今回の協定締結を契機に対象を全学に広げる。人材育成分野では復建調査設計がインターンシップの受け入れ対象を全学に広げる。同社は2014年にミャンマーに現地法人を設立しており、現地で4週間にわたり受け入れる。共同研究では国内での老朽化した社会インフラの再構築について実施する。

次世代EV電池、産学官で研究

経済産業省傘下の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月18日、トヨタ自動車、パナソニック、京都大学、日産自動車、ホンダの研究開発機関である本田技術研究所、三菱自動車、日立製作所、ソニー、東京大学、産業技術総合研究所、理化学研究所などと電気自動車(EV)に使う次世代蓄電池の実用化に向けた研究を始めると発表した。政府は2020年度までの5年間に150億~180億円を助成する。2030年度までに、1回の充電で東京~大阪間を走れるようにする。

都道府県名の漢字、小学校で必修に 文科省が新指導要領

文部科学省は5月17日、2020年度に導入する次期学習指導要領での国語のあり方を議論する中央教育審議会の会合で、都道府県名に使う全ての漢字を小学校で学習する案を示した。47都道府県名に使われている漢字のうち「茨」や「媛」など20字は現在、小学生は国語で学んでいない。常用漢字表は10年に見直され、都道府県名の漢字が全て加わっていた。新たに加わるのは「熊」「潟」など20字で、小学校で習う漢字は計1026文字になる。同省は今後、新たに加える漢字をどの学年で学習するかを検討していく。

期日前投票所、大学に続々 18歳選挙権の参院選

選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる参院選を前に、各地の選挙管理委員会が大学構内で期日前投票所の設置を進めている。引き下げで大学生はほぼ全員が有権者となる。低迷する若者の投票率アップを狙うほか、地域の有権者にも使ってもらう。公益財団法人「明るい選挙推進協会」によると、13年参院選の20代の投票率は33.37%で、全体(52.61%)を大きく下回った。若者の低投票率に歯止めがかからない中、多くの自治体は学生が身近に投票できる場所を設けるだけでなく、選挙に触れる機会を増やして政治参加を促したい考えだ。

複製の入試問題、データを削除へ 旺文社、法律違反の恐れ

旺文社(東京都)は5月16日、参考書づくりなどのために全国の大学や高校から提供を受けた入試問題をPDFデータに変換し、保管していたのは著作権法上の不備があったとして、関連データを全て削除すると発表した。PDFデータで複製保管したのは、2007年ごろ以降に提供された入試問題。出版物の編集などに必要だとして、原本を破棄してPDFデータで保存してきたが、著作権法上の複製権に抵触する恐れがあると判断した。PDFデータで保管することへの許諾も求めていなかったという。

鳥取大が計画案を発表

鳥取大は5月16日、地域学部と農学部を改組し、地域学部など3学部の大学院を統合して新研究科を設置する計画案を発表した。学部の改組は国の国立大学法人改革に対応したという。文部科学省に申請中で、認められれば来春実施する。

大阪府教委と株式会社mpi松香フォニックスが、 小学生向け英語学習プログラム『DREAM』を共同開発

大阪府教育委員会と株式会社mpi松香フォニックス(mpi)は、府内の公立小学校向け英語学習プログラム『DREAM』を共同開発した。mpiは、英単語の綴りと音の規則性を学ぶフォニックス学習法を基にした英語学習教材を開発、販売する会社で、公立小・中学校をはじめ、全国約450のmpiパートナー教室や各地の英語スクールなどに導入されている。このプログラムについて、同社の竹村千栄子代表と教育事業部 学校営業推進統括の高塚勝久氏に話を伺った。

mpi

mpi松香フォニックスの竹村千栄子社長          高塚勝久氏

プログラムの開発を終えたそうですが、今後の展開を教えてください。

switch-on竹村 今回の開発は、府の事業に参画し、公立小学校向けの英語学習プログラムを新たに作り出すという、非常に夢があると同時に、大きな責任・使命感を感じるものでした。今後は、大阪府内でのプログラム導入をサポートします。 加えて、共同開発したこのプログラムは、府教委が取り組まれる府内の公立学校以外については、弊社のプログラムとして商品化し、販売することが可能となっております。大阪府教委版が「DREAM」、弊社版は「小学校英語 SWITCH  ON!」(右図)です。この映像教材をできるだけ多くの小学校に活用していただけるよう、活動していきます。

 

このプログラムが及ぼす影響をどうお考えですか?

竹村 多くの方が、今すぐ小学校で英語学習をはじめるのは難しいのでは?と考えていると思います。ですが、府教委がめざす学びのスタイルを、実践研究を通じて見て、「これならできる。」「この方法しかない!」と、感じました。

高塚 最大のポイントは、公教育へのフォニックスの導入だと思います。これまでですと、フォニックスを導入したいと思っても、誰がどうやって教えればいいのかわからないという課題がありました。しかし、このプログラムでは、児童が、できるだけ多くの英語を見て聞いて、自分で気付いていく。先生も児童と一緒に楽しみながら、学んでいく。これが普通にできるのです。公立小学校で、フォニックスに触れながら、英語を学ぶことになると、同じことをしている塾は変化を迫られることになるでしょう。小学校で何が起きているのか、しっかりと把握して、対応を検討していかなければならないでしょう。

竹村 本プログラムの本質は、いうなれば「先生が教えないプログラム」です。この本質を理解していただければ、ご用意したシナリオ案は、あくまでご提案なので、学校やクラス、児童の状況を見ながら、モジュール活動の内容をカスタマイズすることも可能です。こうした高い汎用性も、本プログラムの強みです。

小学校英語への取組みについて、お悩みの学校も多いと思います。このプログラムでその解題を解決し、日本の将来を担う子どもたちの英語学習のお役に立ちたいと考えています。

 

『DREMA』の開発について、大阪府教育委員会事務局 教育総務企画課の中原淳太・教育イノベーション特命グループ参事に聞いた。

中原淳太氏

中原淳太氏

このプロジェクトは、グローバル人材の育成を視野に入れた大阪府の英語教育改革の一環として、小学校1年生からコミュニケーションツールとしての英語にできるだけ多く触れてもらい、英語の4技能をバランスよく習得するための素地を築くことをねらいとするものです。小学校の実態を踏まえ、英語を専門としない学級担任によるモジュール活動で児童の学びを支える仕組みを作るといった野心的な取組みで、府教委の構想をもとに、2014年7月から民間事業者と共同で開発をスタートしました。同年9月からは、府内7市町立の16の小学校で実践研究を開始し、プログラムの根幹となる、「担任による活動」と「同じ学習素材に毎回違った視点で触れ、学びを積み重ねていくラウンドスタイル」について、試行錯誤を繰り返しました。

大阪府内の小学校でのモジュール活動の様子

大阪府内の小学校でのモジュール活動の様子

当初、動画(アニメーション)を見た児童は、シンプルで分かりやすい内容のため、話の大筋をすぐに理解できてしまい、現場から「簡単だ」という声が届けられました。ですが、場面・状況に応じた機能としての表現が習得できたというものではありません。

例えば、子どもが朝起きて目をこすっている場面を見れば、「この子は眠たい。」という場面は理解できますが、そのときの表現(“ I’m  Sleepy.”)と結び付けることがポイントです。このことを念頭に、活動のシナリオ案を6カ年分(全627回分)を整備しました。

また、「プログラム」と呼んでいるのは、6年間の体系的な学びをデザインし、小学校での学びのサイクルとなる学期を単位に、テーマ、ねらいと目標を設定しているからです。これに使用する学習素材の解説を加えた「学びのガイドライン」も作成しました。担任の活動に奥行と深さを提供できればと考えています。

コンテンツは、いわゆる「英検5級相当程度」と言っています。小学生の社会性、価値観等に照らし、触れておくことが望ましいと考える英語を整理すると、概ねこの水準が基本となるということです。毎回10 分から15分の活動を1週間に3回、6年間絶え間なく、積み重ねていくことで、児童は無理なくその多くを吸収できるでしょう。

 

【註釈】『DREAM』の正式名称は、「大阪府公立小学校英語学習6カ年プログラム」、英語名称を「Osaka Program Designed for Real EnglishAcquisition by Modules」としている。その略称・愛称として「DREAM」というパッケージ名称がつけられた。DREAMには、児童が夢や希望を膨らませ、国際コミュニケーションツールとしての英語を使って、自分の夢〝DREAM〟を語ることができるような姿を1つの目標に、小学校での6年間の英語学習をサポートするという意味も込められている。

 

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〈外部リンク〉
mpi松香フォニックス ウェブサイト
www.mpi-j.co.jp