Archive for: 9月 2016

古田織部に「武家茶」指示、秀忠か 親族の家譜に記述

 武将で茶人の古田織部(1615年没)の親族の家譜に、徳川秀忠が織部に格式を重んじる武家流の茶法を定めるよう命じたとする記述があることが9月15日、古田織部美術館(京都市北区)の調査で分かった。これまで、千利休に代表される町衆の茶道に代わる武家茶道(大名茶)を定めるよう織部に命じたのは、豊臣秀吉とされてきた。

 江戸幕府2代将軍となる直前の慶長10(1605)年4月、秀忠は京都の織部宅を訪問した。家譜によると、その際「利休の伝える茶法は武門の礼儀が薄い。その旨を考えて茶法を改め定めるように」と命じた。織部は新たに武家流の茶法を定め、諸大名はその茶法を伝えたと書かれている。

全国学力テスト公表は29日 文科省

文部科学省は9月15日、小学6年と中学3年の全員を対象に今年4月に実施した平成28年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を、29日に公表すると明らかにした。当初は8月25日の公表予定だったが、中学校のデータ集計を委託した業者に集計漏れのミスがあり、数値の修正のため延期していた。全国学力テストは19年に学年全員を対象としたテストとして43年ぶりに復活し、今年で10年目。公表日が延期されるのは初めてだった。

「出産後も仕事」5割超 過去最高 「出生動向基本調査」

第1子出産後も仕事を続けている女性の割合が53.1%と初めて5割を超えたことが9月15日、国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」で分かった。15歳未満の子供がいて現在無職だが就業意欲のある妻は8割を超えた。2010~14年に第1子を産み、出産後も仕事を続けている女性は05~09年の40.4%から12.7ポイント増えた。第1子出産時に育児休業制度を利用している女性は10~14年は39.2%で、05~09年の27.1%から12.1ポイント増えた。第2子出産時に育児休業を利用した女性の割合も51.1%(前回調査43.2%)で、第3子でも44.6%(同30.7%)と急増した。

 同調査は原則5年に1度実施しており、今回は昨年6月に実施。妻の年齢が50歳未満の初婚同士の夫婦6598組の回答を分析した。

 また15歳未満の子供がいる夫婦で現在無職の女性が就職を希望するのは86%。「すぐにでも働きたい」と回答したのは19.1%で、0~2歳の子供を持つ女性でも12.4%、3~5歳でも17.8%で、6~8歳では22.8%に上った。

新長野県立大、認可申請へ

2018年4月に開学予定の「長野県立大学」(4年制)について、県は9月14日、文部科学省に10月31日付で設置認可申請する方針を明らかにした。この日開かれた有識者の県立大学設立委員会で、県側が説明した。文科省への申請後、順調に進めば17年8月に認可される見通しという。キャンパスは長野市にある県短大(18年度から学生募集停止)の校地を活用し、旧長野市立後町小学校跡地には全学生が1年次に入る学生寮も設ける。2年次には全学生に「海外プログラム」を受けてもらうなど新大学の特徴を打ち出す。

隠れ待機児童、都内に1万9千人 国が詳細公表

厚生労働省が待機児童をめぐる詳細を今月公表し、都内で認可園に入れなかった「隠れ待機児童」が4月現在で約1万9千人いることがわかった。区市町村が公表してきた待機児童数の2・2倍となる。厚生労働省によると、都内の隠れ待機児童は1万8719人。都内では認可園の整備が進むが、前年比で2234人増えていた。待機児童は8466人(前年比652人増)だった。

夫婦控除、18年1月にも 政府・自民検討

政府・自民党は専業主婦世帯を優遇する所得税の配偶者控除を見直し、共働き世帯の税負担も軽くする「夫婦控除」を早ければ2018年1月にも導入する検討に入った。適用対象の年収は800万~1000万円など一定の上限を設ける方向。現在、配偶者控除は妻の年収が103万円以下であれば、夫の課税所得から38万円を差し引ける。制度の見直しは、労働力不足が経済成長の足かせとなる中、働く意欲のある女性の社会進出を促す狙いだ。12月にまとめる17年度の与党税制改正大綱に盛りこみたい考えで、政府・与党内での調整が本格化する。

男性国家公務員の育休取得9.5%

人事院は9月13日、2015年度の国家公務員の育児休業取得状況を発表した。妻の出産に伴って育休を取った男性の割合は、前年度比4ポイント増の9・5%で、1992年度に育休が制度化されて以降、最高を記録した。女性の取得率は前年度より0・7ポイント増え、100%になった。取得期間については、男性の62・7%が「1カ月以下」だったのに対し、女性は「12カ月超24カ月以下」が34・8%、「24カ月超」19・2%で、大きな違いが見られた。

未来投資会議が初会合 政府

政府は9月12日、成長戦略の新たな司令塔となる「未来投資会議」(議長・安倍晋三首相)の初会合を開いた。未来投資会議は人工知能(AI)の開発加速を柱とする第4次産業革命の推進などに取り組む。2017年1月をメドに構造改革の総点検や技術革新に向けた課題を整理。17年年央に成長戦略をまとめる。今回のテーマは建設現場での生産性革命。国が主導して公共工事の3Dデータを一元的に収集し、3年以内に民間も活用できるデータの公開を目指す。技術革新を広い分野で推進するため、今後も業界、分野ごとに具体的な議論を進める。

あん摩師の養成施設「新設認めて」 学校法人が国を提訴

視覚障害がない人を主に受け入れる「あん摩マッサージ指圧師」の養成施設の新設を認めないのは、憲法が保障する「職業選択の自由」を制限しているとして、大阪市の学校法人が国に認定を求め、大阪、東京、仙台の各地裁に提訴した。国は「視覚障害者向けに確保すべき職業」として認定しておらず、法人側は9月9日に大阪地裁で開かれた第1回口頭弁論で「根拠があいまい」と訴えた。

 原告は「平成医療学園」とその関連法人。訴状によると、法人側は昨秋、厚生労働省と文部科学省に対し、健常者と弱視者を対象にしたあん摩マッサージ指圧師の養成課程の導入を申請したが、今年2月までに不認定とされた。

東南アで「日本式教育」 企業進出、人材育成で支援

東南アジアで現地に進出する日系企業向けの人材を育てるための教育機関が増えてきた。ベトナムでは9月9日、日越政府による大学院はハノイにあるベトナム国家大学内に開設した。東大、京大、阪大らと連携し、環境、ナノテクノロジー、公共政策などの修士課程を設ける。73人が学び始める。9月下旬にはカンボジアに中学校までのインターナショナルスクールが始動する。日本政府は日本の大学と連携して規律や協調性を重んじる教育システムの輸出を支援し、アジア展開を拡大する日本企業のニーズに応える。