Archive for: 2月 2017

月刊私塾界2017年3月号(通巻431号)

巻頭言

新年度授業料はどうされただろうか。講師募集費や人件費の上昇から、値上げせざるを得なかった――値上げしたかった――のではないか、と推察する。その結果や効果は如何に。
近年多くの学習塾が授業料を値上げしていることは、「学習塾白書2016」からも分かる。
しかし、単純な値上げが許される甘いご時世ではない。読者諸兄の学習塾では、どのような対策を採るのであろうか。
 一つ参考になる例がある。モスバーガーが実施した値上げ対策だ。
15年5月、食材の原料費や人件費の高騰により、定番商品を約10%値上げした。ライバルのマクドナルドに比し、元々価格が高いにもかかわらずに、である。
 前年後半マクドナルドが、鶏肉の期限切れ問題や異物混入騒動から、客足がモスバーガーに向きつつある追い風は吹いていた。しかし、値上げはそれを止めかねない。
そのような環境下、採った対策は基本を徹底することであった。しかも非常にシンプル。
その内容は、調理の仕方からハンバーガーを上手に紙に包む方法に至るまでの手順を、全てのスタッフで確認し、徹底するための「製造勉強会」を全国で展開したのだ。これまでのマニュアルには無い部分にまで及ぶ。
 そして、この勉強会は意外な効果を齎す。スタッフが、自らが提供する商品の良さに改めて気付き、自信を持って客に販売できるようになった、というのだ。
やはり何事も「凡事徹底」である。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp01 あすなろ学院(株式会社学研スタディエ)
  • 20年、30年先を見据えた大改革

  • 8 シリーズ 格差社会と向き合う②
  • 松戸市子ども支援課、エデュケーショナルネットワーク、
    さいたまユースサポートネットの取り組みを追う

  • 14 HOT TOPICS どうしてる? マイナンバーの収集と管理
  • 16 挑む私学 育英西中学校・高等学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 42 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 44【特集①】公開企業塾2017年度 2月・3月期第3四半期決算を読む
  • 52【特集②】塾の働き方改革
  • 64 TOP LEADER Company 株式会社スプリックス
  • 個別指導塾から自立学習塾へ、顧客ニーズを先取り。

  • 72 教育サービス業界 企業研究(53) 株式会社文理
  • 75 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(278)
  • 76 疾風の如く(92)キッズスター★イングリッシュ(東京都)
  • 望月 宏典さん

  • 78 好機到来(23) ブルーフォグ・ソリューション株式会社 代表 吉田光広さん
  • 80 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(47)
  • 82 白書界隈徘徊話(24) 西村克之
  • 84 自ら動き出すチームにする方法(30) 中谷彰宏
  • 86 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(44)
  • 87 芸術見聞録(44)
  • 88 高校生からの子育てハイウェイ(23)
  • 89 クロスワードパズル「塾長の机」
  • 90 為田裕行の「教育ICT行」(24)
  • 92 新・授業改革を目指して(95) 石川幸夫
  • 94 林明夫の「歩きながら考える」(139)
  • 96 咲かせよ桜(28) 小林哲夫
  • 100 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(47)
  • 102 論点2017(3) PISA2015とTIMSS2015の結果
  • 106 編集後記
  • 108 Book Review
  • 110 塾長のためのガジェット講座
  • 読書時間「0分」大学生の49.1%

    第52回学生生活実態調査を全国大学生活協同組合連合会が2月23日に発表した。
    調査項目の概要属性は、
    ・住まい
    ・大学生活(登下校時刻・サークル・就職など)
    ・日常生活(生活時間・悩み・政治への関心など)
    ・経済生活(暮らし向き・アルバイト・奨学金・1ヶ月の生活費・半年間の特別費など)
    ・大学生協について(店舗の評価・活動の認知)
    ・大学生協や大学への意見
    となっており、全国の国公立および私立大学の学部学生を対象とし回収数は10,155(30大学・回収率33.1%)

    ■学生の経済状況
    「小遣い」「仕送り」減少も「アルバイト」で生活の充実をはかる
    今の生活は「楽」であるが、将来の不安のために「貯金」はかかせない結果となる。

    ■暮らし向き
    暮らし向き「楽」は引き続き半数以上
    「苦しい方」は減少するも、「大変苦しい方」が1.4%と少数だが一定数が存在している。

    ■アルバイト
    就労率、収入金額ともに前年より増加基調となる。

    ■政治への関心
    政治への関心は低下、日本の未来に対する展望も減少。
    下宿生の4割が住民票を移さず投票しなかった参議院選。自宅生は75.2%が投票。

    ■読書時間・勉強時間
    読書時間「0」は49.1%に。平均時間も短縮
    アルバイト時間が読書・勉強時間にも影響か。

    詳しい情報は全国大学生活協同組合連合会の第52回学生生活実態調査の概要報告

    CCCとMistletoeが新会社設立 未来の子どものための新しい教育プラットフォーム事業を開始

    カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下CCC、東京都渋谷区、増田宗昭社長兼CEO)と21世紀の課題を解決するスタートアップ育成事業を手がけるMistletoe株式会社(以下ミスルトゥ、東京都港区、孫泰蔵社長兼CEO)は、子どものための新しい教育プラットフォーム事業を行う、T−KIDS株式会社(以下T−KIDS、東京都渋谷区、尾花佳代社長)を設立し、3月2日にオープンする柏の葉T−SITE(千葉県柏市)にて、『T−KIDSシェアスクール』をスタートする事を発表した。

    『T−KIDSシェアスクール』では、テクノロジー、探究・理数、英語・外国語、文化・芸術、フィジカル、Baby&Toddler(乳児&ママ、幼児のクラス)のクラスを展開する。クラスは、週1回、月1回など定期的に通う「継続クラス」、1回単位で気軽に通える「イベントクラス」の2タイプがあり、それらを自由に組み合わせ、選ぶことが可能。

    CCCは株式会社TSUTAYA、出版・及びコンテンツ事業を手掛けるカルチュア・エンタテインメント株式会社、データベース・マーケティング事業を手掛けるCCCマーケティング株式会社の、3事業会社のホールディングカンパニー。

    ミスルトゥは、出資・研究開発・スタートアップとの共同創業・エコシステムの構築などを行う。スタートアップや様々な才能を持った人たちの成長を加速させ、未来につながるイノベーションを数多く生み出し、さらにそれらを組み合わせて化学反応を起こすことによってコレクティブ・インパクトを生み出すことを目指している。

    高校生を対象としたエコノミクス甲子園は石川県代表 金沢大学附属高等学校が優勝

    マニュライフ生命保険株式会社がメインスポンサーとして協賛する、全国の高校生を対象とした金融教育クイズイベント「マニュライフ生命カップ 第11回全国高校生金融経済クイズ選手権 エコノミクス甲子園 全国大会」(主催:認定NPO法人 金融知力普及協会)が2月5日(日)、東京都内で開催され、石川県代表の金沢大学附属高等学校(以下「金大附属」)が全参加48チームを制して優勝しました。金大附属チームには優勝トロフィーと、副賞としてニューヨーク・ボストン研修旅行が贈られ、研修旅行では、ニューヨーク証券取引所やマニュライフ生命のグループ会社ジョン・ハンコックの本社を訪問する予定。

    地方大会を含めた予選には合計447校2340人が応募し、全国大会には地方大会とインターネット大会を制した47チームと、中国からの海外招聘チーム1チームを加えた48チーム(全96名)が出場。

    全国大会に出場した高校生は、前日に実施された筆記試験形式のクイズとチーム対抗プレゼンテーションを経て、決勝ラウンドに臨んだ。決勝戦には「石川県代表:金大附属」「新潟県代表:新潟県立新潟高等学校」「北海道代表:北海道札幌南高等学校」「兵庫県代表:灘高等学校」の4チームが勝ち残り、金大附属が優勝を果たした。

    中学入試 目立った出題は「選挙」や「世界遺産」など 朝日小学生新聞調査

    朝日小学生新聞編集部が全国の国立・私立中学50校あまりの入試問題をチェックし、出題の内容を調べた。特に時事問題は多くの学校が出題する。

    ■選挙権年齢引き下げで出題増 「核」に関連する問題も幅広く出題
     出題されたテーマでめだったのが「選挙」。2016年の夏に実施された参議院議員選挙(参院選)が、投票できる年齢が「満20歳以上」から「満18歳以上」に引き下げられて初めての国政選挙だったことから、多くの学校で選挙権年齢の「18歳」を出題した。また、大阪・四天王寺中では参院選の結果について正しい答えを選択させ、東京・桜蔭中では国政選挙だけではなく地方議会の議員を選ぶときの選挙権年齢として「18歳」を選ばせた。選挙権をあたえられる資格(条件)についての問題もよく出題された。
     「核」に関連する出題もめだち、東京・学習院女子中等科ではアメリカのオバマ大統領(当時)による被爆地の訪問を切り口に「非核三原則」についての記述問題、原爆ドームが「負の遺産」といわれる理由についても答えさせた。

    ■世界遺産や英国のEU離脱 理科は「ニホニウム」や「オートファジー」など
     「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献」がユネスコの世界文化遺産に登録されたというニュースもめだった。神奈川・慶応普通部では日本にある登録作品の名前や、2つの都道府県にまたがる世界遺産を東から順に並べさせるという出題。東京・開成中では、作品がある7か国のうち4か国について説明した文章と世界地図を示し、説明にあてはまる国名と位置を答えさせた。
     「イギリスがEUから離脱へ」というニュースも取り上げられた。千葉・渋谷教育学園幕張中では、この出来事の説明について正誤を判断させた。
     理科では理化学研究所がみつけた元素「ニホニウム」について、千葉・東邦大学付属東邦中や東京・麻布中が名称などを出題。また、ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典さんのオートファジーのしくみも東京・学習院中等科などが取り上げ、どのような研究内容か選ばせる問題がありました。

    さらに詳しくは、2017年2月12日の朝日小学生新聞に掲載されている。
    朝日学生新聞社のウェブサイトは www.asagaku.com

    賞金は 500 万ドル。人間レベルの人工知能開発に挑戦する 「汎用人工知能チャレンジ (General AI Challenge)」がスタート

    「汎用人工知能チャレンジ(General AI Challenge) [https://www.general-ai-challenge.org] 」の概要が、公開された。
    汎用人工知能とは現在の人工知能の機能は「囲碁」や「画像認識」のような特定の問題解決に特化しているのに対して、人間のように多様な問題に対して柔軟に対応する能力を実現したものが汎用人工知能と呼ばれる。

    「汎用人工知能チャレンジ」はチェコの人工汎用知能(Artificial General Intelligence) 研究開発会社、グッドエーアイ(GoodAI)[http://www.GoodAI.com] の主催するコンペティション型の人工知能プロジェクト。このチャレンジは、人間レベルの人工知能開発に取り組むために設けられ、今後数年間にわたる一連のコンペティションを通じ、合計500 万ドル (約 5.6 億円)の賞金が授与される。

    チャレンジには、国内外を問わず、個人でもチームでも参加可能となり、世界中の研究者やプログラマーの参加を呼びかけている。 「汎用人工知能チャレンジ」の詳細は、下記URLより確認ができる。 https://www.general-ai-challenge.org

    違法天下り問題 中間まとめ 37事案中26事案は違反

    文部科学省は2月21日に「文部科学省における再就職等問題に係る調査報告」を発表した。組織的あっせん構造の更なる調査や再就職等監視委員会の報告で指摘された職員の関与した37個別事案に関する調査について、ヒアリング結果等を踏まえて事実関係を整理し判明した事実等をまとめたもの。

    特定OB(嶋貫氏)を介した再就職あっせんの構造解明については
    ・複数の人事課任用計画官が異動に当たり再就職等に係る作 業を引き継ぐ際のメモが確認された。
    ・職員や職員OBの再就職については嶋貫氏が中心となって調整を行っていること及びその調整がどのように行われるかが少なくとも人事課任用計画官には認識されていたと認められる。

    再就職等監視委員会から指摘された個別の事案については
    ・再就職等監視委員会から指摘された37事案について、国家公務員法第106条の2 第1項の規定等に違反すると考えられる事案は26事案、同規定等に違反する行為が現時点で確認できなかった事案は11事案である。

    その他調査の進捗状況と今後の取組は
    ・中間まとめで記載したあっせん構造及 び個別事案の内容について,新たな事実等が判明した際には,それを加味 してその内容の追加・修正を行う。
    ・再就職等監視委員会で指摘された 事案にとどまらず,徹底した調査を行う予定である。
    ・再就職等問題の全容解明に向け,3月末を目途に最終報告 をまとめていく予定。
    とまとめた。

    東京都庁、職員の昼休み分散取得

    東京都は4月から職員の昼休みの時間帯を選択制とする。休憩を一律で午後0~1時としていることによる庁舎内の混雑を緩和。あわせて食堂も交流スペースとして自由に使えるようにするなど職場環境を改善して生産性を高める。昼の休憩時間を月単位で
    (1)午前11時半~午後0時半
    (2)午後0~1時
    (3)午後0時半~1時半
    の3つの時間帯から選べるようにする。小池百合子知事が旗を振る働き方改革の一環で「都庁舎昼休み改革」と銘打つ。3月から一部の職場で試行し、4月から本格実施する。

    5G実用化に向け、KDDI セコムと、警備システムを共同開発

    KDDI(au)は22日、5Gサービスを2020年から商用化すると発表。5Gは現在主流の「LTE」と比べ、通信速度が100倍、通信容量が1000倍になる。現行のLTEよりも高精細な画像でリアルタイム監視するセコムと共同のセキュリティーシステムなど、高速大容量や低遅延という5Gの特徴を生かし、さまざまな企業と提携したサービスの実現を目指す。

    ビックカメラが 保育所 池袋に

    ビックカメラは5月26日に池袋駅から徒歩10分の場所に認可外保育所「BIC KIDS」を開く。年中無休で、開園時間は店舗での勤務時間に対応しやすいように午前8時から午後9時までとした。定員は30人。従業員のほか近隣の住民も利用できる。まず0~5歳児を対象に池袋本店(東京・豊島)などで働くグループの従業員の子どもを中心に受け入れる。女性や子育て世代の従業員が増えるなか、育児支援を通じて人材確保にもつなげる。