Archive for: 2月 2020

月刊私塾界2020年2月号(通巻466号)

巻頭言

1月9日、文部科学省が各市区町村教育委員会における小学校プログラミング教育に関する取組状況等調査の結果について発表した。都道府県により準備状況にバラツキがあることが判明した。福島県などでは2割以上の教委が「最低限必要な指導体制の基礎が整っていない」(文科省)。4月からの実施が危ぶまれる状況だ。やはりとの思いが強い。

 驚くのはアンケートの質問である。①行っていない、行わないと把握 ②一部の学校の教員が実施済み、あるいは年度末までに実施予定と把握 ③各校1人以上の教員が年度末までに実施予定と把握 ④各校1人以上の教員が実施済みと把握、とある。準備ができているという学校でも、1人以上の教員とのことだ。1人の教員が全学年全クラスでプログラミングの授業を行うのではない。各学校ではその教員が他の教員を研修することになっているが、どの程度実施されているのか不安だ。

 更に、文科省はウェブサイト上で、具体的な指導事例や研修教材などを紹介していると言い訳しているが、全くなっていない。是非サイトを見ていただきたい。制度を作り、模範例を示し、後は現場で努力、工夫してください、である。現場の混乱は必至だ。学校間格差も、クラス間格差も起きる。

 本欄でも何度かプログラミング教育導入について扱った。自塾での準備に関しても警鐘を鳴らした。変化はチャンスとも述べた。 今からでも遅くはない。是非子どもたちのために準備を始めて欲しい。

(如己 一)

目次

 8 CatchUp① 誉田進学塾+東進衛星予備校

12 SPECIAL REPORT ① 受験生だからこそ食育を! ALCSが『塾の日ごはん食育講座』を開催

16 挑む私学 同志社香里中学校・高等学校

  100年時代を見据えた両親教育を推進

19 目次・巻頭言

20 NEWS ARCHIVES

44 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~

45 【特集】『学習塾白書2019』を読む

56 SPECIAL REPORT ② 私塾界 PREMIUM SEMINAR 2019

72 教育サービス業界 企業研究(86) 株式会社しくみデザイン

75 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(313)

76 疾風の如く(127)

  大学受験 Kawaiラボ(大阪府)

  主宰 河井 昌裕 さん

78 好機到来(58)

  学習塾 ies(イース)

  塾長 江並 龍介 さん

80 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(81)

82 白書界隈徘徊話(59) 西村克之

84 自ら動き出すチームにする方法(65) 中谷彰宏

86 塾の家計簿(33)

88 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(79)

89 芸術見聞録(79)

90 ぼくの幼児教育考(20)

91 塾長の机

92 為田裕行の「教育ICT行」(59)

93 1981(11)

95 Opinion from School(8)

96 林明夫の「歩きながら考える」(174)

98 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(28)

100 私塾界インサイト(22)

104 咲かせよ桜(59) 小林哲夫

108 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(80)

110 論点2020(2) 新しい時代の初等中等教育の在り方について

114 編集後記

116 Book Review

118 塾長のためのガジェット講座

湘南ゼミナールが広島県に初出店

株式会社湘南ゼミナール(神奈川・横浜市、 福村 賢一 代表取締役社長)は、「湘南ゼミナール個別指導コース」及び、「森塾」「湘南ゼミナール主催 河合塾マナビス」を新規開校する。河合塾マナビスは学習塾が多い広島駅周辺エリアに初進出となるほか、神奈川・静岡に3コース/合計4 校の開校をする。
 今春(2020 年)、湘南ゼミナールグループが運営する学習塾は全国9 都県・263 教室となる。

■2020 年2 月3 日( 水) 開校
湘南ゼミナール個別指導コース 溝の口教室

<湘南ゼミナール個別指導コース 溝の口教室>
【対象】小学4 年生~高校3 年生
【特徴】先生1人に生徒2人までの個別指導。お子さま一人ひとりの学力や目標に合わせた通塾が可能です。
[ 住所] 〒213-0001 神奈川県川崎市高津区溝口1-13-18 セキグチビル3F

小学館集英社プロダクションより「小学生・中学生 学習教室 小学館アカデミー」「幼児・小学生 英語教室 イーコラボ」の事業を取得

 株式会社 学研ホールディングス(東京・品川、宮原 博昭 代表取締役社長)のグループ会社、株式会社 学研エデュケーショナル(東京・品川、福住 一彦 代表取締役社長)は、株式会社小学館集英社プロダクションが運営する、小学生・中学生を中心とした学習教室「小学館アカデミー」、幼児・小学生の英語力を育成する英語教室「イーコラボ」の一部教室について、2020年4月より、その運営事業を譲受する契約を締結した。

 学研エデュケーショナルではこれまで、幼児・小学生・中学生・高校生を対象とした学習教室「学研教室」と、中学生・高校生を主な対象とした学習塾「学研CAIスクール」の運営に取り組んできたが、公立小学校での教育では、2020年度より、主体的に学び、考え、行動する人材を育てるという新たな教育への取り組みが始まる。このような背景から、未来に生きる子どもに、より充実した教育サービスを提供するため、優れた指導システム、ノウハウを持つ小学館アカデミー、ならびにイーコラボ事業を取得することで、子どもたちの学びの場を拡大しつつ、教育内容の一層の充実を図っていく。

 今後、双方の強みを活かしながら、講師研修、商品コンテンツ開発、教室開設等の分野でも協力体制を活発に進めていく。

【PR】熊谷市ALCSで『塾の日ごはん食育講座』を開催

受験生だからこそ食育を!

2020年1月7日、埼玉を中心に大学受験塾を展開するALCS熊谷校で“和”食文化推進協議会の協力のもと『塾の日ごはん食育講座』が開催された。“和”食文化推進協議会は、バランス食として評価が高い和食を基本に、現代の食生活に合わせた手軽でおいしい食事の提案を行っている。そんな同協議会が、塾に通う生徒たちへ食育の一環として提案しているのが「塾の日ごはん」だ。

受験期を支えるのは規則正しい食習慣

 不規則な食習慣は、栄養面だけではなく、生活リズムも乱し、学習にも影響を及ぼす可能性がある。”和”食文化推進協議会の「塾の日ごはん」は、食事の内容やタイミングが乱れがちな塾の日の食環境を”手軽”に改善してもらおうというもの。

講義を聞く生徒たち

 今回、ALCSの生徒たちは、まず、相模女子大学栄養科学部管理栄養学科の吉岡有紀子教授から、受験期における食事や栄養の大切さについての講義を受けた。

 重要なポイントは2つ。1つは、「食べる時間」。塾で勉強をしてから家に帰ると、夕食が遅い時間になり、次の日、朝食が食べられないことがある。これでは、午前中の体温が上がらず、身体が目覚めないため、体や頭がうまく働かない。すっきりした朝を迎えて、朝食を食べるためにも、前日の夕食は重要なのだ。

吉岡有紀子教授

 もう1つは「食べる内容」だ。「エネルギー源となる炭水化物、たんぱく質、脂質」と「ビタミン・ミネラル」の補給が重要になる。

 中でも脳のエネルギー源となるブドウ糖をとるためには、ご飯などの炭水化物をきちんととる必要がある。

 これらの栄養素は、主食・主菜・副菜の3つの料理を揃えることで、自然に整うのだが、塾の日には、なかなかこの3つの料理を揃えるのは難しい。この解決策の一つとして、吉岡有紀子教授から「おにぎらず」と「ごはんスティックストック」が紹介された。講義に続き、生徒たちはこれらの調理に挑戦した。


  

ご飯と海苔には基本的な栄養素が豊富

おにぎらず

「おにぎらず」は、まず、広げたラップの上にひし形に海苔(全型1枚)をおき、同協議会特製のご飯型(正方形の型枠)をのせて、その中にご飯(茶わん 杯)をしき詰める。その上に、具材(おかずなど)をのせて、再びご飯(茶わん 杯)をのせ、最後に海苔で包む。これで完成だ。

 一方の「ごはんスティックストック」は、広げたラップの上にご飯(茶わん 杯)を四角形に広げる。その上に、具材をのせて、ラップで筒状に巻いたら、完成。一度にまとめて作って、冷凍庫でストックしておけば、電子レンジで温めるだけで食べられるので便利だ。こちらは、食べる際に、海苔を巻くのがポイント。

ごはんスティックストック

 今回のイベントでは、コンビニでも手に入るハム、ツナ缶、しらす、レタス、キャベツ、チーズ、きんぴらごぼうなどの多彩な具材が用意され、生徒たちは、各々好きな具材をのせたオリジナルのおにぎらずとごはんスティックストックを作った。

 このような食べ方は、エネルギー源となるご飯を中心に、体をつくるタンパク源である魚や肉、それから体の調子を整えるビタミン、ミネラルの供給源である野菜類を手軽にとることができる。また、海苔は、タンパク質、食物繊維とさまざまなビタミン、ミネラルを含む栄養バランスのよい食品でもある。まさに「塾の日」にうってつけの食事だ。

食育で受験の先を考える

 ALCSの小川武志代表は、「いざ勝負の場所で、パフォーマンスを発揮するにはいろいろなところを整えないといけない。体調管理、栄養の部分もすごく大事です」と学習における食事の大切さを語る。

 今回の講座に参加した生徒たちからは、自分でも簡単にできておいしかったといった声や、食事の重要性に気づけたといった声が挙がった。

生徒とともにおにぎらずを作る小川塾長(手前左)

「このような使い方の提案が、ご飯や海苔のよさを改めて知るきっかけにもなってもらいたい」と、〝和〟食文化推進協議会の担当者は言う。〝和〟食文化推進協議会は、今回の講座のテキストに使ったオリジナル冊子の活用を呼びかけ、「塾の日ごはん」を広めて行きたい考えだ。

 また、「食事によって体の中から整えて、風邪などに負けない体づくりや栄養素のバランスを知ってもらうのは大前提ですが、食事は、楽しみや息抜きにもなり、そして、受験期が終わった後もセルフマネジメントのベースになるということを知って欲しいです」と、吉岡有紀子教授は話す。 入試で、今までの努力の成果を出すためには、体調を整えることが一番重要であることは、誰もが知っている。だからこそ、体調管理のためにぜひ、塾での食育に取り組んでもらいたい。

塾の日ごはん “和”食文化推進協議会

Web▶https://www.wa-shokubunka.com/

構成団体
公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
海苔で健康推進委員会講座で使用した冊子と「おにぎらず」「ごはんスティック
ストック」用の型枠は折り込みのチラシをご覧ください。

ヒューマンアカデミー Society5.0でも注目されるドローンのテクノロジーを題材にしたプログラミング授業を田園調布雙葉中学高等学校で2月3日(月)に実施

 ヒューマンホールディングス株式会社の事業子会社で、教育事業を運営するヒューマンアカデミー株式会社(東京・新宿区、川上 輝之 代表取締役)は、田園調布雙葉中学高等学校(東京・世田谷区、滝口 佳津江 校長)の生徒に向けた「ドローン操縦・プログラミング」の特別授業を、2月3日(月)に実施する。また、日本郵政グループの日本郵便株式会社と協力し、「社会課題解決とテクノロジー」と題した特別講演会も同日に開催する。

 田園調布雙葉では、2016年からドローンの模擬飛行の演習授業やトイドローンの飛行体験授業など、ドローンのテクノロジーをテーマにした情報の授業を実施したり、情報社会学の選択の授業でIT企業やプログラミング教育企業と連携した授業を提供したりするなど、情報教育に注力しており、これからの時代に必要な能力の育成に取り組んでいる。
 ヒューマンアカデミーは、全国で約1,500教室、在籍生徒数25,000名を超える日本最大規模のロボットプログラミング教室「ヒューマンアカデミーロボット教室」を2009年より運営している。また、2019年に新規開講した「サイエンスゲーツ~かがくのもん~」では、「自分で学び、自分で理解していくこと」というSTEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学分野の教育)の考え方を取り入れた、知識だけではなく、さまざまな体験から子どもたちの主体性と独創性を育む学習プログラムを提供している。
 ヒューマンアカデミーのこうしたプログラミング教育やSTEAM教育の知見と実績を基に、Society5.0でも注目されるドローンのテクノロジーを題材にしたプログラミング授業を、田園調布雙葉の生徒に向けて2月3日(月)に実施する。
 また、ドローンの目視外飛行による「小型無人航空機を用いた郵便局間輸送」を国内で初めて行った日本郵便株式会社と協力し、「日本郵便の社会課題解決とドローン」と題した特別講演会を開催する。

▲授業イメージ

【実施内容】
日本郵便による「日本郵便の社会課題解決とドローン」特別講演会
概要: 「日本郵便の社会課題解決とドローン」
※日本郵便のドローン飛行見学も実施
講演者:日本郵便株式会社 オペレーション改革部専門役 上田 貴之氏
対象:田園調布雙葉中学校の生徒
実施日:2月3日(月) 13時30分~14時20分(50 分間)

「ドローン操縦プログラミング」特別授業
概要: 「ドローンの操縦とプログラミング」
講師:ヒューマンアカデミープログラミング講師
協力:DJI JAPAN株式会社
対象:田園調布雙葉中学校の生徒
実施日:2月3日(月)14時30分~15時20分(50 分間)
※教材のドローンは、Tello、Tello EDUを使用

【今後の展開】
 現在、ロボット教室を国内最大規模のFCモデルで提供しているヒューマンアカデミーとして、小学校のプログラミング教育必修化をはじめとする学校教育、公教育の変化に教育企業として支援していけるよう、「学校・園向けSTEAM教育プログラム」を開発中。
 今回のドローンを使った学校とのコラボレーションはその大きなモデルのひとつとなり、さらに今後は、STEAM教育事業の一環として広く提供していく。