<検証結果概要> 数学の授業内で AI ドリル「Qubena(キュビナ)」を使用するクラス(9クラス、637名)、使用しないクラス(10クラス、340名)にランダムにふりわけ、ICT と AI ドリルの利用が学力向上に資するかどうかを検証した。その結果、Qubena使用クラスの方が未使用クラスよりも、学力テストのスコアが 約4.5%高い結果となった。この差は 1%水準で統計的に有意な差であり、短期間の使用ではあるものの、数学の学力向上が見られたと考えられる。また、この効果は特に就学支援金受給世帯の生徒で大きく、Qubena使用クラスの方が18.5%高い結果となった。この結果から、AI ドリルの利用は保護者の経済状況による学力格差の縮小をもたらす可能性が示唆された。また、生徒の学習観の変化も見られ、介入群の生徒は「良い学習環境に身を置くことで勉強が身につく」という「環境志向」が統計的に有意に上昇していることもわかった。