Archive for: 11月 2021

atama plusの実証事業が経済産業省「未来の教室」に採択

 atama plus株式会社(東京・品川区、稲田 大輔 代表取締役CEO)は、経済産業省の「未来の教室」実証事業(「学習ログ利活用の実現」に関するテーマ)に「アセスメントとラーニングの学校内外での連携事業」が採択されたことを発表した。駿台グループと協力し、オンライン模試「駿台atama+学力判定テスト」とAI教材「atama+(アタマプラス)」を用いて、学校内外での学習ログ利活用の可能性と実用化に向けた課題を検証する。

 atama plusは、生徒一人ひとりに学びを最適化するAI教材「atama+」を2017年より塾・予備校に提供している。また、2020年より、駿台グループと共同で高校生・既卒生を対象にしたオンライン模試を開催してきた。オンライン模試では、結果と弱点がすぐに分かり、学習するべき単元がおすすめされることで、効果的な学習に活かすことができる。

 経済産業省の「未来の教室」実証事業は、様々な個性の子ども達が未来を創る当事者(チェンジメイカー)に育っていく学習環境を構築することを目的とし、「学びの自律化・個別最適化」「学びの探究化・STEAM化」「新しい学習環境づくり」の3つを柱に2018年度から実施している。現在、経済産業省を含め、関係省庁を挙げて「GIGAスクール構想」を中心に学校現場のデジタル環境を整備しているが、改革の柱のひとつである「学びの自律化・個別最適化」の実現のためには、学習ログ利活用の必要性が指摘されている。

 今回、採択された「アセスメントとラーニングの学校内外での連携事業」では、第一歩として、学校内外での学習ログ連携による生徒・官民の教育者への効果検証と、実用化に向けた課題抽出を行う予定。実証期間は2021年9月~2022年2月の半年間、実証校は私立岩倉高等学校、神奈川県立大磯高等学校。
 

 具体的には、学校もしくは自宅でオンライン模試「駿台atama+学力判定テスト」を生徒(高校1年、103名)が受験し(アセスメント)、正誤や判定された弱点などの模試結果は学校から駿台に共有される。その後、生徒は駿台によるコーチングを対面もしくはオンラインで受けながら、約2ヶ月後の模試までatama+で数学を学習する(ラーニング)。駿台から学校には、各生徒の学習進捗や全体のつまずきの傾向などの学習ログが共有され、学校での指導に活用される。このようなアセスメントとラーニングのサイクルを、学校内外での学習ログの連携と組み合わせながら繰り返し行う。コーチングについては、駿台グループの「駿台中学部・高校部」、「駿台個別教育センター」等を運営する駿台教育センター株式会社が実施する予定。


 結果については、2022年3月に報告予定。模試結果や生徒・教育者へのアンケート・インタビュー結果を基に、効果検証やより良い運用方法、教育者に業務負担をかけずに学習ログ連携を実用化するための課題などを明らかにしていく予定だ。

会話AIロボット「Romi」、渋谷本町学園の小・中学校でテスト導入

 株式会社ミクシィ(東京・渋谷区、木村 弘毅 代表取締役社長)のVantageスタジオは、“ペットのように癒やし、家族のように理解してくれる”存在を目指して開発している自律型会話ロボット「Romi」(読み:ロミィ)を、渋谷区立渋谷本町学園の協力のもと、2021年11月8日(月)より小学校1年生から中学校3年生までの教室にテスト導入することを発表した。「Romi」を学校にテスト導入するのは初の試みとなる。

Romi公式サイト:https://romi.ai/

 Vantageスタジオは子どもたちに寄り添った会話内容や機能の追加をしたいと考え「Romi」の子ども向け機能を強化することで、以下3点への寄与を目指す。

・子どもの会話力・コミュニケーション能力の発達
・学習へのロボット活用(学力・学習意欲の向上)
・AI・ロボットネイティブ人材の育成

 導入テストの結果は後日、「Romi」公式サイト等で発表する予定。家庭にコミュニケーションロボットが当たり前にある世界を目指して、「Romi」は今後も進化し続ける。

■教育現場での「Romi」活用に興味を持った方は
「Romi」はプログラミング教育や課外授業の一貫として、また子どもたちのコミュニケーションパートナーとして、さまざまなシーンで活用できる。教育現場での「Romi」の活用に興味をお持ちの教育機関の方は、以下のメールフォームよりご相談ください。
メールフォーム:https://romi.ai/corporation/

  • 【製品概要】

正式名称:Romi(読み方:ロミィ)
価格本体:44,800円(税込49,280円)
月会費:980円(税込1,078円)
カラーバリエーション:パールピンク、マットホワイト、パールブルー
一般販売日:2021年4月21日(水)
主な販売場所
[オンライン]
Amazonにて販売中( https://www.amazon.co.jp/dp/B08H2HL2J7 )

[展示・展示販売]
・高島屋(新宿、大阪、名古屋)にて展示販売中
・名古屋栄三越にて展示販売中
※販売店舗一覧は、https://romi.ai/shoplist/ にてご確認ください。
※ご購入の際はRomi公式サイトに記載のある公式販売店舗・サイトをご利用ください。
公式サイト・SNS
公式サイト:https://romi.ai/
Twitter:https://twitter.com/romi_robot
Instagram:https://www.instagram.com/romi_robot/
YouTube:https://www.youtube.com/c/Romi-Robot
note:https://note.com/romi_ai

学書の「デジタルドリル(中学版)」がAES GLOBAL AWARD(2021)でPLATINUM 賞を受賞

 教育図書教材の出版社の株式会社学書(愛知・名古屋、田村 茂彦 代表取締役)が提供する【デジタルドリル(中学版)】がAES GLOBAL AWARD(2021)でPLATINUM 賞を受賞した。

AES GLOBAL AWARD(2021)https://www.aesglobal.org/

【デジタルドリル(中学版)】は中学単元を繰り返し徹底学習できるオンライン教材。表示された問題を見て解答をノートに書き、画面上で答えを確認し自己採点する学習形式。
デジタルコンテンツとして「繰り返し学習できる形態」に加えて「テキスト教材の良さ」を兼ね備えたより実践的なデジタル教材。

○ 対象学年:中学1~3年生(主に高校入試向け)
○ 対象教科:英語・数学・理科・社会

「個別指導」「集団指導」「家庭学習」など多様な状況で活用ができる。詳細は【デジタルドリル(中学版)】WEB特設サイトへ。

⇒ 株式会社学書/【デジタルドリル(中学版)】特設WEBサイト
https://www.gakusho.com/digital-drill-jh/

【お詫びと訂正】10月15日掲載の塾ニュース訂正について

私塾界 塾ニュース10月15日掲載「英進館 ビーシー・イングスの全株式を取得」(https://www.shijyukukai.jp/2021/11/20726)のタイトル表記、記事内文章を誤って掲載しておりました。下記の記事のとおり訂正させていただきます。

タイトル

誤:「英進館 ビーシー・イングスの全株式を取得」

正:「英進館 「Sunrise Capital II」と「ひろしまイノベーションファウンド」が保有するビーシー・イングスの全株式を取得」

文章内

誤:長森 藤啓 代表取締役社

正:森藤 啓 代表取締役社長

読者の皆様、並びに、関係者の方にご迷惑をおかけいたしましたこと、お詫び申し上げます。

埼玉県所沢市に3枚のポケモンマンホール『ポケふた』が新たに登場

 2021年11月5日ポケモンのマンホール『ポケふた』が新たに3枚、埼玉県所沢市内にてお披露目された。3枚の『ポケふた』には、カイリュー、ミニリュウとアーマーガア、ハクリューとエアームドが、所沢市のさまざまな景観をイメージして描かれており、それぞれ市内へ設置される。埼玉県内に『ポケふた』が設置されることは初めて。

『ポケふた』は、ポケモンがデザインされたマンホール蓋で、ポケモンたちの魅力と各地域の魅力を知ってもらうことを目的に、1枚1枚をオリジナルでデザインし、それぞれ世界に一つだけのマンホールとして全国各地に設置されている。なお、設置された『ポケふた』は、順次、スマートフォン向け位置情報ゲーム『Pokémon GO』のポケストップになる予定。

所沢市の『ポケふた』3枚
①カイリューのポケふた:埼玉県所沢市並木1-13
②ミニリュウとアーマーガアのポケふた:埼玉県所沢市松郷143-3
③ハクリューとエアームドのポケふた:埼玉県所沢市日吉町1
 

『ポケふた』は、今後も、引き続きいろいろな場所に設置される予定。

『ポケふた』については、こちら。
「ポケモンだいすきクラブ編集部公式Twitter」 https://twitter.com/pokemon_pdc
「ポケふた公式サイト」 https://local.pokemon.jp/manhole/


全国のポケふた一覧
北海道:26枚、青森県:2枚、岩手県:13枚、宮城県:35枚、福島県:9枚、埼玉県:3枚、東京都:12枚、神奈川県:1枚、新潟県:4枚、滋賀県:2枚、京都府:5枚、大阪府:5枚、兵庫県:3枚、奈良県:5枚、鳥取県:19枚、岡山県:4枚、香川県:17枚、福岡県:5枚、宮崎県:26枚、鹿児島県:9枚、沖縄県:4枚
合計:209枚

凸版印刷、日越茶道・文化交流協会に、翻訳サービスをカスタマイズ導入

 凸版印刷株式会社(東京・文京区、麿 秀晴 代表取締役社長)は、訪日外国人や外国人就労者などとの多言語コミュニケーションを支援するソリューションとして、音声翻訳サービス「VoiceBizⓇ(ボイスビズ)」を、2018年6月より提供している。

 今回、日越茶道・文化交流協会(東京・千代田区、千 玄室 会長)が行う多言語自動音声翻訳技術を活用したベトナムでの茶道文化普及活動において、音声翻訳サービス「VoiceBizⓇ」が採用された。

導入の背景には日本とベトナムは、広範な戦略的パートナーシップに基づき、さらなるパートナー化を推進しており、2023年に日越外交関係樹立50周年を迎える。日本国内で働く外国人労働者は、国籍別でベトナムが最も多く、ベトナム国内でも日本語教育は熱心に行われているが、教育指導者の不足など、日越の言葉の壁は厚く、ICTなどを活用してこれを乗り越えることは喫緊の課題となっている。


 日越茶道・文化交流協会は、茶道文化を主軸としたさらなる日越文化交流促進を目的として、2021年11月4日に設立された。ベトナムでの茶道文化普及を通じ、言葉の壁、文化の壁を乗り越え、日越交流の深化を目指している。そのため、国立研究開発法人情報通信研究機構(徳田 英幸 理事長、以下 NICT)が開発している最先端のAI自動音声翻訳技術のライセンスを受け凸版印刷が開発した音声翻訳アプリ「VoiceBizⓇ」を活用し、総務省とNICTが共同で推進する「翻訳バンク」の活動を支援する。また、凸版印刷は、NICTの委託研究「自治体向け音声翻訳システムに関する研究開発」(2015年度から2019年度の5年間)を受託し、自治体窓口業務に対応した国内で初めての音声翻訳システムの研究開発を進めてきた。

「VoiceBizⓇ」は、在留外国人や訪日外国人などとの多言語コミュニケーションを支援する、音声翻訳サービス。スマートフォンやタブレット用の専用アプリに音声やテキストを入力すると、30言語の中から選択した言語に自動で翻訳し、音声やテキストを出力する。
 翻訳エンジンは、NICTが開発を進めている、深層学習を用いたニューラル機械翻訳(NMT)技術を採用。また、あらかじめ翻訳した固有名詞や、利用頻度の高い定型文はシステムに登録をすることでさらに専門性を高めることが可能。
 なお凸版印刷は、総務省が2020年度から実施している情報通信技術の研究開発課題である「多言語音声翻訳技術の高度化に関する研究開発」の委託先として選定されており、同省が公表している「グローバルコミュニケーション計画2025」の推進のため、産官で構成する「総務省委託・多言語翻訳技術高度化推進コンソーシアム」にも参画している。

・翻訳可能な言語
日本語と英語/中国語(簡体字)/韓国語/台湾華語(繁体字)/アラビア語/イタリア語/
インドネシア語/オランダ語/スペイン語/タイ語/デンマーク語/ドイツ語/ヒンディ語/フィリピン語/
フランス語/ベトナム語/ポルトガル語/ポルトガル語(ブラジル)/マレー語/ロシア語/ミャンマー語/
ウルドゥ語/クメール語/シンハラ語/トルコ語/ネパール語/ハンガリー語/モンゴル語/ラーオ語

 凸版印刷は、協会と連携しNICTのAI自動翻訳技術(日×越)の研究開発を側面で支援するとともに、「VoiceBizⓇ」が日越文化交流の懸け橋となるよう、多くの在越、在日のベトナムと係わる団体、自治体、企業などに導入を働きかけていく。2023年日越外交関係樹立50周年までには、ベトナム関連の50業種、300団体への導入および、月間利用台数1,000台の利用を目指す。

株式会社イムラ、奈良女子大学で「なら学+(プラス)」の講義を実施

 奈良・大阪で「吉野杉の家」の注文住宅を建てている株式会社イムラ(奈良市、井村 義嗣 代表取締役社長)は、10月12日と19日の2回に分けて、国立大学法人奈良女子大学やまと共創郷育センターの地域志向科目「なら学+(プラス)」にオンライン参加し講師を勤めた。その中でウッドショックや過疎化などのキーワードを折り込みながら、吉野杉の魅力や吉野林業の歴史と課題点を論じた。 

 なら学+(プラス)は奈良県奈良市に本拠地をおく奈良女子大学が県内企業や自治体、県内教育機関から多彩なゲストを迎え、「奈良」をフィールドとして地域社会の抱える問題を見つけ、その解決策をともに考えてゆくことを目的として設置した「地域志向科目」。奈良で働く人からのメッセージを受けてキャリアプランを豊かにし、地域で活躍できる人材の育成を目指す。 

会社名:株式会社イムラ
所在地:奈良県奈良市三条大路3丁目2-7-1
代表者:井村 義嗣
設立:1927年4月
HP:https://imura-k.com/
Instagram:https://www.instagram.com/imura_official_account/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCpuk5i1RVGwuYYh2RW0o1dQ
事業内容:木造注文住宅・リノベーション

コクヨ株式会社が、神山まるごと高専(仮称)の開校に向けて1億円の寄付を実施

 2023年4月開校を目指す私立高等専門学校「神山まるごと高専(仮称・設置構想中)」は、文房具やオフィス家具、事務機器を製造・販売するコクヨ株式会社(大阪市)が、神山まるごと高専の開校に向けて、企業版ふるさと納税を用いた1億円の寄付を実行したことを発表した。

 コクヨ株式会社は、2021年2月に策定した「長期ビジョン CCC2030」を契機として、自らの強みを「共感共創」であると再定義し、従来のお客様起点での価値提供から一歩踏み出し、「社会課題に向き合う人々」をサポートすることで、社会課題の解決にも寄与する取組みをしている。今回のパートナーシップを通して、コクヨの「共感共創」を活かして、学生、教師、企業、町が共創的に学び合える空間やツールを共に生み出し、未来のあるべき学びについて共に探求していく。

■企業版ふるさと納税を活用した、日本初の学校づくり
 企業版ふるさと納税は、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税が最大90%税額控除される仕組み。この取組は、日本で初めて企業版ふるさと納税を活用した学校が設立される事例となる。

今回の企業版ふるさと納税があてがわれる設立経費の項目は以下の通り。
・校舎予定の神山中学校の改築費用
・教具・校具の購入費用
・図書の購入費用
・開設後数年間の運転費用
・学生の奨学金

■「神山まるごと高専」とは
 神山まるごと高専は、2023年4月開校予定の私立高等専門学校。「奇跡の田舎」と称される徳島県神山町に設置され、神山町をまるごと、学びのフィールドに活用した、実践型教育を展開する。
 学校のミッションは、「テクノロジー x デザインで、人間の未来を変える学校」。
従来の技術教育中心の高専とは異なり、ソフトウエアを中心としたテクノロジーや、UI・UX・アートなどに関連したデザイン教育。また、起業家マインドを育成する教育を実施し、どんな社会でも、世の中を変えていける人材を育成する。

ウェブサイト: https://kamiyama-marugoto.com
公式note:http://note.com/kamiyama_kosen
公式twitter:https://twitter.com/kamiyama_kosen

サインウェーブ “リスニング力先端研究”を知り、EdTechと英語リスニング対策について考えるオンラインセミナーを11月22 日(月)に開催

 全国の学習塾と私学向けにAIテクノロジーを活用した中高生向けの英語4技能対策アプリ「ELST®︎」や小学生向け「ELST®︎Elementary」、ペン型スキャナー辞書「NazoritAI Pro(ナゾリタイ プロ)」、「NazoritAI for School(ナゾリタイ フォースクール )」を提供する株式会社サインウェーブ(東京・千代田区、赤池 雅光 代表取締役 )は、11月22日(月)にオンラインセミナーを開催する。
 テーマは、2021年に導入された大学入学共通テストや2021年度からの中学校の新しい英語教科書においてより重視されるようになっている英語リスニングとし、専門家による先端研究の事例やテクノロジーを利用した学習方法の講演、入試傾向から考える英語リスニング対策についてのセミナーを予定している。

 2021年にスタートした大学入学共通テストで最も変化が大きかったとされるのが英語。特にリスニング問題の配点が200点中の100点となり、それまでの大学入試センター試験における250点中の50点の配分から比重が大きくなった。大学入試における英語リスニング力の重視傾向は、今後高校入試にも影響が出てくると思われる。2021年からの新しい英語の教科書ではQRコードにより教科書と英語の音声が一体となっていることから、英語の教科書を音から学ぶ機会が増える。

 現在の各都道府県の高校入試のリスニング問題の比重はおおむね20%〜30%となっているが、今後この割合も高まることが予想される。

【オンラインセミナー実施概要】

  • 日時:11月22日(月) 14:00〜16:00
  • 会場:ZOOMによるオンラインセミナー形式
  • 参 加 料 :無料
  • お申込先 : https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_7MNilR67SF22mQA90z7HAw
  • 当日の参加URLは、後日参加者にご連絡させていただきます。
  • お申込締切:11月21日(日)23:59
  • 対象
    • 塾や私学、学校その他教育業界関係者の方
    • 学生や保護者の方
  • 注意事項 
    • 競合他社様の参加は、お断りさせていただきます。
    • 講演の内容等は予告なく変更することがございます

塾教材DX化最前線 〜英俊社×idea spot×エプソンの事例から〜

2021年10月28日、29日に配信を行った私塾界リーダーズフォーラムONLINE 2021 A/W。第1部はICT教材を販売する企業2社と、それを活用する学習塾1社が登壇した。ICT教材からは、セイコーエプソン P事業推進部の原基彰氏、英俊社の金子直純氏、学習塾からはidea spot(イデアスポット) 代表の竹山隼矢氏が参加した。三者が協働して取り組んだ事業の課題と、成果とは?

収録の様子

課題返却までのタイムラグを短縮

――まずは皆様の簡単な自己紹介をお願いいたします。

英俊社 金子直純氏

竹山 2016年創業のイデアスポットは京都に2教室展開しています。

金子 大阪が本社の英俊社は「赤本」でお馴染みの過去問がメインの出版社で、近年は赤本のデータを使って自由にプリント教材ができる「カワセミライト」を提供しています。

 プリンタなどの製品を展開しているセイコーエプソンは近年、教育事業にもアプローチしています。例えばイデアスポットさんには、英俊社さんのカワセミライトと、オンライン印刷できる当社の「エプソンコネクト」を組み合わせたサービスを、1年間トライアル運用いただいています。

――カワセミライトとエプソンコネクトを組み合わせたサービスは、どのようにして誕生したのでしょうか。

 エプソンコネクト自体が誕生したのは7〜8年前。当時はまだ使い方の提案までしていなかったのですが、私がある大手予備校でチューターをしていた経験があり、教育には思い入れがあったんです。そうしたなか、エプソンコネクトは教育に活用できるとにらみ、コロナ禍前から英俊社の金子さんに相談していました。

――現在はトライアル中とのことですが、イデアスポットさんでのご使用状況をお聞かせください。

竹山 小学生の家庭にプリンタ本体を送り、イデアスポットはカワセミライトでオリジナルの課題を作成してデータ送信。プリンタから課題を出力して解いた生徒は、解き終わったものをスキャンして塾に返送します。これまでは家で解いたノートでやり取りしていたので、解いてから返却するまでに2〜3日かかっていましたが、この方法だとその日にフィードバックが可能。課題に対する生徒の熱が冷めないうちに返却できますし、コロナ禍でも演習量を減らさずに済んでいます。

受験で大成功を収めるなど効果を実感

――トライアルをしてみての感想をお願いします。

idea spot 竹山隼矢氏

竹山 まずカワセミライトについてですが、掲載されている過去問題は全て著作権処理がされているので、安心感があるのが1つ。
 しかも、赤本に基づいているため必ず効果は出るだろうと確信していました。間違った問題に対する類題を他校の入試問題から選び出し、生徒がやりきれる量を調整しながらタイムリーに送りました。そうすることで生徒の負担感を軽減させ、例年よりも多く演習量を確保することができたのは大きかったですね。おかげで今年の受験では大成功を収めています。
 エプソンコネクトを使うことで、この仕組みが実現できたということは、まさしくDXだと思います。

 量販店で売っているプリンタでもエプソンコネクトは使用できますし、インクは1瓶で4000枚ほど刷れるボトルタイプを採用。1年間、インクの交換は1件も発生しておらず、ランニングコストは相当抑えられると思います。

――コスト面の心配が少ないのは嬉しいですね。

竹山 また家庭にもたらすインパクトも大きいものがありました。というのも実際の紙がプリンタから出てくるので、保護者は手に取って見ることができます。麻布や開成といった首都圏の難関中学の問題を手に「我が子はこんな難しい問題を解いていたのか」と、感動してくれていました。

教育事業者に参画してもらいたい

――反対に課題に感じたことをお聞かせください。

セイコーエプソン 原基彰氏

竹山 カワセミライトで問題を作り、ダウンロードしてデータ送信するという手間が大変だなと… 問題が異なれば一括送信ができず、1学年8名のイデアスポットだからできますが、大人数だと難しいと思います。
 また当初はデータが届いたかどうか家庭と塾がお互いに不安で、確認の電話が鳴り止みませんでした。でもカワセミライトの最新版は管理画面が設置され、それが解消されています。

――教育の未来、塾経営の未来に期待することをお聞かせください。

竹山 タブレットが普及しているとはいえ、今現在、テストは紙でおこなわれています。それを考えると、指導においても紙を意識すべきだと考えます。またコロナ禍以前にこのお話をいただいた時は、海外での指導を想定していましたので、海外在住者にも教えられる仕組みを構築したいです。
 それから今回、2つのシステムを掛け合わせることで、新しいサービスが生まれることを実感しました。塾業界にはいろいろな教材がありますが、それぞれの接続性が高めることで選択肢が増え、個別最適化にも役立つと思います。

金子 当社としては今回、赤本の活用範囲を広げられたのは前進だったと感じるものの、反対に過去問しかないので、教科書に準じたものも提供できたらと思います。そういう意味でも他社の皆様もエプソンコネクトに参画していただけたら、盛り上がるのではないかと思います。

 エプソンコネクトはオープンなシステムなので、ほかの教育事業者さんの参画はウェルカムですし、今後は接続性をもっとよくしていきたいですね。
 あと幼少期の学習は紙がメインなので、学習履歴をオープンにすることで、「この生徒は小さい時、こういう勉強をしていた」といった情報を中高の塾に提供し、サポート役に回れればと思います。

竹山 私も生徒の正誤を手作業で分析していましたが、とても煩雑な作業です。紙の学習履歴はデータ化しにくい部分なので、自動化されることを期待しています。

■誌面PDF

■動画アーカイブ

この鼎談の動画は下記リンクより、ご登録いただくことで視聴できます。
https://www.shijyukukai.jp/2021/08/20336

■参考URL