Archive for: 9月 2022

地球上のアリは推定2京匹

 米科学アカデミー紀要(PNAS)に9月19日、地球上のアリの数は少なくとも2京(京は1兆の1万倍)匹と推定する研究論文が掲載された。データが少ない地域があり、実際の生息数はさらに多い可能性がある。

 アリは植物の種子を運んだり、他の生物の宿主になったり、 捕食したりされたりと、アリは生態系の中で重要な役割を果たしている。生息数を知ることは、生息地における気候変動などによる影響を把握するために意義がある。
 今回の研究では、さまざまな場所でアリの個体数を調査した465本の論文を分析した。ただし、調査はこれまで全大陸で実施されてきたが、中央アフリカやアジアではデータが極めて少ないか、皆無だった。これまでにも生息数を推計する試みはあったが、いずれの研究でもはるかに少ない試算結果しか示されてこなかった。
 研究チームは「(データの)空白部分を埋めることが極めて重要」と指摘している。そして「実際のアリの個体数は(推定を)大幅に上回っている可能性がある」とした。
 地球上で確認されているアリの種と亜種は1万5700種を超えるが、まだ見つかっていない種も同程度に上るとみられている。
 今回示された推定に基づくと、地球上のアリの総重量(生物量)は炭素ベースで1200万トンとなる。野生の鳥類と哺乳類を合わせた量より多く、人間の総重量の20%に相当する。

偉大なファラオ”ラムセス2世”に使えた高官の石棺が公開

 エジプトのサッカラ遺跡で9月19日、3200年以上前に古代エジプト文明の最全盛期を主導したファラオ”ラムセス2世”王家に仕えた高官の石棺が公開された。石棺は、ラムセス2世が統治していたエジプト新王国第19王朝時代に王家に使えた「高官」の「プタヘムヤ」のもの。昨年、カイロ大学のエジプト人考古学チームが発見した。

学びに特化したオーディオブック「VOOX」の人気教養コンテンツ「audiobook.jp」聴き放題で配信開始

 株式会社オトバンクは、Moon Creative Labが運営する学びに特化した音声メディア「VOOX」の教養コンテンツをオーディオブック書籍を配信する「audiobook.jp」の聴き放題プランにて、9月22日より配信開始すると発表した。配信されるのは、『アート思考』(山口周)や『教育の新たな常識』(中室牧子)など「VOOX」で人気の高い13コンテンツ。

■ 配信コンテンツ一覧
(・スピーカー名: 『タイトル』)
山口周: 『アート思考』
橋爪大三郎: 『死ぬとはどういうことか』
ちきりん: 『社会を生き抜く4つのチカラ』
橘玲: 『30年で資産を増やす株式投資入門』
中室牧子: 『教育の新たな常識』
古賀史健: 『書いて伝える』
青砥瑞人: 『ハッピーストレス』
楠木建: 『仕事におけるスキルとセンス』
楠木建: 『絶対悲観主義』
伊藤羊一: 『自分のためのリーダーシップ』
為末大: 『限界をどう超えるか』
為末大: 『自立心とは何か』
田中泰延: 『会話するってなんだ』

■「audiobook.jp」とは
 オーディオブックとは、ナレーターや声優が本を朗読した「聴く本」。オトバンクが運営するオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」では、ビジネス書や文芸書など、豊富なジャンルの作品を全て音声で聴くことができる。2022年6月には「audiobook.jp」の会員数が5年前の13倍となる250万人を突破した。

■「VOOX」とは
 Moon Creative Labが運営する「VOOX」(ブックス)は学びに特化した音声メディア。著名な経営者や大学教授、作家など各界の第一人者が、自身の生の声で専門テーマについて解説した質の高い音声教養コンテンツを配信しており、400話以上のコンテンツを聴くことができる。

【サービス概要】
・サービス名称:「audiobook.jp」
・サイトURL:https://audiobook.jp/
・App Storeページ:https://app.audiobook.jp/ios
・Google Playページ:https://app.audiobook.jp/android

・料金体系:
聴き放題プランは、月額950円(税込)。入会から2週間は無料で利用できる。個別購入は作品ごとの購入が可能。
(※単行本書籍とおよそ同価格帯(1,200円~1, 500円)での配信が中心。)

バイリンガリズムは認知機能の低下を防ぐ 学習障害児にもメリット
イタリアで乳幼児期の言語発達を研究する Vernice教授へのインタビュー

 グローバル化社会における幼児期からの英語教育の有効性や重要性に関する情報を定期的に発信している「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所」(※以下、IBS)は、バイリンガル児の言語発達、発達障害児のバイリンガリズムについて研究している、イタリア、ウルビーノ・カルロ・ボ大学のMirta Vernice(ミルタ・ベルニーチェ)教授にインタビューを行い、記事として公開した。

 Vernice教授は、EU主催の「EDUGATE プロジェクト」に参加し、0~6歳の子どもに適したマルチリンガル(多言語使用)教育について研究・促進する活動をしている。大学のあるウルビーノという地域は、モノリンガルとして育つ人が多く、多くの親が外国語(特に英語)を子どもに学ばせたいと思う親御さんたちが多いとのこと。多言語社会と言われているヨーロッパであっても、日本の状況と似ている地域があることがわかった。

 ヨーロッパでは、0〜6歳の子どものマルチリンガリズムを支援する研究プロジェクトが進んでいる。子どもが外国語を学ぶときには、「0~3歳」「4~6歳」それぞれの時期に重点的に伸ばすべき能力を意識する必要があり、研究結果に基づいたアクティビティは効果的であることがわかった。また、バイリンガルであることが、ディスクレシア(発達性読み書き障害)の結果として生じる特定の認知機能の低下を防ぐことが明らかになった。そして、子どもをバイリンガルに育てると、言語的な観点だけではなく、認知的な観点からもメリットを得られるという。

詳しい内容はバイリンガル サイエンス研究所で公開中の下記記事へ
■イタリア、ウルビーノ・カルロ・ボ大学のMirta Vernice氏へのインタビュー
前編: https://bilingualscience.com/english/2022092001/
後編: https://bilingualscience.com/english/2022092101/

■ワールド・ファミリーバイリンガル サイエンス研究所
 (World Family’s Institute of Bilingual Science)
事業内容:教育に関する研究機関(https://bilingualscience.com/)
所   長:大井静雄(東京慈恵医科大学脳神経外科教授/医学博士)
所 在 地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-15-7 
     パシフィックマークス新宿パークサイド1階
設   立:2016年10 月
URL:https://bilingualscience.com/

武蔵野美術大学と熊本県天草市が連携協力に関する協定を締結、協定式を実施

 武蔵野美術大学(東京・小平市、長澤 忠徳 学長)と熊本県天草市(馬場昭治 市長)は、連携協力に関する協定を締結、9月17日(土)天草市役所内において、協定式を実施した。今後は、連携協力に関する協定書に基づき、美術・デザインのプロセスを通じて、地域における社会価値創出及び新たな価値創造を行う人材の育成および産業の育成を通じて地域活性に寄与することを目的として、連携する。

連携事項
(1)地域における本質的な課題発見と解決のための連携
(2)社会人の創造性を育成するための連携
(3)公民連携による地域づくり、地域活性化のための連携
(4)観光・地域産業振興のための連携
(5)文化・芸術に関する連携
(6)その他両者が協議して必要と認める連携

和歌山大学とサイバーリンクス、ブロックチェーン・DID(分散型ID)などの先進的技術の活用について、共同で研究開発に取り組むことに合意

 株式会社サイバーリンクス(和歌山市紀三井寺、村上 恒夫 代表取締役社長)、国立大学法人和歌山大学(和歌山市栄谷、伊東千尋 学長)は、ブロックチェーンやDID(分散型ID)などの先進的な社会情報基盤技術の活用について、共同で研究開発に取り組むことに合意した。

 和歌山大学とサイバーリンクスは、2018年に連携協定を締結するなどしてこれまで協力関係を築いてきた。特にデータサイエンス教育の分野では、それぞれの持つ知見を提供し合うことで、実践的な教育プログラムを開発するなどの実績をあげてきた。一方で、社会のデジタル変革が進む過程にあって、Web3とも呼ばれる新たな社会情報基盤への移行が注目されており、産業界・教育界それぞれにおいても対応が必要な状況となっている。そこで、和歌山大学とサイバーリンクスは、これまでの協力関係を一層強化し、ブロックチェーンやDIDといったIT分野の先進的な基盤技術の活用について、共同で研究開発に取り組む。

 強化された協力関係においては、新たな社会情報基盤の上で展開される様々な事業活動の中で、マネージャー/エンジニアとして活躍できる人材の育成も目指す。このために、令和5年度より和歌山大学内に「ブロックチェーンを利用したDID認証」に関する共同研究組織を設置する計画を進める。この組織を通じて、研究成果を学生教育に活用するとともに、当該分野研究への学生の参画を促す。

■ブロックチェーンについて
 インターネット上に様々な仮想通貨が登場すると同時に、そこで使われている技術として注目されるようになったブロックチェーンだが、仮想通貨はその活用範囲のごく一部と考えられている。ブロックチェーンは、台帳管理を分散化する技術であり、複数の組織や個人が対等な立場で情報の記録・読み出しができる。これによって台帳に記録されている情報の信頼性を確保するとともに、台帳管理者の優位性による弊害を排除する。

■DID(分散型ID)について
 ユーザIDや商品IDといったように、人や物を識別するために利用されている情報をIDと呼びます。これまでは、できるだけ多くの状況で利用できるように、中央集権的にIDを発行し、それを利用することが行われてきた。しかし、ひとつのIDが様々なサービスやユーザ行動に紐づくことで、個人情報の漏洩や不必要に収集される危険性が高まっている。DID(Decentralized ID、分散型ID)とは、特定のID発行者に依存せず、自分が自分であることの証明や、自分に関する情報であることを証明する仕組み。DIDの活用によって、自分の情報の取り扱いの決定権を、完全に自分が持つことができるようになると考えられている。

立川市図書館に電子図書500タイトル寄贈、小・中学生レビュワー大賞開催 東京立川こぶしロータリークラブ

 東京立川こぶしロータリークラブは9月20日、立川市図書館に青空文庫500タイトルとデジタル伊能図の電子図書を寄贈すると発表した。同時に市内の小・中学生を対象にレビュワー大賞を実施することも明らかとなった。10月4日に、電子図書贈呈式を東京立川こぶしロータリークラブ例会で行い、10月14日〜12月31日まで、市内小・中学生にレビュワーを募集し、1月末に優秀作品等を発表する。

 寄贈される電子図書は、著作権保護期間が過ぎた作品や、著作者本人から承諾を得た作品を集めた青空文庫、夏目漱石「坊っちゃん」「吾輩は猫である」、宮沢賢治「注文の多い料理店」、太宰治「走れメロス」等500タイトル。また、江戸時代後期、1800年から1816年までの17年間にかけ、伊能忠敬がわが国で初めて日本全土を測量し、「伊能図」と呼ばれる詳細な地図をデジタル化した「デジタル伊能図」も寄贈する。

■第一回東京立川こぶしロータリークラブ 小・中学生レビュワー大賞
募集期間:令和4年10月4日から令和4年12月31日まで
予定参加者:立川市内の小・中学生
後援:立川市・立川市教育委員会
協力:立川市図書館
主催者URL
https://tachikawakobushi-rc.tokyo/
問い合わせメールアドレス
info@tachikawakobushi-rc.tokyo

エリザベス女王国葬 英国民4割以上の2800万人が視聴

 9月19日に行われたエリザベス女王の国葬に関する行事を放送したテレビ中継の視聴者数が一時、約2800万人となったと英BBC放送が明らかにした。この人数は、英国人口数の4割を超える。
 特別に休日となった国葬当日、国内各地で映画館や教会などのスクリーンに国葬の模様が映し出された。また、テレビ中継以外に携帯電話のアプリ、タブレットやPCなどで視聴することができた。これらを視聴した人数は上記の視聴者数にカウントされないため実際の視聴者数はより多いことがうかがえる。

宇宙飛行士の血液が突然変異 心臓病やがんの発症リスクが上昇

 生物科学関連のジャーナル「Nature Communications Biology」に8月31日、宇宙飛行を行ったNASAの宇宙飛行士の血液を調べたところ、DNAに突然変異が起きており、心臓病やがんの発症のリスクを上昇させるという研究結果が掲載された。宇宙線などの宇宙環境が関係すると考えられる。
 すぐに病気になるような深刻なものではないと考えられているが、引退後も含め、宇宙飛行士のキャリアを通じた健康診断の重要性を浮き彫りにしている。
 そして、複数の民間宇宙旅行会社が参入し活発になっている、宇宙への旅をビジネスにしようとする動きに疑問を投げかける結果となった。

ファミリーマート、プラ製フォーク配布終了 希望者には竹箸

 ファミリーマートはプラスチック製フォークの提供を終了すると発表した。実施は10月4日からでフォークを希望者には竹箸が提供される。ただし、箸を使うのが困難な子どもや外国人の希望者にはフォークの提供を続ける。フォークと同じプラ製のスプーンは、軽量化されたものをこれまで通り継続して提供する。

 3月におこなったフォーク配布停止の実証実験の結果、利用者の好意的な反応やスタッフのオペレーションに問題なかったことから、全店実施につながったという。
 また、バイオマス40%配合素材で作られた「マイカトラリー」を販売。まずは東京都と神奈川県からスタートし、2022年内に全店販売を予定している。

 同社によるとマイ箸・フォーク・スプーンの利用促進、フォークから竹箸への提供切り替えにより、年間プラスチック使用量は250トン削減が見込まれるという。