進学会は、3月末までに首都圏と北海道を中心に学習塾約50教室を新たに開設する。従来は年間約10カ所の新設にとどまっていたが、資本提携していた同業の栄光ホールディングス株を2015年7月に同社に売却して得た利益で16年3月期の純利益は前期比7倍の49億円に膨らむ見通し。余剰資金を本業の拡大に回す。
2020年度に始まる新たな大学入試に向け、塾や予備校の大手各社が新サービスを打ち出す。 20年度から大学入試センター試験が廃止される。新入試は現在の中学1年生から始まり、記述式の問題などで思考力などを問う内容に変わる予定だ。大学側も個別入試で知識の詰め込み型ではない受験方法を始めており、教育各社も新たな指導サービスに迫られている。一部の大学は「考える力」を重視した入試を20年度より早く実施するため、大手がいち早く対応して生徒を囲い込む。
SAPIX YOZEMI GROUPは、昨年11月15日に、2020年度導入予定の新テストの受験学年となる中学1年生を対象に、思考力を測る『論理力評価テストSRT』を行った。同グループ共同代表ノ高宮敏郎氏によると、『論理力評価テストSRT』は、英・数・国の試験(中高一貫 中1トップレベル模試)に加えて、解釈探求と数理探求というテストがあり、文章を読み比べて分析したり、理科・数学を題材に数字を使って考える力を測るテストなのだという。
一般社団法人パーラメンタリーディベート人財育成協会が主催する「第1回 PDA高校生パーラメンタリーディベートワールドコングレス」が、1月22日から24日の3日間、埼玉県熊谷市のホテル・ヘリテイジにて開催された。
このイベントは、世界13ヶ国(韓国、ベトナム、ミャンマー、アフガニスタン、モンゴル、イスラエル、スペイン、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、ネパール、ナイジェリア、日本)から集まった約110人の高校生が参加して、初めて開催された即興型英語ディベート(パーラメンタリーディベート)の交流大会。この大会は、会長である仲臺和子氏が代表理事を務める、一般財団法人WakuProのインターナショナルフレンドシッププログラムの一環でもある。
パーラメンタリーディベートとは、参加者がディベートの開始前にテーマを与えられ、15分程度の短い準備時間の中で「肯定側」、「否定側」の各チーム(3人1組)に分かれてスピーチの内容を決め、それぞれの主張を展開。その内容をもとにジャッジが勝敗を決めるという競技性の高いディベート方式だ。英語力だけでなく、その場でテーマが与えられ、短い準備時間の中で、主張をどう構築していくのか、ということも重要なファクターになっている。高校の通常授業でも導入できるよう、同交流会の実行委員長でもある大阪府立大学大学院工学研究科の中川智皓助教が考案したこのプログラムは、文部科学省の助成事業にもなっている。
初日は、日本と海外の高校生が同じチームとなる「ミックスディベート」がおこなわれた。初対面の異国の高校生たちがチームを組んでディベートをした。英語力だけでなく、コミュニケーション力も試された。
2日目、3日目は英語のネイティブとノンネイティブのチームに分かれ、トーナメント戦が繰り広げられた。ネイティブ部門の栄えある1位に輝いたのは日本(渋谷教育学園渋谷高校)。2位はアフガニスタン、3位は韓国・イギリスがそれぞれ受賞した。ノンネイティブ部門の1位は、日本(さいたま市立浦和高校)、2位も日本(福岡県立城南高校)、3位はベトナム、モンゴルという結果になった。
ネイティブ部門の1位を獲得した渋谷教育学園渋谷高校から参加したのは、康莉宝さん、石川智尋さん、宮下み月さんの3人によるチーム。
「見せ方は外国の人たちの方が得意。学ぶものが多かったです」(康さん)、「料理を作るように話す内容を作っていきました」(石川さん)、「決勝では、その前のラウンドで行われたモーションを参考に練っていきました」(宮下さん)とそれぞれ激戦を終えた感想を語ってくれた。将来は、「国連などの国際機関で働きたい」(康さん)、「弁護士を目指したい」(石川さん)、「英語を使った政治関係の仕事の就きたい」(宮下さん)と自身の将来を描く。
また、開催期間中はゲストによる基調講演もおこなわれた。24日に登壇した日産自動車元副会長の志賀俊之氏は、自身のグローバル企業での経験を踏まえてエールを送った。
アフガニスタンから参加した高校生は、経由地で足止めされて10日もかけて来日するなど、苦労して参加した参加者も居た。このような国ごとに違う文化や背景を持った人たちとの交流は、参加者たちにとって意義深いものとなったことだろう。
ベネッセ教育総合研究所(東京)は1月28日、家庭や塾など学校外での学習時間が高校生は増加に転じ、小学生は過去最長になったことを発表した。授業を除く平日の学習時間を尋ねたところ、小学生は平均で95.8分、中学生は90.0分、高校は84.4分で、いずれも前回を上回った。高校生は初回の90年(93.7分)から減少が続いたが、初めて増加。小学生は過去最長だった90年(87.2分)を上回った。同研究所は「『脱ゆとり』などで学校が指導を強め、宿題を増やしている側面が大きい」と分析している。
調査には昨年6~7月、公立校に通う小学5年生2601人(33校)、中学2年生2699人(20校)、高校2年生4426人(18校)が回答。これまで90年、96年、2001年、06年にも調査し、今回も含めおおむね同じ学校が答えた。