教科書10社、教員計4千人に謝礼

文部科学省は1月22日、教科書会社が検定中の教科書を教員に見せて謝礼を支払っていた問題で、小中学校の教科書を発行する22社のうち、12社が検定中の教科書を見せ、うち10社が公立小中学校の教員ら約4千人に現金などを渡していた、と発表した。馳浩文科相は22日の閣議後の記者会見で「規模を考えれば重大な問題。教科書会社に対してどう対処すべきか1カ月以内に判断したい」と話した。

がんの10年生存率、部位で差 国立がんセンター集計

国立がん研究センターなどの研究班は1月19日、がん患者の10年生存率を公表した。甲状腺がんや乳がんは80%を超えるが、膵臓がんは5%を切り、がんの発生部位によって大きな差があることがわかった。がん全体では約58%だった。全国がんセンター協議会(全がん協)に加盟するうち16施設で、1999年から2002年までに診断・治療を受けた3万5287例を追跡調査した。がん以外の原因による死亡の影響は補正した。全国規模で10年生存率を調べたのは初めて。

宮城県と仙台市、別々に教員採用 17年度以降

宮城県と仙台市の教育委員会は1月14日、いまは合同で実施している教員採用試験を、2017年度から別々にすると発表した。試験問題の作成や実技を含めた採点、合否判定などを県と市でしているが、17年度以降は、試験会場を分けて合否も独自に判定する。筆記試験の問題作りと採点だけ合同で行い、募集要項や採用人数もそれぞれが決める。筆記試験は同じ日のため、併願はできない。県が払っている市の教員の給与を17年度から市が負担することになるのに伴い、市側が要望していた。

人工知能研究スパコンで 文科省

文部科学省は2020年ころ稼働予定の次世代スーパーコンピューターを使い、人工知能(AI)の研究に乗り出す。16年度から研究に必要な専用ソフトウエアの開発に着手する。スパコンは「京」の後継機で計算能力は約100倍になる見込み。人工知能は電話応対や病気の診断精度向上など幅広い応用が期待され、各国で開発競争が激化している。現在、比較的規模の小さいコンピューターで研究している。世界トップ級のスパコンを利用すれば、従来の発想とは異なる成果が得られる可能性があるという。

軽減税率による減収額は1兆円 政府が統一見解

麻生太郎財務相は1月19日の参院予算委員会で、消費増税に伴う軽減税率導入による減収額は1兆円程度とする統一見解を公表した。政府は軽減税率による減収額が1兆円程度となる根拠を改めて示した。税率1%あたりの消費税額(家計消費関連)は約2.1兆円。このうち、家計調査における軽減税率の対象品目の消費額の割合(24%)を掛け、それに軽減税率の2%分を掛けたものと説明した。

 共産党は18日の予算委で、家計調査に基づく推計で約6千億円となると指摘していた。財務相は差異について「家計調査は約9千世帯を対象とするサンプル調査に基づく統計」と説明。減収見積額は従来通りとの立場を強調した。

訪日外国人、15年は前年比47%増の1974万人 過去最多

日本政府観光局(JNTO)が1月19日に発表した2015年の訪日外国人客数(推計値)は、前の年と比べ47%増の1974万人と、過去最高を更新した。14年は1341万人だった。円安で日本での買い物に割安感が出たほか、査証(ビザ)の発給要件の緩和などが奏功している。特に中国からの訪日客が大幅に増えた。同日観光庁が発表した訪日外国人消費動向調査(速報値)によると、15年累計の訪日客の旅行消費総額は3兆4771億円だった。過去最高だった14年の2兆278億円を上回った。

凸版印刷とNTTデータ、マイナンバー収集業務で協業

凸版印刷は1月18日、NTTデータと協業し、保険会社によるマイナンバー収集業務を代行する受託サービスを開始すると発表した。保険各社では大量のマイナンバー収集業務が発生し、業務負荷が高まっているという。そこで、金融業界でセキュリティ性の高いBPO業務に実績を持つ凸版印刷と、保険業界の業務システムに精通したNTTデータが協業し、マイナンバー収集を代行するソリューションサービスを提供。これにより、保険各社の負担を軽減し、安全で低コストなマイナンバーの収集を実現するとしている。

富山大 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館

国立大学で唯一の伝統医薬を扱う富山大学和漢医薬学総合研究所の民族薬物資料館には、漢方医学や中国医学、インド医学などで使われる生薬約2万8000点が所蔵されている。薬用ニンジンやシナモン類の桂皮など一般にもなじみが深いものに加え、富山の家庭薬「六神丸」に含まれる、ジャコウジカの「麝香」や、熊の胆のう「熊胆」など、珍しいものも多い。生薬以外にも「反魂丹」を製造していた機械、日本や中国の生薬について書かれた本草書なども所蔵、世界の伝統医学の歴史や富山で製薬業が発展した経緯を知ることができる。

自殺者、18年ぶり2万5千人下回る 6年連続減少

昨年1年間に自殺した人は2万3971人(速報値)で、6年連続減り、1997年以来18年ぶりに2万5千人を下回った。警察庁が1月15日に発表した。78年から統計を取り始め、最も多かったのは2003年の3万4427人。10年から減少を続け、12年から3万人を下回っている。昨年は、前年より1456人(5.7%)少なかった。都道府県別では秋田、群馬、石川、三重、和歌山、島根、岡山、山口、熊本、沖縄の10県が前年より多かった。人口10万人あたりの自殺者は多い順で、秋田26.8人▽島根25.1人▽新潟24.9人だった。

東北薬科大、医学部の競争倍率24倍 4月開設

東北薬科大学(仙台市)は1月14日、4月に開設する医学部の入学試験の志願状況を発表した。定員100人に対して志願者数は2463人で、競争倍率は24.63倍だった。出願はインターネット経由で、受け付けは13日に締め切った。奨学金を貸与するA方式(定員35人)とB方式(同20人)、貸与しない一般枠(同45人)があり、併願も可能。A方式とB方式は貸与額が異なり、A方式は6年間の学費3400万円のうち3000万円が貸与される。全体の6割に当たる1465人がA方式を第1志望にした。