中央区、理数教育向上へ早稲田大と協定

東京都中央区は小中学校の理数教育の質の向上を目指し、早稲田大学と協定を締結した。区は早大の協力を得て、子どもの関心を高める理科の実験や教材づくりなどに取り組む。大学側には教員や学生らの教育・研究の場として、学校を活用できる利点がある。協定を結んだのは早大の学部や大学院などからなる理工学術院。協定を踏まえ、区は区立城東小で科学実験教室を計画している。

坂戸市の「学力のびのび塾」小4希望者対象 小学3年の国語と算数のドリル使用

坂戸市は同市内の小学4年生の希望児童を対象に、6月6日から来年3月5日までの土曜日に月2回程度(計21回)、小学3年の国語と算数のドリルを使った自習を教員経験者らがサポートする学習支援事業「学力のびのび塾」を始める。漢字の数が急増したり、小数や分数の学習が始まったりする小学3年で勉強につまずくと、4年生以降に大きな影響が出るという。このため、各小学校を通じて塾の参加児童を募ったところ、4月末までに市内の4年生児童の1割近い92人が参加を申し込んだ。

子どもたちのキモチを伝える力 もじコンフェスティバル開催

5月17日、クイーンズスクエア横浜にて、おもしろ文字コンテスト2015(もじコンフェスティバル)(以下、もじコン)が開催された。幼児・小学生を対象とした学習教室を展開する株式会社ガウディアが主催するこのもじコンは、小学生以下を対象とした「オリジナル文字のコンテスト」である。

親子で文字を鑑賞する姿が目立った

親子で文字を鑑賞する姿が目立った

「他者に考えやキモチを伝えないと生きていくことはできません。この『もじコン』という場をとおして、子どもたちに自分のキモチを自由に表現してもらい、楽しみながらその力を身に付けてもらえればと思い、企画しました」と、株式会社ガウディア経営企画部副部長の小澤将司氏は開催した意義について語った。

受賞候補作品

受賞候補作品

もじコンはまだ開催されて2回目。しかし今回は、なんと6000通を超える応募作品が寄せられた。この試みに多くの関心が寄せられていることがうかがえる。そして、「塾や学校の授業にも使ってもらいたい。さらには、ひとつの文化になってくれればいいですね」と小澤氏は続けた。

小原さんの「もうどうけん」

小原さんの「もうどうけん」

見事に最優秀賞に輝いたのは、小原圭翔さんの「盲導犬を表現した」文字。受賞した小原さんは、「横断歩道に目の見えない人がいて、そのそばにいた盲導犬が印象的で、文字にしようと思った」と、制作した経緯を檀上で語ってくれた。

ことちゃんと最優秀賞を受賞した小原さん

ことちゃんと最優秀賞を受賞した小原さん

審査委員のひとりであるNHKEテレ「いないいないばあっ!」の4代目おねえさん、「ことちゃん」こと空閑琴美さんは、「この『もうどうけん』という文字が本当にあったらいいなと素直に思いました」と受賞理由を語った。来場者にも最優秀賞にふさわしい文字を投票で募集していたが、こちらも見事に小原さんの作品が最多票を獲得した。

子どもたちは自由な発想を持っている。その発想を文字として表現することによって、しいては生きる力を身に付けることになるではないだろうか。ガウディアの試みは、子どもたちの発想と同様に、ひろい視野を持った試みである。会場には最優秀候補作だけではなく、応募作品の一部も紹介されており、たくさんの来場者たちが、足を止めて子どもたちの作品をじっくりと見ている姿が印象的だった。

受賞候補に残った子どもたちと審査員たち

受賞候補に残った子どもたちと審査員たち

講師力を競え 湘南ゼミナールが模擬授業大会

会場に入った瞬間からその熱気に圧倒された。5月15日に行われた湘南ゼミナールQ1グランプリは、神奈川を中心に関東圏で進学塾、予備校を展開する湘南ゼミナールの模擬授業大会である。地域の予選を勝ち上がり、決勝に残った9名の講師たちがチャンピオンになるべく競った。今回で第3回を数える。会場内は、熱気に包まれ、みな決勝に残った講師たちの授業に注目していた。

Q1グランプリの会場は熱気に包まれていた

Q1グランプリの会場は熱気に包まれていた

ルールは、12分間の持ち時間の中で、講師各々が考案したオリジナルの授業を生徒役の同じ教科の講師に向けて行う。それを審査員たちに判定してもらい、投票によりチャンピオンが決定する。講師たちは黒、赤、青のペンを片手に持ち、テンポのよい授業が展開された。どの講師たちも生徒を飽きさせない工夫が随所にみられ、だれがチャンピオンになってもおかしくない授業が行われていた。

授業をする鈴木先生

授業をする鈴木先生

その中でチャンピオンに輝いたのは、2位とは1票差という僅差を制した西船橋教室の鈴木徹先生。鈴木先生は第2回チャンピオンでもあり、史上初の連覇となった。トロフィーを授与された鈴木先生は、「もっとQEを鍛えていきたいと思います」と抱負を語った。

トロフィーを受け、抱負を語る鈴木先生。その表情は、戦いを終えて安堵しているようにも思えた

トロフィーを受け、抱負を語る鈴木先生。その表情は、戦いを終えて安堵しているようにも見えた

QEとは、湘南ゼミナールのオリジナル指導法であり、「クイックエクササイズ」の略である。QE授業はテキストを使わず、先生が発問するところから始まる。そのため、生徒は思考プロセスと答えをノートに記すことになり、先生は生徒の挙手などで理解度を見極め、次の問題を考え出す。生徒の理解度が高ければ、ワンランク上のレベルの問題を発問、理解定着が不十分ならば、同レベルの問題をもう一度行う。常に生徒たちの理解度に合わせ、先生と生徒で言葉のキャッチボールをすることで、ともに空間全体をつくりながら授業を進めていくのが特徴的である。

鈴木先生は、国語を担当しており、今回の授業では、指示語についての講義が行われた。指示語は、普段使われている言葉だが、この「既知の表現」を深める授業が行われた。その授業は、担当する科目だけではなく、国語の本質を学ぶことができる思考力を鍛える授業であった。

このグランプリは、授業力を試す場であるだけでなく、決勝に残った授業を見ることによって、ほかの講師たちにとっても大きな勉強の機会といえる。湘南ゼミナールのこの取り組みは、講師が自ら授業力を高めていく文化をつくる場になっているだろう。ぜひ、今後も続けていってもらいたい。

保育定員を2082人増 世田谷区

東京都世田谷区は2015年度に、保育サービスの定員を2082人増やす方針を決めた。14年度の1221人から大幅に増やし、過去最大の規模とする。同区の今年4月の保育定員は1万4675人で、5年間で約5000人増やした。ただ、就学前人口も同規模で増えている。定員増が需要に追い付いていないため、大幅に拡充する。国有地などを活用し、認可保育所の施設整備を中心に取り組む。15年度からの新制度である、主に0~2歳児を対象とする小規模保育も含め、幅広い需要に対応する。

神奈川大、法科大学院の募集停止 来年度から 

神奈川大(横浜市)は6月2日、2016年度から法科大学院の学生募集を停止すると発表した。廃止については白紙としている。司法試験の合格率が低迷し、志願者が大規模校に集中していると指摘。「地域密着型の法曹養成という理念の実現が難しくなった」と説明している。文部科学省によると、廃止も含めた募集停止は全国で27例目。

講師としての自身向上と指導力研鑽の場に 千葉学習塾協同組合が授業力アップ研修 6月28日に開催

千葉学習塾協同組合(西出一信理事長)は、6月28日(日)、授業力アップ研修を千葉市文化センターで開催する。研修は、「授業力アップ研修」「特別授業」「特別研修」の3部制となっており、講師としての⾃信やモチベーションの向上をはかるとともに、他塾の講師がおこなう授業を実際に見学して、指導力の研鑽の機会にする。

授業力アップ研修は、優劣をつけることが目的ではなく、あくまで先生たちの自身向上のために毎年1回おこなわれている。昨年までは、一斉授業のみで実施していたが、今年からは参加者の要望に応えて個別指導部門も設置する。これに、昨年から加わった「ルーキー」部門を含めて3つの部門に分かれて研修する。同研修は、毎年マイナーチェンジを繰り返している。

また、ルーキー部門には、立ち位置や板書の仕方、話し方や表現の仕方など25項目の採点基準があらかじめ公開されており、それに沿って授業準備出来る。そして、同組合が設定した「到達基準」に到達した先生には「認定証」を与えられる。模擬授業のエントリーは、6月18日(木)(見学の申し込みは同22日(月))までとなっている。

特別授業の部では、昨年度の授業力アップ研修で最優秀賞を受賞した、日米文化学院の大久保貴博先生と、5月24日に開催された第10回 全国模擬授業大会で最優秀賞を受賞した、開倫塾の津久井一則先生が模範授業を披露する。また、今回の新たな試みとして「『むちゃぶり?』即興授業」が組み込まれている。ここでは、同協同組合に加盟する塾長クラスの先生が、会場からのお題に応える形で、即興の模範授業をするというもので、プロとしての腕が問われる。

そして、特別研修では発達障害の理解を深めるため、千葉大学医学部付属病院の児童精 神科医・久能勝先生を招いて、発達障害と向き合う保護者の経験談を踏まえた基礎知識講座やワークショップがおこなわれる。発達障害を知る事は保護者・学校に次ぐ第3の大人である塾の先生の義務であるという考えにもとづいて、ADHD、LD、アスペルガー症候群といった生徒と向き合い方や、保護者との対応など、これまでの誤解を解き、反省し、今後正しく対応することで、塾経営にどう活かしていくか考える。

この研修についての申し込み、問い合わせは、総合教育商社 翔英館の井原⼤平代表(Email:SHOEIKAN*aol.com)、FAX.0479-21-3218)まで。同組合に加盟していない塾の先生も申し込める。

※Emailの(*)は(@)に変換してメール送信。

授業力アップ研修会の概要
    【⽇時】2015年6月28日(日) 10:00-17:25
    【場所】千葉市文化センター
JR・京成千葉駅 徒歩10分。京成千葉中央駅徒歩7分。
〒260‒0013 千葉市中央区中央2-5-1 TEL.043-224-8211
   【参加費】3,000円(税込・昼⾷代込み)
※模擬授業者・見学者とも同額です。
※費⽤は当⽇お持ちください(領収書を発行致します)。
    【対象】より良い授業を⽬指す全ての塾講師の方
※お申し込みは先着順となりますので、お早めにお願い申し上げます。
【模擬授業定員】⼀⻫授業部門 8名 個別指導部⾨ 8名 ルーキー部⾨ 10名
  【締め切り】第一次締切   6⽉11日(木)
第二次締切   6⽉18日(木) 模擬授業エントリー最終締切
第三次締切   6⽉22日(月) ⾒学者最終締切

 

千葉学習塾協同組合の授業力アップ研修会

関西大が開発「飲み込みやすいパン」

関西大学は白ハト食品工業(大阪府守口市)と飲み込みやすい素材を使ったパン「おいも ぬくもりパン」を共同開発した。エノキタケから「接着タンパク質」のエキスを抽出する技術を開発。このエキスは、素材に添加する量によって、食品などの固さを調節することができる。ダシの塩分のみを使っているため、通常のパンの6分の1に減塩されているといい、栄養管理面でもメリットがある。同社が経営する「らぽっぽベーカリー四谷店」(東京都新宿区)など全国3店舗で5月から販売しており、価格は1個172円(税込み)。

保育施設、トラブル多発 都内で急増

東京都内の認可保育施設で、保育の質の低下などに伴うトラブルが目立ってきた。待機児童解消へ定員を増やす一方で、保育士の育成が追いつかない状況が背景にある。文京区は今年4月以降、課題を抱える保育所に対し区立保育所の元施設長らが毎日現場を巡回し、今も保育指導にあたっている。内容は子供のあやし方から人員配置まで運営全般。保育所運営の要諦となるのはベテラン保育士の配置やチームプレーだが、保護者の不安解消につなげるには課題も多い。

山梨大ワイン科学研究センター

山梨大学は果実酒の製造免許を持つ唯一の国立大学だ。ワイン科学研究センターは収穫量が全国1位の山梨県産ブドウを使い、国産ワインの研究に取り組む。発酵に適した酵母の基礎研究からブドウの育成方法といった実用研究まで手がける。甲州ワインを世界に売り出すため、様々な取り組みを進めている。山梨大学甲府キャンパスの一角に、約230平方メートルのブドウ農場付きの3階建ての校舎がある。戦前の防空壕を利用した地下空間はワインの貯蔵室だ。1万本ほど集めており、60年以上前に製造されたものもある。