飛鳥未来高校グループ 在籍生徒数21985人、全国45キャンパスに展開

 学校法人三幸学園は10月5日、同法人が運営する通信制高校「飛鳥未来高校グループ」の在籍生徒数が、2025年5月1日時点で21985人になったと発表した。発表日現在の人数ではなく、同日時点の法人集計である。内訳は、飛鳥未来高等学校が10149人、飛鳥未来きずな高等学校が8181人、飛鳥未来きぼう高等学校が3655人。飛鳥未来高等学校は2009年、飛鳥未来きずな高等学校は2017年、飛鳥未来きぼう高等学校は2024年に開校した。

 3校は、北海道から沖縄まで合計45キャンパスを展開している。学校別では、飛鳥未来高等学校が12キャンパス、飛鳥未来きずな高等学校が16キャンパス、飛鳥未来きぼう高等学校が17キャンパスとなる。通信制高校を選ぶ生徒が増える中、単一グループで在籍者が2万人を超える規模に達していることは、教育市場の構造変化を示す。通信制高校では、オンライン学習だけでなく、通学機会、学校行事、進路指導、心理面の支援などを組み合わせた運営が広がっている。学習塾では、全日制高校のみを前提としない進路情報の整備が必要になる。通信制高校への転入・編入相談に加え、在籍生徒の大学進学支援や通塾需要も、今後一段と大きな市場になるとみられる。

鳥取県教委 保護者などからの不当要求への対応マニュアル、10月から運用

 鳥取県教育委員会は10月1日、県立学校を対象とする「教職員に対する要望等への対応マニュアル」の運用を開始した。保護者や地域住民から寄せられる苦情や要望に誠実に対応する一方、社会通念上許容される範囲を超える言動から教職員を守るため、組織的な対応手順を定めた。

 初期対応では、担当者が内容を記録して関係職員と管理職へ報告し、役割分担や対応方針を決める。面談は複数人で行い、電話を含めて可能な限り録音することも示した。録音時は原則として事前に相手へ伝える。

 不当要求等に発展した場合、面談時間は30分程度を基本とし、状況に応じて60分程度までとする。電話はそれより短い時間を目安とする。終了を伝えても退去しない場合は管理者が退去を命じ、応じなければ警察に通報する。組織だけでの対応が難しい事案では、弁護士による代理対応への切り替えも検討する。

 学習塾でも保護者対応を教室長や担当講師だけに任せると、長時間対応や精神的負担につながりやすい。面談時間、記録方法、管理職への報告、警察や弁護士への移行基準を事前に定める考え方は、民間教育機関の危機管理にも応用できる。

Meshclass、外国人児童生徒向けAI日本語学習アプリの学校版を開始

 株式会社Meshclassは10月1日、外国人児童生徒の日本語学習を支援するAI学習アプリ「Meshclass」の学校向け正式版を、小中高校、教育委員会、自治体向けに提供開始した。学校生活で使う会話や学年別漢字に加え、算数・数学、理科などの授業を理解するために必要な日本語を学べる。AIとの会話練習や自動フィードバック、個別の復習問題、教員による課題配信、自動採点、学習進捗管理などの機能を備える。

 Webブラウザー、iOS、Androidに対応し、Chromebookなど学校配備端末でも利用できる。画面表示は17言語に対応する。同社によると、一般向けサービスを含む累計登録者数は10万人を超えた。

 同社が文部科学省資料をもとに示した数字では、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒は2023年度の5万7718人から、2025年度には7万3313人へ増加した。外国人児童生徒への支援は、生活上の日本語だけでなく、教科学習や高校進学まで含む課題になっている。学習塾にとっても、日本語教育と教科指導を組み合わせたサービス需要が広がる可能性がある。 

上田市、ふるさと納税に「長野大学応援コース」 返礼品に授業料クーポン

 長野県上田市は10月1日、ふるさと納税制度を活用して公立大学法人長野大学を支援する「学生の挑戦にエールを!長野大学応援コース」を新設した。在学生の保証人などに対する返礼品として、指定した学生の授業料から一定額を控除できるクーポンを提供する。朝日新聞の報道によると、寄付額は1万〜50万円で、寄付額の3割相当を授業料クーポンとして交付する。卒業生をはじめ、学生を指定せずに大学を支援する寄付者は、上田市の通常の返礼品を選択できる。

 寄付金は、大学施設の改修・改築、教育研究に必要な備品や設備の整備などに活用する。長野大学では2026年4月、理系学部の新設と既存学部の再編に伴い、教育研究環境の大規模な整備が進められている。上田市は、安定財源の確保に加え、大学の教育研究活動や地域貢献を発信し、認知度向上と学生確保につなげるとしている。

 少子化で地方大学の経営環境が厳しくなる中、自治体のふるさと納税を大学の施設整備、学費負担の軽減、学生募集に結び付ける取り組みとして注目される。

京進、生成AIアプリ活用で年間約5600時間の業務削減を試算

 京進は10月1日、生成AIアプリケーション開発基盤「Dify」の全社活用により、年間約5600時間の業務削減効果を見込んでいると発表した。教育、保育、介護など国内外約500拠点を持つグループで、現場社員が業務用AIアプリを開発する体制づくりを進めている。活用例の一つが面談記録アプリである。録音データから文字起こし、要約、記録作成までを行い、面談業務の効率化とノウハウの蓄積を図る。音声処理に使用するモデルを見直し、処理費用を1分当たり約1円から約0・1円へ抑えたという。

 社内問い合わせに対応するFAQボットも構築した。各部門のマニュアルを取り込み、従業員からの質問に回答する。アプリ内で削減時間を自動計算し、効果測定にも取り組む。

 教育企業の生成AI活用は、文章作成や教材生成にとどまらず、面談記録、社内問い合わせ、マニュアル検索など教室運営の間接業務へ広がっている。京進は今後、現場でAIアプリを開発できる「市民開発者」の育成も進めるとしている。

学研「Gakken高等学院」 2027年4月に4キャンパス開校、全国17拠点へ

 学研ホールディングスは10月1日、通信制高校サポート校「Gakken高等学院」の川口、新百合ヶ丘、日進、高石の4キャンパスを、2027年4月に開校すると発表した。開校後の拠点数は全国17キャンパスとなる。新設するのは、埼玉県川口市、神奈川県川崎市、愛知県日進市、大阪府高石市の4拠点。クラーク記念国際高等学校と連携し、高校卒業資格取得に向けた学習や進路選択を支援する。高校キャンパスの設置は認可申請中である。

 中学生向けのフリースクールに当たる「中等部」も拡大する。川口と高石では2027年4月に高校と同時開校し、日進と新百合ヶ丘については2026年度中の開校を予定する。10月1日から入学相談の受け付けを始めた。

 学習塾企業にとって、通信制高校サポート校とフリースクールは、従来の受験指導とは異なる成長領域になっている。今回の展開は、高校進学後の学習・生活・進路支援に加え、中学生段階から継続的に生徒と接点を持つ事業モデルを強化するものとみられる。

全国学力調査、都道府県別の学力差は狭い範囲 低SES層とICT活用も分析

 文部科学省と国立教育政策研究所は9月30日、2026年度全国学力・学習状況調査の都道府県・指定都市別分析結果を公表した。公立学校の結果を分析したところ、全教科で地域別の平均正答率・スコアの分布は全国的な傾向と大きな差がなく、都道府県間のばらつきも狭い範囲に収まった。過年度と比べても、ばらつきに大きな変化はなかったとしている。

 調査は4月20日~5月29日、小学校6年生と中学校3年生を対象に実施した。小学校は国語と算数、中学校は国語、数学、英語を調査した。中学校英語は「聞く・読む・書く・話す」の4技能を全面的にCBT化し、IRT(項目反応理論)に基づくスコアで結果を示した。

 今回の分析では、平均値だけでなく、正答数やIRTバンド別の児童生徒の分布も掲載した。各地域の学力上位層・下位層の割合を把握できるようにし、自治体間の単純な順位付けから、学力分布や学習環境を含む多面的な分析へ転換している。

 家庭にある本の冊数を社会経済的背景(SES)の代替指標とした分析では、蔵書が0~25冊の低SES層ほど、各教科の正答率やスコアが低い傾向が確認された。一方、低SES層でも学力下位層が少ない、または平均スコアが高い都道府県では、児童生徒がICT活用への自信について肯定的に回答する傾向がみられた。ただし、今回の結果は両者の因果関係を示すものではない。

 学習塾にとっても、地域の平均正答率だけでなく、学力下位層の割合や学習環境、デジタル活用状況を組み合わせて指導課題を捉える必要性を示す資料となる。各都道府県・指定都市の個別結果資料は10月2日に公開される予定で、地域ごとの指導課題や特徴を確認する材料となりそうだ。

修徳中高、Monoxerを5教科へ拡大 英検2級合格者は51人から98人に

 モノグサ株式会社は9月30日、同社の記憶定着学習プラットフォーム「Monoxer」を導入する修徳中学校・高等学校で、2025年度の英検2級合格者が98人となったと発表した。2023年度、2024年度の51人から増加した。英検準1級の合格者も1人から4人に増え、1級取得者1人を含め、準1級以上の取得者は計5人となった。同校は、Monoxer上で「いつまでに記憶度を何%にするか」を設定し、生徒の学習状況を教員間で共有。英単語学習の継続が、英検の語句空所補充問題における得点向上を支えた一因と分析している。

 国語では語彙学習に活用し、古文単語の正答率が上昇。前年度の定期試験全体平均点との比較で約8点上がったとしている。こうした結果を受け、2026年度からは英語、国語に数学、理科、社会を加え、利用を5教科へ拡大した。今回の数値は1校の導入事例であり、合格者増加をMonoxerだけの効果と断定することはできない。一方、教材の導入に加え、到達目標の設定、教員研修、学習状況の共有まで運用を共通化した点は、学習塾がAI教材や学習アプリを教室全体へ定着させる際の参考となる。

河合塾グループ、ベトナムのVCファンドへ投資 教育・人材育成企業との提携を探索

 河合塾グループの持株会社である株式会社KJホールディングスは9月28日、ベトナムのベンチャーキャピタル、Do Venturesが運営する「Do Ventures Fund II, LP」へ投資したと発表した。投資額は公表していない。Do Venturesは2020年設立。ベトナムと東南アジアのスタートアップを対象に、シードからシリーズAを中心とした投資を行っている。重点分野にはAI、教育・人材育成、ヘルスケア、金融サービス、気候変動関連などを掲げる。

 KJホールディングスは今回の投資を通じ、Do Venturesが持つベトナムのスタートアップ市場に関する知見やネットワークを活用する。教育・人材育成分野を中心に現地企業との接点を築き、将来の事業提携や直接投資、新たな教育事業の展開につなげる方針だ。河合塾グループはベトナムを、経済成長と中高所得層の増加に伴って教育需要の拡大が見込まれる重点市場の一つに位置付けている。教育企業の海外進出では、現地校の開設や教育サービスの直接展開に先立ち、ファンドへの投資を通じて市場情報と提携候補を得る手法も選択肢となる。河合塾グループが今後、どの教育領域で現地企業との提携や投資を具体化するかが注目される。

文科省、広域通信制高校の運営確保を議論 府外施設への指導や実地調査が論点に

 文部科学省は9月29日、「通信教育の適正な実施・運営の確保のための基本的な指針等に関する検討会議」の第2回会合を開いた。広域通信制課程の運営と、通信制高校が設ける本校以外の施設に対する指導・監督の在り方などを議論した。大阪府の発表資料によると、府が認可する通信制高校は14校で、府外を含む通信教育連携協力施設は61施設に上る。府は、狭域通信制高校9校には2年に1回、広域通信制高校と株式会社立高校の計5校には毎年、実地調査を行っている。一方、連携協力施設が他都道府県に所在する場合を含め、全施設を訪問して運営状況を確認することは難しいとの課題を示した。

 会合では、認可した都道府県と施設所在地の自治体との情報共有、サテライト施設における教育活動の把握、生徒の安全確保などが論点となった。現時点では制度改正や新たな基準が決定したものではなく、国が策定する基本指針に向けた検討段階である。通信制高校と連携する学習塾やサポート校にとっても、施設の位置付け、教員配置、募集活動、学習指導の記録などに関する監督が今後強化される可能性がある。会議の議論と基本指針の内容を継続して確認する必要がある。