次期学習指導要領の審議まとめ、11月5日まで意見公募 2030年度以降順次実施へ

 文部科学省は10月6日、次期学習指導要領等に向けた審議まとめについて、パブリックコメントを開始した。募集期間は11月5日午後11時59分まで。次期学習指導要領は、2030年度以降に学校段階ごとに順次実施される予定である。

 審議まとめでは、子供一人ひとりの学びの充実や教育課程の柔軟化に加え、情報教育、生成AIやメディアとの関わり、不登校児童生徒などへの対応が論点となっている。情報活用能力を各教科横断で育成するとともに、発達段階に応じた情報教育を充実させる方向性も示されている。

 今回の意見公募は、制度の正式決定そのものではない。文科省は提出された意見を踏まえ、中央教育審議会で次期学習指導要領の具体的な検討を進める。

 学習指導要領の改訂は、学校だけでなく、学習塾の指導内容や教材、模擬試験、講師研修にも影響する。とりわけ情報教育や生成AIの扱いが具体化すれば、教科指導と情報活用能力をどう組み合わせるかが、民間教育にも問われることになる。

神戸大学、防衛装備庁の研究支援制度に9件申請 応募解禁後初

 神戸大学が、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」の2026年度公募に、医療や材料など4分野の基礎研究計9件を申請していたことが分かった。朝日新聞が情報公開請求で取得した研究課題申請書を基に、10月6日付で報じた。

 同制度は、防衛分野での将来的な活用が見込まれる先進的な基礎研究に対して研究費を支給するものだ。朝日新聞によると、神戸大学が同制度への応募を解禁して以降、実際に申請したのは今回が初めて。9件は外部有識者による審査を受け、採否が公表される予定という。

 大学による安全保障関連研究を巡っては、研究資金の確保や先端技術の社会実装を期待する立場がある一方、研究の軍事利用や学問の自由との関係を慎重に考えるべきだとの意見もある。今回は申請段階であり、個別研究の詳しい内容や採択結果は確認されていない。

 少子化や研究費不足が進む中、大学は公的資金、企業との共同研究、寄付など研究財源の多様化を迫られている。安全保障分野の研究費を受け入れる動きが広がるかは、大学の特色化や理工系人材育成、受験生の大学選択にも影響する可能性がある。

塾全協西日本ブロック、11月8日に「第50回全国研修大会」を新大阪で開催

 NPO学習塾全国連合協議会(塾全協)西日本ブロックは、11月8日(日)に大阪市淀川区の新大阪で「第50回全国研修大会」を開催する。講演には、読売テレビの気象キャスターとしておなじみの蓬莱大介氏を迎える。研修大会の後には懇親会も予定されている。

 大会テーマは「人生の天気は変えられる~ピンチを乗り越える知恵~」。講師の蓬莱大介氏は、気象予報士・防災士として、テレビの天気予報で活躍している。講演では、これまで多くの挫折をどう乗り越えてきたか、その経験から何を得たかといった話が予定されている。日々子どもたちと向き合う教育関係者にとって、指導の現場で活かせる内容になるだろう。

【大会概要】

第1部 研修大会

 日時:11月8日(日)14:30〜17:15(受付は14:00から)

 参加費:1,100円(会員は無料)

 会場:アットビジネスセンターpremium新大阪 910号室
(大阪府大阪市淀川区西中島5-14-10 新大阪トヨタビル9F)
アクセス:JR新大阪駅正面口より徒歩3分、御堂筋線新大阪駅南口より徒歩1分

第2部 懇親会

 日時:17:30〜19:30

 参加費:8,000円

 会場:チャイナテーブル(新大阪ワシントンホテルプラザ23階)

後援は、(公社)全国学習塾協会、関西私塾教育連盟、泉州私塾連合会、関西私塾の会である。

講師プロフィール

蓬莱大介(ほうらい・だいすけ)氏は、1982年兵庫県明石市出身。2009年に第32回気象予報士試験に合格し、2011年から読売テレビの気象キャスターを務めている。司会者や出演者との掛け合いで進める天気予報で、「好きなお天気キャスターランキング」に10年連続でランクインしている。

参加申込

 締切:10月22日(木)必着

 申込方法:下記申し込みフォームもしくは、右のQRコードから申し込む。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfLkRnAImcSyCRcgWMLXbPIDf2z5_rkCKd1_WvuYbDSW1tUUg/viewform

 

  •  参加費は申込時に振り込む(振込手数料は負担)
  •  申込先:NPO塾全協西日本ブロック事務局
  •  〒671-1254 兵庫県姫路市網干区余子浜1880-2(あすなろ学園内)
  •  E-mail:QZV13755@nifty.com
  •  FAX:06-6382-1560(共学館義塾) TEL:079-273-2561

平安女学院大学 2028年度から共学化、「京都地域共創大学」に名称変更へ

 学校法人平安女学院は10月5日、平安女学院大学を2028年度から男女共学とし、大学名を「京都地域共創大学(構想中)」へ変更すると発表した。併せて、学部構成と設置者を含む大学組織の再編を進める。2028年度以降、京都キャンパスでは国際観光学部のみを運営する単科大学となる。同学部は、AIなどの技術革新やグローバル化を踏まえて教育内容を刷新する。具体的なカリキュラムは今後公表する。

 高槻キャンパスの子ども教育学部については、学校法人創志学園が運営する環太平洋大学へ2028年4月に設置者を変更するため、両法人が基本合意書を締結した。認可申請を予定しており、移管後は男女共学となる。現在の教育内容を継承しながら、環太平洋大学の学部として運営する。

 学校法人平安女学院の名称や、平安女学院中学校高等学校の運営には変更がなく、中高は女子教育を継続する。附属こども園も同法人が引き続き運営する。

 共学化、大学名称の変更、単科大学化、学部移管を同時に進める大規模な再編である。少子化が大学経営を圧迫する中、大学ブランドと教育資源を組み替え、募集対象を広げる動きとして注目される。塾や予備校では、2028年度以降の学部構成、入試制度、募集人員を継続して確認する必要がある。

大阪公立大学にサイバー攻撃 授業休講、入試日程にも影響

 大阪公立大学で発生した大規模なシステム障害について、同大学は10月5日の記者会見で、ランサムウェアによるサイバー攻撃を受けた可能性が高いと明らかにした。新聞各社の報道によると、約500台のサーバーが停止し、学生や教職員など少なくとも13万人分の個人情報が流出した恐れがある。現時点で実際の流出は確認中である。

 障害は10月2日未明に発生した。大学の臨時サイトによると、ネットワーク、学内メール、ポータルサイト、教務系システムなどが利用できなくなり、10月2日から8日まで全キャンパスの授業を休講とした。9日以降は対面授業の再開を予定しているが、システムの復旧時期は明らかになっていない。

 入試にも影響が及んだ。日本経済新聞は、総合型選抜などの出願登録や一部の入学手続きについて、大学が期限を10月22日まで延長したと報じている。

 教育機関では、授業、成績、保護者連絡、決済、入試などの業務が一つの情報基盤につながっている。今回の事案は、システム停止が教育提供と募集活動を同時に止める危険性を示した。学習塾や教育企業にも、データの分離保管、復旧手順、代替連絡手段、委託先を含めた情報管理体制の点検が求められる。 

中教審、次期学習指導要領に向けた審議まとめ 小中学校の情報教育を拡充

 中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会は10月5日、「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」を取りまとめた。生成AIなどデジタル技術の発展を踏まえた情報教育の拡充、教育課程の柔軟化、多様な児童生徒を包摂する仕組みを、次期改訂の主要な方向として示した。情報教育では、小学校の総合的な学習の時間に「情報の領域」を設け、中学校では技術・家庭科を再編した「情報・技術科」を創設する方向を盛り込んだ。情報の真偽や偏りを吟味する力、メディアリテラシー、情報モラル、デジタル機器との適切な距離の取り方などを、教育課程全体で育成する。

 生成AIが普及する中でも、AIに依存せず、書く・話すといった活動を通じて、自分の意見を根拠とともに表現することを重視した。知識の暗記にとどまらず、概念としての理解や、未知の課題に知識を活用する「深い学び」を求めている。

 教育課程では、一定の条件の下で各教科の授業時数を減らし、別の教科や学校独自の学習、教員の研究・研修などに振り替える「調整授業時数制度」を提示した。年間の標準総授業時数は現在以上に増やさず、教員と児童生徒に時間的な余裕を生み出す考えだ。

 不登校児童生徒や、特定分野で特異な才能を持つ児童生徒を対象とする特別な教育課程の新設も盛り込んだ。学校の授業内容や評価方法が変われば、学習塾にも情報教育、探究学習、記述・表現指導の再設計が求められる可能性がある。

文科省、高校教育改革の先導校等135件を採択 校内公営塾やAI活用も

 文部科学省は9月15日、「令和7年度 産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業」の採択結果を公表した。産業人材、理数系人材、多様な学習ニーズへの対応を柱に、全国の先導校等135件を採択した。このほか、遠隔授業拠点など、高校生の学びに直接関わる活動を担う教育委員会設置機関5件も選んだ。

 採択された学科は普通科61、工業科39、農業科24、商業科13、理数科11、水産科9など。計画には、半導体やスマート農業、データサイエンス、AIを活用した産業教育のほか、定時制・通信制高校における遠隔教育や、多様な学習機会の確保が盛り込まれている。

 学習塾業界との関係で注目されるのは、放課後学習支援や校内公営塾、AIドリル、生成AI活用、大学生・専門家による学習支援を組み込んだ計画が複数採択された点だ。学校と地域、大学、民間事業者が連携する形が広がれば、塾や教材会社が外部パートナーとして参画する機会につながる可能性がある。交付額は今後の確認・精査で減額される場合がある。

栃木県 不登校支援メタバースに東京書籍のデジタル教材を導入

 TOPPAN株式会社は10月1日、同社の不登校支援メタバースサービスが、栃木県教育委員会の「令和8年度メタバースを活用した不登校児童生徒への教育支援業務」に採用されたと発表した。実施期間は2026年10月1日から2027年3月31日まで。対象は、栃木県内に在住または在学する不登校・不登校傾向の小学生、中学生、高校生、特別支援学校の児童生徒。家庭で多くの時間を過ごし、メタバースによる支援を希望する児童生徒に、アバター交流、学習支援、1コマ45分程度のオンライン活動プログラムを提供する。

 今回、東京書籍のLive型デジタル教材「タブドリLive!」と初めて連携した。メタバース内の交流機能にデジタルドリルを組み合わせ、教員免許保有者を含む支援員が常駐する。開設は祝日と長期休業期間を除く火曜から金曜の13時から15時。県教育支援センターでは、来所型の活動や心理・福祉の専門職による保護者相談も実施する。

 自治体のオンライン不登校支援が、居場所の提供だけでなく、教材、人的支援、相談を組み合わせる段階に進んだ事例である。学習塾にとっても、自治体や学校と連携した教材提供、学習伴走、復学・進路支援などの役割が広がる可能性がある。

2027年度私立大学入試 慶應経済で小論文休止、中央大学はスポーツ情報学部新設

 株式会社ナガセは10月2日、2027年度の主要私立大学入試の変更点をまとめた「東進進学情報 vol.531」を公表した。一般選抜10大学、特別選抜13大学、英語民間試験利用例12大学を整理している。慶應義塾大学経済学部の一般選抜では小論文を休止し、A方式の数学とB方式の地理歴史について試験時間と配点を拡大する。総合政策学部と環境情報学部は、外国語の出題範囲を英語のみに変更する。

 早稲田大学政治経済学部は、共通テストを利用する一般選抜の外国語を英語のみに変更する。新設では、上智大学理工学部のデジタルグリーンテクノロジー学科が定員50人、青山学院大学の統計データサイエンス学環が60人、中央大学スポーツ情報学部が295人を予定する。

 関西大学は共通テスト利用入試の前期で13学部に8科目型を追加。立命館大学理工学部機械工学科はコース別募集へ変更し、同一試験日に同一学部内の2コースへ出願できる制度を新設する。

 入試科目の休止や配点変更は、塾の指導時間配分や受講科目の提案に直接影響する。各大学・学部の正式な募集要項を確認した上で、模試判定、過去問演習、併願設計を早期に更新する必要がある。

アカリク、サイシードから大学内広告・キャリアイベント事業を譲受

 株式会社アカリクは10月1日、株式会社サイシードから、大学キャンパス内で学生と企業をつなぐ学内接点事業を譲り受けた。サイシードは同事業を切り離し、AIチャットボットやAI搭載FAQなどのAI事業へ経営資源を集中する。譲渡対象は、大学の学食で利用するトレイへの広告、研究室向けダイレクトメール、情報誌「Discover Magazine」、デジタルサイネージ、学内キャリアイベントなど。情報誌は年1回、65000部を発行している。既存の取引やサービス利用状況はアカリクが承継する。

 同事業は1991年に大学生協書店で配布するブックカバー広告として始まり、その後、研究室への採用情報提供や学内セミナー、学食トレイ広告へと拡大してきた。今回の事業譲受は、アカリクの山田諒代表取締役の就任後、初のM&Aとなる。アカリクは、大学院生や研究者向けの就職情報サイトに加え、大学内の常設キャリア支援拠点「アカリクラウンジ」を全国6拠点で運営している。今回の譲受により、オンラインの登録者基盤と、学食や研究室など日常的な学生接点を組み合わせる。

 教育・人材企業にとって、学生に情報を届ける経路そのものが競争資源になっている。大学市場でのM&Aが、コンテンツやサービスだけでなく、キャンパス内の接点獲得へ広がっていることを示す事例である。