Category: 塾ニュース|大学

「卓越研究員制度」若手研究者の就職支援

優秀な若手研究者の雇用を確保する国の新制度「卓越研究員制度」について、大学や企業などからの受け入れ表明が想定を超える約300件に上ったことが分かった。同制度は、博士号を持つ来年4月1日現在で40歳未満の若手研究者が対象。同省が「新たな研究領域の開拓が期待できるか」などを書類と面接で審査、150人程度を「卓越研究員」に選び、大学や企業など受け入れを表明した機関への就職につなぐ。原則として終身雇用が条件だ。若手研究者に国のお墨付きを与え、就職を支援する取り組みといえる。

文部科学省 地域貢献や人材育成、海外展開など国立大86校の第3期中期計画を了承

文部科学省の国立大学法人評価委員会(委員長・北山禎介三井住友銀行会長)は3月23日の総会で、国立大86校が提出した2016年度から6年間の第3期中期計画を了承した。特色を打ち出すよう求める文科省の方針を踏まえ、各校は地域貢献につながる人材育成や海外展開などの具体策と目標を明示。評価委は今後、定期的に計画の達成状況などを評価し、文科省はその結果を運営費交付金の配分に反映させる。

大学生内定率87.8% 5年連続で上昇 2月時点

文部科学省と厚生労働省は3月18日、3月に卒業する大学生の2月1日時点の就職内定率は87.8%になり、前年同期比べ1.1ポイント増と発表した。上昇は5年連続。全国の大学から国公私立の62校を抽出し、就職希望者に占める内定者の割合を調べた。地域別では、関東が最も高い91.8%で、最も低いのは中国・四国の80.1%。どの地域も前年より上昇した。文系は87.3%(前年同期比1.1ポイント増)、理系は90.2%(同1.5ポイント増)。男性は86.5%(同1.2ポイント増)、女性は89.3%(同1ポイント増)だった。

今春卒業の防大生、任官拒否が47人 、昨年の2倍近く

防衛大学校(神奈川県横須賀市)を今春卒業する日本人学生419人のうち47人が、自衛官への任官を辞退する意向を示していることが分かった。辞退者の割合は全体の1割を超え、昨年の25人の2倍近くとなった。同省は民間企業の求人数増大など雇用情勢の改善が原因とみている。一方で、集団的自衛権行使の容認など、自衛隊任務を大幅に広げる安全保障関連法が29日に施行されることが影響したか、議論を呼ぶ可能性もある。

奨学金の未返済率、大学別に公表へ 日本学生支援機構

独立行政法人・日本学生支援機構は新年度から、奨学金の返済が滞っている人の率(未返済率)を、大学や専修学校など学校別に公表すると決めた。学校側の協力も得て未返済者を減らす狙いだ。昨年度末時点の未返済者は約32万8千人(未返済率9%)で、滞納額は計898億円。未返済者は年収が低い傾向があるという。学校別の公表は初めてで、大学や短大、専修学校が対象。新設校など一部は対象外とする可能性がある。

獣医学の共同大学院構想 東京農工大と岩手大

東京農工大(東京都府中市)と岩手大(盛岡市)は2018年4月をめどに獣医学の共同大学院を設置する構想をまとめ、両学長が3月16日、都内で準備のための覚書を締結した。獣医学分野の共同大学院は全国初という。両大学は既に、12年4月から農学部に学士課程の共同獣医学科(6年制)を設置し、遠隔講義などを実施している。さらに共同で4年制の博士課程を設けることで、10年間一貫した教育を提供するのが狙い。定員は両大学5人ずつ程度を予定している。

和歌山大、ドーム型ドラマ制作

和歌山大観光学部(和歌山市)はドーム全体に映し出す実写ドラマを国内で初めて制作し、キャンパス内のデジタルドームシアターで上映する。特注の魚眼レンズを装着した研究用カメラで撮った10分の短編で「ドームドラマ」と名付けた。登場人物が真上から客席を見下ろしたり、後方から手を伸ばしたりと、360度の展望を生かした演出をしている。監督や出演者はすべて大学の教員と学生が務めた。ドームドラマはプラネタリウムに代表されるドームシアターの用途を広げる試みで、2020年東京五輪の生中継も目指している。

三重大にイルカ繁殖研究施設

三重大(津市)は、イルカの繁殖を研究する「鯨類研究センター」(仮称)を新年度に国内の大学として初めて設置する。センターは学内に設置。鯨類が専門の吉岡基教授(同大副学長)が中心で、外部の研究者も招き、協力を得られた水族館で研究を進める。昨年5月に日本動物園水族館協会(JAZA)が追い込み漁によるイルカの導入を禁止したことを受け、国内で課題となっている安定した繁殖技術の確立をめざす。

熊本大薬用資源エコフロンティアセンター

熊本大学の薬用資源エコフロンティアセンターには、1300種類以上の薬用植物が栽培されている。旧細川藩の薬草園に由来するセンターは薬学部の組織だ。約7000平方メートルの敷地には、国内外の薬用植物のほか、阿蘇やその周辺に育つ在来種などが栽培されている。センターは植物の成分を分析し、医薬品の開発や健康維持に役立つ物質を探す研究に取り組む。こうした植物を産業に応用したり、地域の活性化につなげたりするのが狙いだ。

千葉商科大の健康志向チョコレート

千葉商科大学商経学部の学生が山形県立米沢商業高校、ロック製菓(東京・千代田)と共同で健康志向のチョコレートを開発した。砂糖の代わりに甘味料のパラチノースを用いてカロリーを抑え、健康食品として人気のあるシリアル「グラノーラ」を混ぜた。開発にあたりロック製菓から製造方法などの助言を受け、米沢商業高の生徒からはパッケージデザインなどについて意見を聞いた。商品名は「SANUS(サーヌス)チョコレート」(32グラム)で価格は税別220円。3月中に発売する。