湘南ゼミナール、障がい者雇用にて「職場改善好事例」奨励賞を受賞

湘南ゼミナールの特例子会社湘南ゼミナールオーシャン(横浜市中区)が障害者雇用の促進を目的とした平成27年度「職場改善好事例」(独立行政法人 高齢・障害・求職者支援機構主催)において、奨励賞(同機構理事長表彰)に選ばれたことが、厚生労働省より発表された。過去の受賞は、ホンダ、ソニー、リクルートなど大企業の子会社が選ばれることが多かったが、今回初めて教育サービスの関連企業が選出された。

「法令等を遵守し社会的責任を果たすために、障がい者に特別の配慮ができる特例子会社という制度を選びました。障がいのある方でどこまでできるだろうか、という不安の声も社内にありましたが、今では経理入力業務や文書PDF化など事務軽作業の欠かせない戦力として活躍しています。」と、湘南ゼミナール小山人事部長は語る。
「まだまだ試行錯誤の毎日です。受賞できたのは、第一に障がいのあるスタッフのがんばり、第二に特例子会社は経営を維持するための事業であり、長期的に見守るという経営陣の理解と協力があったからです」と、障がい者雇用の現場に立つ、湘南ゼミナールオーシャンの前山マネージャーは説明する。
同社は身体、知的、精神の三障がいの中でも雇用対策が最も遅れている精神障がい者を中心に雇用をおこなっている。「精神障がい者は1年以内の離職率が6割と言われていますが、弊社では1年以内で離職した社員はおりません。障がい者に活躍し続けてもらうためには、障がいに対する理解に加えて、一人ひとりの特性を見極め、長所に合った配置を行い、意欲を引き出し、成長を促し続ける現場力が必要です。教育の現場ノウハウを持っている塾業界は、障がい者の育成、定着に向いている人材が多くいるのではないでしょうか。」と前山氏。

社内表彰式の様子(前列左から2番目が志賀明彦社長)

社内表彰式の様子(前列左から2番目が志賀明彦社長)

障がい者雇用について、「本業に追われて進まない」と頭を痛めている経営者も少なくないだろう。教育サービス業の障がい者実雇用率は上昇しているものの、1.51%(全業種平均1.82%)と全業種中でワースト2位となっているのが実情だ。障がい者雇用に特化した特例子会社を設立している塾などの教育サービス企業はまだ数社しかない。来年には改正障害者雇用促進法や障害者差別解消法が施行される。障がい者雇用という、業界全体に問われる課題解決策の一つとして、今後も同社をはじめとする特例子会社の動向を見守っていきたい。

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