株式会社ファミリーマートは、こどもたちの教育支援の取り組みとして、SDGsなどをテーマに、社員を派遣して講義を行う「出前授業」や、こどもたちの訪問を受け入れる「企業訪問」を実施している。2020年からは、新型コロナウイルスの影響を鑑み、オンラインによる「出前授業」を開始し、合計14校で実施した。(2020年12月時点)
■こどものSDGs教育の支援など、多様なメニューを展開
出前授業は、小学校から高校までが対象。依頼された各学校からのニーズに合わせて授業内容を決定。従来は、コンビニエンスストア業態や商品、サービスなどを紹介する授業が主だったが、昨今では、SDGsをテーマにした授業が増えている。SDGsの基本的な知識の説明だけでなく、同社のSDGsに関連した具体的な取り組みの紹介や、「環境」をテーマに自身の環境目標を考えるようなワークショップの開催なども行い、参加者が、自身の身近な話題を通じて、SDGsを考える学びの場を提供する。
■オンラインでも開催
新型コロナウイルスの影響も鑑み、オンラインを利用した出前授業も開催。本年度開催の約7割がオンライン。インターネット環境がある学校であれば全国で実施可能。
また、こどもたちのキャリア教育支援の一環として、職場体験の受け入れなども行っていたが、昨今は、「働くことは」や「仕事とは」をテーマにしたオンライン授業として開催するなど、各学校と連携して取り組みを進めている。
■実施事例「被災地支援に関連した出前授業~ワカメ販売指導授業~」
2012年から毎年9月に、東日本大震災で津波被害を受けた岩手県大船渡市立末崎中学校で「ワカメ販売」を支援する授業を行っている。実際の販売時に役立つような挨拶や接客、手作り販促物の作成などをテーマにした出前授業を近隣の加盟店と合同で実施。2020年9月で9回目の実施となったが、今後も被災地支援の取り組みの一つとして継続していくという。
■その他のファミリーマートの「こども支援」の取り組み例について
①ファミマこども食堂
ファミリーマートの店舗スペースを活用し、地域のこどもたちや近隣の皆さまが、食事を楽しみながら地域交流を図ることを目的とした取り組み。食事だけでなく、レジ打ち体験や品出し体験などのメニューも用意している。(※店舗により、一部内容は異なる)。2019年4月から取り組みを始め、2019年度は全国で350回以上開催し、延べ4,000人以上が参加。
2020年度は、コロナウイルス感染症予防に配慮し、ご家庭や学童施設と店舗をオンラインでつなぐ「デジタルファミマこども食堂」の取り組みも進めている。
②ありがとうの手紙コンテスト
全国の小学生を対象に、「感謝の気持ち」を伝えることの大切さを学んでいただくことを目的に、2009年から毎年「ありがとうの手紙コンテスト」を開催。これまで12回の開催で延べ40万通の作品が寄せられた。2019年3月より文部科学省後援事業に認定され、実際の教育現場でも活用されている。本年度は約3万通の応募があり、12月25日に審査結果を発表する。
③募金活動を通じたこども支援
ファミリーマートの店頭募金「夢の掛け橋募金」などを通じて、公益社団法人「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」や特定非営利活動法人「国際連合世界食糧計画WFP協会」の活動を支援している。セーブ・ザ・チルドレンは、日本を含む120ヶ国でこども支援を行う、民間・非営利の国際組織。緊急・人道支援や保健・栄養、教育などの分野で活動している。国際連合世界食糧計画WFP協会は、飢餓をなくすことを使命に活動するWFP国連世界食糧計画(以下、国連WFP)を支援する認定NPO法人で、日本における公式支援窓口。食料支援が世界の平和構築に寄与したことが認められ、国連WFPは2020年のノーベル平和賞を受賞した。