月刊私塾界2021年2月号(通巻478号)

巻頭言

昨年の出生数が大幅に減少しそうだ。

 16年に初めて100万人を割った出生数が、19年には約86・5万人になった。昨年の1~10月の妊娠届け出数は72万7219件(前年同期比マイナス5・1%)。厚生労働省は20年の人口動態統計の年間推計をやめているため、朝日新聞社が例年の計算式に基づいて推計した結果、前年比マイナス2%の84・8万人程度になるという。新型コロナウィルス禍の影響で、出生数の減少に拍車がかかっている。

 そして、この影響は今年一層拡大しそうだという。「出生数が70万人台になる恐れもある」と、政府関係者が危機感を募らせている。

 この報に触れ、66年の「丙午」を思い起こした。迷信のため65年の出生数約182万人から約136万人へと急減したのだ。

 この丙午の現象は1年限りのことだったが、令和の出生数減は複数年に渡る。コロナ禍で出産、育児に対する健康不安ばかりでなく、経済的影響も大きく、少子化問題を複雑に、そして難しくしている。

 現在起きている少子化問題は、学習塾の経営に直ぐには影響しない。しかし、10年後には大きな課題となるであろう。丙午現象同様に。今から対策を検討しなければならないが、そう簡単ではない。

 出生数が100万人を割ることは何年も前からわかっていた。しかし、学習塾は何も対策を講じてこなかった。やろうと思い立っても、できなかったのかも知れない。 業界として考えなければならない事柄である。

(如己 一)

目次

8 挑む私学 立命館小学校 世界基準の小学校教育を実践

11 目次・巻頭言

12 NEWS ARCHIVES

36 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~

37 【特集】『学習塾白書2020』を読む

50 HOT TOPICS① 新しい高大接続と入試の在り方を考える 立命館とatama plusが「共同研究会」を設立

52 HOT TOPICS② 日本の大学教育が抱える課題と問題点に切り込む

56 TOP LEADER Interview 成基コミュニティグループ 代表 佐々木 喜一 氏  塾は、人づくり。企業は、イノベーションの創出。

68 教育サービス業界 企業研究(99) 教育開発出版株式会社

71 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(324)

72 疾風の如く(139)学習塾のBRIDGE(京都府)代表 谷川 純一 さん

74 好機到来(70) 株式会社オブリガードス(長野県長野市)代表取締役 林部 一成 さん

76 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(93)

78 白書界隈徘徊話(71) 西村克之

80 自ら動き出すチームにする方法(77) 中谷彰宏

82 塾の家計簿(45)

84 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(91)

85 芸術見聞録(91)

86 ぼくの幼児教育考(32)

87 塾長の机

88 為田裕行の「教育ICT行」(71)

89 1981(23)

91 Opinion from School(20)

92 林明夫の「歩きながら考える」(186)

94 新・授業改革を目指して(120) 石川幸夫

96 私塾界インサイト(35)

100 未之知也(92)

102 咲かせよ桜(72) 小林哲夫

106 論点2021(2) 増えないコミュニティ・スクール

110 編集後記

112 Book Review

114 塾長のためのガジェット講座

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