慶應義塾大学KMD研究所、新センター「フュージョンインダストリー研究センター」開設

 慶應義塾大学メディアデザイン研究所(KMD)は12月1日、核融合エネルギーの社会実装を学際的に推進する新組織「フュージョンインダストリー研究センター」を開設した。世界的に核融合開発が加速する中、日本では技術開発に比べ市場形成・制度設計・社会受容性といった“社会側の整備”が遅れていることが課題。本センターは、政策、産業、地域をつなぐ研究基盤として、その空白を埋める役割を担う。

 研究は「政策・戦略」「産業・自治体・市民連携」「社会実装支援」の3領域で展開。核融合の制度・規制の分析、産学のマッチング支援、地域住民との対話、商用化に向けたビジネスモデル検討など、技術以外の観点から社会実装を後押しする。各界から15名の研究者が参画し、J-Fusionや関西電力などとの共同プロジェクトも始動した。

 教育面では、2026年1月にJ-Fusionと共催する集中プログラム「フュージョン発電所のつくりかた」を実施。核融合を技術・産業・社会の横断で学ぶ新しい人材育成の場として注目される。今後も、京都フュージョニアリング社との社会経済効果分析や学会シンポジウムの開催など、核融合を“社会の力”へと変える取り組みが進む予定だ。

 KMDは「核融合を豊かな社会の基盤として捉える視点が不可欠」と強調しており、国内外で高まるフュージョン産業化の流れの中で、教育研究機関として新たな役割を提示した形だ。

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