KEC教育グループ、企業人材の出向で日本語教師不足に対応50代人材を教育現場へ、助成金活用の新連携モデル提言

 KEC教育グループ(本社・大阪府枚方市)は、日本語教師不足が深刻化する中、企業に在籍する50代人材を地域の日本語教育現場へ出向させる新たな支援モデルを提言した。「産業雇用安定助成金(在籍型出向支援)」や「雇用調整助成金」などを活用し、企業・教育機関・自治体が連携することで、外国人就労者への教育支援と地域間の教育格差解消を同時に目指す。

 近年、外国人労働者や定住者の増加により、日本語教育の需要は全国で急拡大している。一方で、特に地方を中心に日本語教師の不足が続き、一人の教師が数十人の学習者を担当するケースも少なくない。KEC教育グループは、自社のKEC日本語学院やキャリアコンサルティング事業で培った知見を生かし、企業人材を教育分野へ循環させる仕組みを構想した。

 モデルの柱となるのが「在籍型出向」。企業に雇用されたまま教育機関に出向する形を取り、出向元企業には国の助成金が支給される。賃金や研修費用も助成対象となるため、企業側は雇用維持と人材育成、社会貢献を同時に進めることができる。教育現場では、社会経験が豊富な人材を安定的に受け入れられる点が強みだ。

 取り組みは、出向元企業、受け入れ先の日本語教育機関、自治体の三者連携を前提とする。自治体は地域日本語教育体制整備事業など既存施策と接続し、外国人住民への支援を強化。企業は定年を見据えた50代人材に新たな活躍の場を提供し、教育機関は人材不足の解消と教育の質向上を図る。

 期待される効果として、地域間で大きな差がある日本語教育環境の是正が挙げられる。日本語教師1人あたりの学習者数は、滋賀県で約94人、沖縄県で約6人と大きな開きがある。出向制度を活用することで、こうした偏在の緩和につなげたい考えだ。また、出向者自身にとっても、第二のキャリアとして社会的意義の高い仕事に携わることで、モチベーション向上や人的資本の再活性化が期待される。

 今後は、外国人住民が多い都市部や教育ニーズの高い自治体をモデル地域とし、パイロット事業を実施する計画。研修体制や受け入れ環境を整備しながら、制度の定着を図り、将来的には全国展開を視野に入れる。KEC教育グループは「教育現場と企業社会が相互に支え合う新しい人材循環モデルの確立」を目指すとしている。

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