早稲田大、インパクトVC「WIC」設立 Deep Humanity掲げ社会課題解決へ

 早稲田大学は、社会課題の解決を目的としたインパクト投資を行うベンチャーキャピタル(VC)の設立を目指し、その運営会社となる「早稲田大学インパクト・キャピタル株式会社(WIC)」を設立した。2026年中のファンド立ち上げを視野に入れる。

 同大は2022年、ディープテック分野の創業投資に注力する早稲田大学ベンチャーズ株式会社(WUV)を設立。理工系技術の社会実装を支援してきた。これに対しWICは、テクノロジーに人文・社会科学の知見を掛け合わせる「Deep Humanity(ディープ・ヒューマニティ)」をコンセプトに掲げ、社会的幸福の実現を目指す点が特徴だ。

 背景には、AIの急速な発展により、テクノロジーのみでは解決できない人間や社会システムの課題が顕在化していることがある。教育格差や医療アクセス不足、地域衰退、高齢化、メンタルヘルスなどの領域で、倫理観と志を持つ経営者と連携しながら課題解決型ビジネスを育成する構想だ。

 WICは、投資成果を財務的リターンだけでなく「社会的幸福(Social Wellbeing)」の促進で評価する。具体的には、「選択の自由」「貢献機会の公正」「共感とリスペクト」「心の健康と充実」の4要素を軸に、投資判断やモニタリングを行う方針を示している。

 また、社会問題の解決そのものを収益源とする「良い利益(Good Profit)」の創出を重視。社会的インパクトと財務的リターンが正の相関を持つ投資モデルの確立を目指す。

 WICは2025年10月21日設立。資本金は1,000万円で、WICパートナーズ有限責任事業組合が70%、学校法人早稲田大学が30%を出資する。代表取締役には大野聡子氏(早稲田大学商学部卒、公認会計士)が就任した。

 早稲田大学は2050年に向け「世界人類に貢献する大学」への進化を掲げる。WICはそのビジョンの一環として、文理融合の総合知を基盤に、新たな資本主義の社会実装を目指す取り組みと位置付けられる。

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